カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

十戒

 

 

 

第308回目は「十戒」です。

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出典U-NEXT 


1956年のアメリカの歴史映画です。



*以降ネタバレ注意です。


旧約聖書の「出エジプト記」の実写映画化です。

 


多少のアレンジはあるものの聖書の世界観を充分に再現している作品だと思います。

 


旧約聖書といえば、私も全部は読んだことはありません。

 


最初の「創世記」と「モーセ五書」くらいのものです。

 


小学校の通学時に謎のおじさんが聖書を、道ゆく生徒に聖書を配っていました。

 


漏れなく私もいただきました。

 


ファンタジーが好きな私は神話も大好きであり、聖書もファンタジーなものとして受け入れていました。

 


というのも、映画や物語には聖書を引用した作品が多く資料としてありがたいと思っていました。

 


内容としては神話的な部分と歴史的な部分とに分けられますが、私が好んでいたのは神話的な部分でした。

 


歴史的な部分は私にとって、つまらない若しくは理解が難しかったのだと思います。

 


まあ、私は歴史も好きなので、おいおいは読んでみようかな、とは思っています。

 


さて、物語は紀元前13世紀頃、エジプトのファラオは奴隷であるヘブライ人の反乱を恐れて、ヘブライ人の赤子を殺す命令を下しました。

 


というのも、ヘブライ人を解放する救世主が誕生したという占いがもたらされたからです。

 


その頃、ファラオの王女のもとにパピルスで編まれたカゴが川から流れてきました。

 


カゴの中には赤ん坊が入っていました。

 


王女は赤ん坊をモーセと名づけ、自分の子として育てます。

 


しかし、モーセは実はヘブライ人の子供でした。

 


成長したモーセはファラオの実子ラムセスと王位継承権を争うことになります。

 


しかし、モーゼの出生の秘密が暴かれようとしてしまいます。

 


果たして王位は誰のものに?

 


ヘブライ人は奴隷から解放されるのでしょうか?

 


モーセの運命は?

 


是非、観てください。

 


3時間40分と長い映画ではありますが、見応えは充分にありました。

 


衣装、セットなど素晴らしい映像美です。

 


奴隷の子が王子として育てられ、自らの出自に向かい合うという王道的なストーリーも面白いです。

 


ただ、私はモーセの判断は間違っていると感じました。

 


奴隷を解放したいのであれば、まず権力を手中に収めることが重要だと思います。

 


民族のアイデンティティとか、そういったものは二の次だと思います。

 


結果的にには良かった(?)のかもしれませんが、私には遠回りしたようにしか思えません。

 


とは言え、それでは物語になりませんので、仕方ないというところでしょう。

 


それにしても、拾った子供をバレずに実子として育てられるものでしょうか?

 


しかも王家で。

 


エジプト王家は意外と大らかなのかもしれませんね。

 


妻も側室も大勢いたようですし、子供が1人増えたくらい気が付かないのかもしれませんね。

 


そんなわけはないか。

 


エジプト王家のセティ1世、ラムセス王子、ネフェルタリ王女はモーセの被害者であるという感じがしました。

 


もちろん奴隷制度は良くないと思いますが、王家の人々は気の毒な感じがしました。

 


奴隷たちも、それはそれは悲惨な目に遭うのですが、それもモーセのせいとも言えます。

 


神がそう望んだというのであれば、仕方ないのかもしれません。

 


何にせよ、壮大なスケールの物語でした。

 


モーセを演じるチャールトン・ヘストンとラムセスを演じるユル・ブリンナーの二大名優による王位継承争いは見応えがありますし、女優陣も個性的で美しいです。

 


エジプトの様式美がうかがえてとても良い作品だと思います。

 


十戒と言えばクライマックスの海が割れるシーンですが、なかなかに凄い迫力の映像となっています。

 


まあ、合成とか今観ればチャチかもしれませんが、私はこちらの方が良いと思います。

 


CGでリアルになると迫力を感じない気がします。

 


ラストはラストでめちゃくちゃな感じがして、愕然とします。

 


モーセもどちらかというと、ツイてない人生だったと思います。

 


まあ、ある種の自己犠牲と考えれば預言者に相応しいのかもしれません。

 


とにかく、モーセの生涯をここまで映像化できた作品は他にはないでしょう。

 


聖書に興味のない人も是非、観てみてください。