カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

恋は舞い降りた。

 

 

 

第293回目は「恋は舞い降りた。」です。

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1997年の日本のクリスマス映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


今年のクリスマス・イヴは日曜日ですね。

 


と思っていたらまさかの休日出勤となりました。

 


「おいおい、よせやい!クリスマスに働いてるのなんてサンタクロースくらいなもんだぜ」

 


コブラのように反論してみても、強制出勤となってしまいました。

 


まあ、実際にはサンタ以外にもたくさんの方々が働いているとは思いますが。

 


ところで、クリスマスが何の日かご存知でしょうか?

 


クリスマスは広くイエス・キリストの誕生日として知られています。

 


厳密にはキリストの誕生日ではないのですが、キリストの誕生をお祝いする日となっています。

 


他にもローマのミトラ神の誕生日とキリスト教に吸収され、キリストの誕生日ということにしたという説もあります。

 


宗教的にはそんなところですが、実際には商業的な意味合いの方が重要な気がしています。

 


ケーキ食ってプレゼント貰ったりあげたりして、明石家サンタを観ながら、人の不幸を笑っちゃう日なのです。

 


何はともあれ、幸せな時間を過ごして欲しいという、思いの詰まった日なのだと思います。

 


さて、この映画はそんな幸せとは何かを考えさせられる作品です。

 


幸せって何なんでしょうね。

 


愛なのか?

 


金なのか?

 


人それぞれだとは思いますけど、難しい問題だと思います。

 


そんな一例として、この映画はいい作品なのではないかと思います。

 


物語は、ホストの神崎啓一郎が不慮の事故で亡くなるところから始まります。

 


実はこの事故は天使(死神)によって引き起こされたものでした。

 


ところが、神崎は天使の人違いで、殺されてしまったのです。

 


仕方がないので、天使はデスノートに神崎の名前を書き換えようとしますが、

 


神崎の猛反発にあい、生き返るための取引をすることになりました。

 


それは不幸な女性を1人、幸せにすることでした。

 


神崎は四つの願いを叶える力を与えられ、試練に挑戦します。

 


しかし選ばれた不幸な女性、幸坂マチ子は、なかなかに手強い不幸の持ち主でした。

 


果たして神崎は生き返ることができるのでしょうか?

 


マチ子は幸せになれるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


この映画はクリスマス映画の中でも、最も騒がしい映画です。

 


主人公を演じる唐沢寿明がうるさいだけかもしれませんが、必死の演技が笑わせてくれます。

 


また天使を演じる玉置浩二の飄々とした演技も見どころです。

 


こいつは絶対、死神です。

 


マチ子を演じる江角マキコも、不幸とまではいかない幸せじゃない感を出していて、とても良かったです。

 


幸せが人それぞれあるように、不幸も人それぞれなのでしょう。

 


「不幸にしがみついていること、自体が不幸なのさ」なんてコブラは言いますけど、

 


それを理解し合うということはとても難しいことのように思います。

 


四つも願いが叶うなら、幸せになれそうな気もしますが、本当のところ私は自信がありません。

 


例えばお金持ちになったところで、本当に幸せかどうかは分からない気がします。

 


この映画には四つ葉のクローバーが幸せの象徴として出てきます。

 


私は思うのですが、四つ葉のクローバーは不幸なのではないでしょうか?

 


四つ葉のクローバーは陽当たり環境の悪いところで生まれるそうです。

 


にも関わらず、人間に真っ先に摘み取られてしまいます。

 


なんか可哀想じゃないですか?

 


まあ、クローバーが可哀想かどうかなんて人間の主観ですけど。

 


誰かを少しでも幸せにできたら、クローバーも幸せなのでしょうか?

 


人間には他人の幸せを妬む心もありますが、

 


他人の幸せを観て、自分も幸せになれる心も持っています。

 


映画を観て感動するのもこの一種かも知れません。

 


この映画を観て少し幸せな気分になってくれればいいなと思います。

 


そういう気持ちって、神様からのプレゼントかもしれませんね。

 

 

 

なんちゃって。

 

 

 

狼の血族

 

 

第292回目は「狼の血族」です。

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1984年のイギリス・アメリカ合作のダークファンタジー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


以前にも話したことがありますが、私は童話が好きなのです。

 


童話の映画化作品にはとても興味があります。

 


そのキッカケとなった作品がこの「狼の血族」です。

 


モチーフは童話の「赤ずきん」です。

 


ただし「赤ずきん」的な内容は終盤の方だけになっています。

 


全体的には意味不明な作品になっています。

 


というのも、この映画が主人公の夢の中というストーリーになっているからです。

 


冒頭は現代的なシーンなのですが、少女の夢の中に入り込んでしまいます。

 


少女ロザリーンは夢の中では山奥の村娘です。

 


ちょうどロザリーンの姉が狼に襲われ、亡くなったところから始まります。

 


しばらく祖母の家に預けられることになったロザリーンは、祖母から狼に関する寓話を聞かされます。

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それは人狼の物語でした。

 


果たして祖母の話はただの寓話なのでしょうか?

 


人狼は実在するのでしょうか?

 


是非一度、観てみてください。

 


正直なところ、訳がわからない映画だとは思います。

 


それもそのはず、そもそも夢の中の話であり、さらに夢の中でおとぎ話の映像が流れるのです。

 


赤ずきんというベースがなければ、意味不明だと思います。

 


祖母の話では、男はみんな狼だということらしいです。

 


特に眉毛のつながった男は人狼なので、気をつけなさいということでした。

 


あっ、私も時々、眉毛がつながりますが、人狼ではありませんよ。

 


さて、

 


ストーリーはともかくとして、映像美には注目して欲しいです。

 


とても美しいです。

 


森の中はロケではなくセットらしいです。

 


その作り物っぽさが、余計に童話感を醸し出していて、雰囲気は抜群に良い感じです。

 


夢の中なので、ところどころヘンテコな描写もありますが、特に解説もなくスルーされているので、観る側もスルーしておきましょう。

 


そして、主人公ロザリーンを演じるサラ・パターソンが美しいです。

 


サラ・パターソンは白雪姫も演じているそうですが、チョット調べても情報が入ってきませんでした。

 


是非、いつか観てみたいと思います。

 


人狼たちもワイルドな俳優で、いかにも狼男という感じでいい雰囲気を出しています。

 


特に変身シーンは見ものです。

 


因みに変身後は、普通の狼になってしまいます。

 


意外と可愛いです。

 


その他にもファンタジックな演出があり、童話の世界を堪能できます。

 


赤ずきん」といえば教訓として「寄り道してはいけないよ」というメッセージが有名ですが、

 


本質的には、少女の性的な成長というのが、モチーフになっているそうです。

 


つまりは「狼たる男に誘惑されてはいけないよ」ということなのだと思います。

 


そういう目線でこの映画を観れば、なんとなく理解できなくもないですが、

 


ラストはまるで意味不明です。

 


いや、全体的に意味不明だったかもしれません。

 


突然の車のシーンとか、よく解りませんでした。

 


ま、夢の中ですからね。

 


とにかく、雰囲気は最高なので、是非観てみてください。

 

 

 

IT それが見えたら、終わり。

 

 

 

第291回目は「”IT “それが見えたら、終わり。」です。

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2017年のアメリカのホラー青春映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私は子供の頃、チョッピリお茶目な悪戯っ子でした。

 


毎日面白いことを探して、何かやらかしていました。

 


そんな私たちを先生は「限度を知らない子供たち」と呼んでいました。

 


私はそのフレーズが気に入って、勝手に自分たちのことを「限度を知らない子供たち」と命名しました。

 


そんな頃が懐かしいです。

 


思えば、その頃私たちは目に見えない何かと戦っていたような気がします。

 


ブラック校則だとか、イジメだとか、この世の理不尽に逆らおうとしていたような気がします。

 


今ならば敵の正体が明確に解り、対処する方法も考えられるのですが、若い頃はどうして良いか判らず、ただ反発していたような気がします。

 


今思えば、その頃はめちゃくちゃ楽しかったです。

 


そういうのも青春と呼んでも良いのではないでしょうか?

 


さて、この映画はホラー映画でありながら、「スタンド・バイ・ミー」の様な青春映画でもあります。

 


むしろ、そっちの方が比重が大きいと感じました。

 


多少怖いかもしれませんが、大丈夫だと思います。

 


スティーブン・キングが好きな人、スタンド・バイ・ミーが好きな人にはオススメです。

 


主人公たちは「ルーザーズ(負け犬)クラブ」という7人グループで、得体の知れない「それ」に襲われます。

 


ただでさえ、いじめっ子や親の虐待やら差別やらで大変なのに。

 


物語はアメリカ・メイン州の小さな町デリーで起こります。

 


主人公ベンの弟ジョージーが行方不明になってしまいます。

 


しかも、その町では27年ごとに少年少女が行方不明になる事件が多発していました。

 


少年たちは得体の知れない「それ」に狙われていました。

 


やがて、ベンとその仲間ルーザーズクラブのメンバーも狙われてしまいます。

 


果たして「それ」の正体とは?

 


ベンたちは「それ」に打ち勝つことができるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


皆さんはピエロは平気ですか?

 


世の中にはピエロ恐怖症の人が多数存在するようです。

 


もれなく私も妻もピエロには恐怖を感じます。

 


この映画の「それ」のデフォルトの姿がピエロなのです。

 


この作品によってピエロ恐怖症を発症した人が沢山いるそうです。

 


言うのが遅くなりましたが、ピエロ恐怖症の人は要注意です。

 


しかしですね、この「それ」の本質的な正体は不明なままです。

 


悪魔なのか、化け物なのか、よくわかりません。

 


実のところ、そこがこの映画の怖くないところなのだと思います。

 


逆にピエロの幽霊、もしくは悪霊の方が断然怖いと思います。

 


なんとなくモンスターというところが、ホラーというよりはファンタジーという雰囲気を出してしまっています。

 


とは言え「それ」は人の恐怖を食べる化け物なので、主人公たちをどんどん怖い目にあわせていきます。

 


確かに怖いと言えば、怖いけれど。

 


主人公たちの心の強さが勝ってしまっています。

 


そのあたりが残念ながら、安心して観ることができてしまいます。

 


よって、ホラーというよりは青春映画という趣きが強いのです。

 


吃音のビル、ひょうきん者リッチー、ユダヤ人のスタンリー、黒人のマイク、喘息持ちのエディ、虐待されたビバリー、太っちょのベン。

 


それぞれの不安、悩み、そして恐怖。

 


乗り越えなければならないものの具象化が「それ」なのかもしれません。

 


是非、ルーザーズクラブの活躍を観てみてください。

 


友情あり恋愛ありで、青春時代を思い出します。

 


さて、パート2の「IT THE END」も観てみました。

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2019年の作品です。

 


27年後、大人になったルーザーズクラブと「それ」の戦い。

 


今度は自分の過去のトラウマと向き合うという内容になっています。

 


怖さも更になくなり、ホラーというよりもファンタジーのノリです。

 


正直なところ、観なくても良い作品だと思いました。

 


しかし、一点だけパート2を観なければ解決しない問題があるので、観ざるを得ないという気もします。

 


いろいろ悲しいこともありますが、青春ですわ。

 


良い映画だと思うので、是非観てみてください。

 


ピエロの顔がチョット怖いだけです。

 

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ROCK YOU!

第290回目は「ROCK YOU!」です。

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2001年のアメリカの中世騎士映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


皆さんは「馬上槍試合」をご存知でしょうか?

 


中世の騎士が行っていた競技で、トーナメントの語源にもなっています。

 


2人の騎士が馬に乗り、槍(ランス)を構えて、お互い交差する様に突進します。

 


交差する時に、槍で相手を突くわけです。

 


槍で突いたら1ポイント、相手を落馬させれば3ポイントなど、ポイント制になっています。

 


これを3本勝負してポイントの高い方が勝ちというわけです。

 


このルールは映画のもので、実際には相手を馬から落とした後で、剣やメイスでボッコボコにどつき合うらしいです。

 


ちなみに剣による突きは禁止らしいです。

 


実際には軍事訓練の一環で、競技化したものですが、映画では騎士の人気スポーツとして描かれています。

 


正直、こんなスポーツなら私もやってみたいと思いますし、オリンピックの種目にしても良いいんじゃないかとさえ思います。

 


騎士物語であり、スポーツものであり、恋愛要素もあるかなり優秀な映画だと思いました。

 


ロックサウンドも良かったです。

 


興味のある人は是非、観て欲しいです。

 


物語は14世紀のイングランドから始まります。

 


当時の騎士の人気スポーツである馬上槍試合に、騎士のエクター卿は参加していました。

 


ところが試合の幕間中にエクター卿は死んでしまっていました。

 


主人公のウィリアムは平民でエクター卿の従者でしたが、身分を偽りエクター卿として馬上槍試合に参加します。

 


そして、あろうことか優勝してしまいます。

 


ウィリアムは騎士になることを夢見ていたため、このまま騎士のフリをして馬上槍試合を続けることを決意します。

 


果たしてウィリアムは騎士になることができるのでしょうか?

 


騎士でないことがバレたら死罪です。

 


果たして、ウィリアムの運命は?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は純粋に面白かったです。

 


ウィリアムは騎士ではありませんが、騎士道精神を持っており、またスポーツマンシップにものっとった行動をします。

 


そこには感銘を受けました。

 


また身分違いの恋や、ライバルの登場、仲間の友情と人間模様に見どころが沢山あります。

 


そのバランスがちょうど良く配分されていると感じました。

 


仲間との友情も魅力的です。

 


仲間のジェフリー・チョーサーは実在の人物だそうですが、私は全く知りませんでした。

 

 

 

 


歴史や文学に詳しい人ならば、更に楽しめる作品かもしれませんね。

 


馬上槍試合のルールが少し分からないところもありますが、概ね違和感なく楽しめると思います。

 


主人公のウィリアムを演じているヒース・レジャーは初主演作品だったようです。

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ヒース・レジャーは若くして亡くなったので、非常に残念です。

 


そういう意味でも、思い入れのある作品となっています。

 

 

 

進撃の巨人

 

 

第289回目は「進撃の巨人」です。

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2013年から2023年までの日本のSFアニメです。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


今、地球上では二つの大きな戦争が行われています。

 


ウクライナ・ロシア戦争とイスラエルハマス戦争です。

 


早く終わって欲しいと願うばかりです。

 


しかし、戦争の終結とはなんなのでしょうか?

 


ウクライナ・ロシア戦争は、ある種の終結の想像がつきます。

 


ロシアがウクライナの領地から完全に撤退した時、停戦交渉の可能性があります。

 


ウクライナがロシアに逆侵攻でもしない限り、そこで終結ということが濃厚です。

 


ところが、イスラエルハマス戦争は終わりが見えません。

 


いつ停戦してもおかしく状況だとも思いますが、それでも続けているということは、最後まで戦い続けるのでしょうか?

 


早く戦争が終わることを祈っています。

 


さて「進撃の巨人」ですが、

 


当初私は観る気が、さらさらありませんでした。

 


人喰い巨人が大暴れして、それを退治する人間のグロマンガという印象でしかありませんでした。

 


もちろん、前半はまさにそんな感じです。

 


キッカケはグロ好きの姪っ子が夢中になって観ているらしかったので、どの程度か確認する必要があるという保護者意識からでした。

 


最初はホントにグロいだけでしたが、実際はめちゃくちゃ面白かったのです。

 


これはただのグロアニメではありません。

 


ファンタジーの皮を被った戦争リアリズムだったのです。

 


前半は巨人の恐ろしさが描かれていますが、後半は戦争の恐ろしさが描かれています。

 


いわば、巨人=兵器の恐ろしさであり、戦争は人間の心理、差別、権力の恐ろしさなのです。

 


そして、最も理想的な希望が、最も絶望的な結末であるという物語です。

 


多少グロいかもしれませんが、絶対に観て欲しい作品でもあります。

 


こんなに気合いの入った作品はここしばらく観たことがありません。

 


NHKで放送していたのが信じられないくらいです。

 


100話近くありますが是非、観てください。

 


物語はとある街から始まります。

 


その街は巨大な壁に覆われていました。

 


壁の外には人を食べる巨人たちが闊歩していました。

 


エレン、ミカサ、アルミンたち幼馴染はそんな壁の外の世界に夢を馳せていました。

 


そしてある日、壁の高さを超えるほどの超大型巨人が現れ、遂に壁を破壊して街に侵入してきます。

 


街の人たちは次々に巨人たちに捕食され、

 


遂にはエレンの母親まで食べられてしまいました。

 


なんとか街を脱出したエレンたちは、調査兵団に入団し、巨人たちに復讐を誓うのでした。

 


果たして、巨人たちの正体は?

 


壁の外には何が待ち受けているのか?

 


是非、観てください。

 


この作品は凄い。

 


驚きの連続でした。

 


前半は多少ストーリーの進展が遅くてダルい感じはしますが、我慢して観続けてください。

 


謎が一つ明かされるたびに、どんどん引き込まれて行くこと間違いなしです。

 


後半は全く雰囲気の違う作品となるので、驚きます。

 


そこまで最初から考えられていたとすると、原作者の諫山創は相当優秀なシナリオライターだと思います。

 


常人にはこんな作品は描けないし、放送できません。

 


グロいだけのしょーもない作品だと思って観ていない人は、騙されたと思って観てみてください。

 


恐らく日本のアニメ史上に残る作品だと思います。

 


とにかく世界観、歴史観が秀逸です。

 


巨人であるとか、立体機動装置とかはビジュアル的なエッセンスでしかなく、

 


本質は戦争における心理描写なのです。

 


巨人との戦い、そして人間同士の戦い。

 


人種差別や歴史的報復における戦争。

 


そこにリアリティのある心理描写が描かれています。

 


作品に分厚い奥行きを感じます。

 


ただ巨人と戦うだけの作品なら、すぐ飽きられるペラペラの作品になっていたでしょう。

 


是非とも最後の最後まで、観てみてください。

 


最後まで観た感想としては

 


「ああ、戦争に終わりはないんだな」

 


としみじみと痛感しました。

 


そこが1番リアリティを感じました。

 


今この世界で行われている戦争の理想的な結末を考えさせられる作品でした。

 

 

 

 

HACHI 約束の犬

 

 

 

第288回目は「HACHI 約束の犬」です。

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2009年のアメリカ・イギリス合作の動物映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


1987年に公開された邦画「ハチ公物語」のリメイク作品です。

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忠犬ハチ公の実話をもとに、舞台をを大正時代から現代のアメリカに移しています。

 


皆さんは忠犬ハチ公をご存知でしょうか?

 


渋谷のハチ公の銅像が有名ですね。

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出典日本気象協会

 


帰らぬ主人を10年近くもの間、駅前で待ち続けたそうです。

 


そんなことがあり得るのでしょうか?

 


私はあり得ると思っています。

 


現にハチは待っていましたしね。

 


中には「駅前の焼き鳥屋さんが目的だったんだ」なんて言う人もいたようですが。

 


私は違うと思います。

 


私はミュウという名前の猫を飼っていますが、私の帰宅をキチンと出迎えてくれます。

 


流石に駅までは来てくれませんが。

 


玄関まで来てくれます。

 


猫でさえそうなのだから、犬ならばなおのこと、あり得ると思います。

 


実際のところ猫の気持ちが解るわけでは無いのですが、ミュウの世界には私と妻しかいないので、寂しいのではないかと思います。

 


すなわち飼い主というのはペットにとって、大きな存在なわけです。

 


今も、私の帰りを待っているかと思うと、涙がちょちょ切れんばかりです。

 


ペットカメラで確認すると……

 


ぐっすり寝てますね。

 


とにかく、動物には時間感覚があり朝起こしてくれたり、帰りの時刻が分かったりするようです。

 


しかも土日は起こさなかったりすることもできるようです。

 


不思議ですね。

 


そんなハチやミュウを思うと切ない映画なのです。

 


動物好きの人は是非、観てください。

 


物語は日本のある寺から始まります。

 


1匹の子犬(秋田犬)が国際便の飛行機でアメリカへと空輸されました。

 


ところが、ずさんな運搬人によって送り先のタグは千切れ、尚且つ駅のホームでケージごと落っことされてしまいます。

 


ケージから這い出た子犬は大学教授のパーカーに拾われます。

 


最初は迷い犬として飼い主を捜そうとしましたが、結局パーカーは自分で飼うことにしました。

 


パーカーは子犬に「ハチ」と名前をつけました。

 


パーカーとハチは絆を深めていきますが……。

 


さて、2人の運命はどうなってしまうのでしょうか?

 


是非、観てください。

 


まず、ハチが可愛いですね。

 


リチャード・ギアが主演ですが、完全にハチが主人公です。

 


結構、アメリカ人の良い加減さが目立つ映画でもありました。

 


とにかく荷物の扱いが雑です。

 


現実でも雑だと思いますが、酷すぎます。

 


ハチが行方不明になって大問題になっているはずです。

 


この物語の裏で「行方不明犬ハチ公物語」が進行しているはずです。

 


また、パーカーがハチを放し飼いにしているところも気になりました。

 


秋田犬は意外とデカいんですね。

 


放し飼いはどうかと思います。

 


もちろんそこには、パーカーに対する信頼や、ハチに対する思いやりという周囲の人たちの理解があるということです。

 


そうでなければ、この物語は成立しません。

 


皆んな良い人たちばかりです。

 


ついでに言えば、パーカーの娘もハチを野放しにするので、どうかと思いました。

 


いい加減なアメリカ人の話です。

 


とは言え、ハチの表情をみていると、ヒモで縛りつけられなくなるのも解らなくもないです。

 


ハチの演技に注目して、観てみてください。

 


この映画で感じたことは、飼い主の責任の重さでしょうか。

 


家にペットがいる人は、無事に帰るという責務があると思います。

 


きっとペットは首を長くして、飼い主の帰りを待っているのでしょう。

 


そりゃ、ペットにしてみればご飯の都合もあると思いますけど、きっと寂しがっていると思います。

 


顔を見れば判りますよ。

 


さあ、帰りましょう。

 


僕も帰ります。

 

 

 

 

インベージョン

 

 

 

第287回目は「インベージョン」です。

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2007年のアメリカのSF映画です。

 


*以降激しくネタバレ注意です。

 


宇宙にはいろいろな生命体がいるものです。

 


もちろん創作の話ですが。

 


地球上だって様々な生態を持った生物がいるので、宇宙ならばそれこそ無限の生態があって不思議はないと思います。

 


私は宇宙人が結構好きなのです。

 


どんな哲学を持っているのか?

 


どんな倫理観を持っているのか?

 


興味が止まりません。

 


今回の映画に登場する宇宙人(宇宙生物)は、一風変わった生態を持っています。

 


特に名前は無いようなので、私は勝手にゲロリン星人と呼んでいます。

 


この映画が面白いかと聞かれると、答えは微妙です。

 


ただただ、ゲロリン星人の侵略方法が面白いのと、ゲロリン星人の恐怖が秀逸なのです。

 


あとは、主演のニコール・キッドマンの美しさだけでもっているような映画ではあります。

 


ちょっと尻すぼみという感じは否めませんが、SFとしては魅力的な映画となっています。

 


本作はSF小説「盗まれた街」の4度目の映画化作品であり由緒ある作品でもあります。

 


「ボディ・スナッチャー」と聞けばピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのリメイク作品です。

 


とは言え、設定のみ同じでシチュエーションは全然違うので、改めて楽しむことができると思います。

 


是非、一度観てみてください。

 


物語はスペースシャトルの墜落事故から始まります。

 


シャトルの残骸には未知のウィルスが付着していました。

 


ウィルスに感染すると、まるで別人のように感情がなくなってしまいます。

 


主人公の精神科医キャロルは徐々に異変に気づき、事件に巻き込まれていきます。

 


果たして、このウィルスの正体は?

 


感染から街を救えるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


さて、冒頭で語ってしまったので、なんなんですが、このウィルスこそゲロリン星人の正体です。

 


ウィルス自体は個別であっても共通意識のようなものを持っています。

 


ゲロリン星人の目的はズバリ、増殖です。

 


その増殖方法とは

 


相手に自分のゲロを飲ませる事です。

 


誰もみていない間に、ポットやコーヒーに

 


ゲロゲロゲローっと

 


ゲロを入れておきます。

 


何も知らずに飲んでしまった人は、その後眠りについている間に精神を乗っ取られてしまいます。

 


宇宙一汚い宇宙人です。

 


卑劣とかではなく、バッチい宇宙人です。

 


もらいゲロをしてしまいそうです。

 


初めてみた時は私もゲラゲラ笑っていましたが、よくよく考えると恐ろしい宇宙人です。

 


それ以外は割と無害なところも魅力的です。

 


ちょっと興味深い宇宙人なので、是非、観て欲しいです。

 


さて、ついでに「ボディ・スナッチャーズ」も観てみました。

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1993年のアメリカの制作です。

 


設定は同じであるものの、舞台は軍事施設内でおこり、乗っ取り方法も違います。

 


こっちは汚くありませんが、その代わりにうるさいです。

 


全然別物の映画として観ることもできます。

 


こちらもヒロインが可愛い以外に、特段見所は無いかもしれません。

 


宇宙人の乗っ取り方は斬新だと思います。

 


派手さはありませんが、良質なSF映画だと思いました。

 


時間がありましたら、観てみてください。