第243回目は「ぼくらの七日間戦争」です。
1988年の日本のジュブナイル映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私が通っていた中学校は、ガラが悪いと評判の学校でした。
しかしながら、実際には私たちの学年は大人しいものでした。
多少のケンカやイザコザはありましたけど、基本的には良い人ばっかりでした。
近所の年上の人たちが言うような、ヤンキーや暴力教師はいませんでした。
そりゃ、みんながみんな幸せで、何事もなかったとは言えません。
やっぱり落ちこぼれや、ガラの悪い奴はいたりするもんです。
私の知らないところで色々あったのかも知れません。
ただ、私は概ね平和に過ごしていました。
正直なところ、私は退屈すぎて毎日イライラしていました。
意外にも校則はそこそこ厳しかったように思います。
特に髪型や服装についてはうるさかった様に思います。
時には教師が理不尽なことを言ってくる場面もありました。
そんな時、私はウキウキしながら教師の間違いを指摘していました。
私は、それが楽しくて仕方がありませんでした。
教師を論破するのが趣味でした。
当時は偉そうにしている教師が大嫌いだと本気で思っていましたが。
今は、こんな私に本気でカマッてくれて感謝しています。
今思えば、良い先生たちでした。
面倒臭い生徒でごめんなさい。
さて、この映画は厳しい校則と、今では信じられない様なコンプライアンス違反の教師たちに反旗をひるがえす中学生の物語です。
舞台の青葉中学は校則がとても厳しく、生徒たちは不満を募らせていました。
ある日、菊池英治をはじめ1年A組の生徒が数人、集団家出をしました。
彼らは町外れの倉庫に潜伏していました。
やがて、学校や親に居場所を知られた菊池たちは倉庫に立て籠ります。
こうして中学生VS大人の戦争が勃発しました。
果たして少年たちは大人に勝てるのでしょうか?
興味があったら観てみてください。
私個人としては、面白いし好きな映画です。
子供たちが大人に一泡吹かせようというところが、楽しいです。
「あーっ私もやりたい!仲間に入れて欲しい!」っと思います。
私は懐かしくて、今でも観ることができますが。
今の子供には時代が違いすぎて、伝わらないかも知れません。
ある程度の年齢の方は
「居た、居た、こういう先生居たよー」っと共感できるかも知れません。
嫌な感じの教師がたくさん出て来て、私はテンションが上がります。
この映画がもう10年早く公開されていたら、影響を受けやすい私は真似をしてしまったのではないでしょうか。
「限度を知らない子供たち」と呼ばれていた頃が懐かしいです。
子供は一度は大人と戦うべきだと思います。
暴力とかではなくて。
社会に縛られる前に、言いたいこと言って、やりたいことをやるべきだと思います。
成功するかどうかは置いといて、そういう経験はしておいたほうが良いと思います。
大人になってから戦う方が辛いし、つまらなさそうです。
この映画みたいに発散できたら、どれほど気持ち良いだろうかと思います。
ま、褒められたことではないですけどね。
わざわざ、子供に観せる映画でもないので、偶然どこかで子供の目に止まれば面白いかなって思います。
さて、じつはこの映画の続編(と言ってもほぼ関連性はありません)がアニメになっているのです。
というわけで、アニメ版「ぼくらの7日間戦争」も観てみました。
2019年の作品です。
流石に現代版とあって、暴力教師は出て来ません。
作品としては、まあまあ面白いというところです。
不思議なことに実写版では私は子供を応援していたのに。
アニメ版では全然応援する気になれませんでした。
やってることはほぼ同じなのに、真逆の印象を受けました。
結論的には、アニメ版は高校生だからだと思います。
私の中では、どうやら中学生は無責任で良くても、高校生は責任を取らなくてはならないと考えている様です。
つまり、アニメ版の主人公たちが犯す住居不法侵入や暴行、公務執行妨害などが観ていられないのです。
実写版は「やれ!やれ〜!」と応援していたのに。
「あれやっちゃダメ!これやっちゃダメ!」っと思ってしまいました。
もちろん面白いシーンもあったので、それなりに楽しめましたが。
やはり高校生がやるには子供っぽい気がしました。
一応、続編として、機会があれば観てみても良いと思います。