第303回目は「スクリーム」です。
出典U-NEXT
1996年のホラーサスペンス映画です。
映画の登場人物は映画を観ないのか?
皆さんは、こんな疑問を持ったことはありませんか?
例えば、ゾンビ映画の登場人物は大抵、ゾンビの存在を知らないと思います。
ゾンビであるという認識が遅くてやられたり、感染のリスクを知らなかったりします。
ゾンビ映画を観ていれば、ある程度切り抜けられる場面もあると思います。
また、映画にもよりますが頭が弱点だったり、燃やしたりと対応も考えやすいと思います。
この「スクリーム」ではホラー映画ありきの作品になっています。
「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」「ハロウィン」などについて語られます。
セオリーとして1人になってはいけないとか「すぐ戻る」と言ってはいけないなどを教えてくれます。
まあ、知っているからどうということも、ないかもしれませんが。
私などはゾンビやジェイソンが現れたら、真っ先に瞬殺されていると思います。
運良く客観的に見られる時間があったならば、映画の知識で対抗できるかもしれません。
特にこの映画「スクリーム」なら、ギリギリ生き残れそうです。
物語はカリフォルニア州の田舎町ウッズボローのとある民家から始まります。
1人で留守番中の女子高生ケイシーが、ホラー映画のビデオを観ようとしていると、電話がかかってきます。
最初はイタズラ電話のようでしたが、次第に脅迫電話へと変わっていきます。
そして、遂には殺人鬼ゴーストフェイスが現れケイシーを惨殺してしまいます。
ウッズボローの街には1年前、ケイシーと同じ高校のシドニー・プレスコットの母親が惨殺されるという事件がありました。
2つの事件の関連性は?
ゴーストフェイスの正体は?
是非一度観てみてください。
この映画はホラー映画というよりは普通にサスペンス映画でした。
ジェイソンやフレディのようなゴーストフェイスは出てきますが、怪物ではありません。
普通の猟奇殺人犯です。
普通って何なのか分かりませんが、人間です。
それゆえにリアリティがあるというか、コメディに見えてしまう部分もあります。
実際に会ったら恐怖なんでしょうけど、客観的に見たら笑えてしまいます。
と言うのも、ゴーストフェイスは殺しが下手です。
まあ、逃げる側も必死ですから、なかなか殺されない訳ですけど。
ターゲットであるヒロインのシドニー・プレスコットがしぶといのもあって、接戦になります。
シドニーを演じているネーヴ・キャンベルは、あまり有名な作品には出ていないかもしれませんが、私は高く評価しています。
「スクリーム」と「ワイルドシングス」有名作ですね。
「ワイルドシングス」も凝った作品でそこそこに面白いです。
出典U-NEXT(1998年公開)
どちらもシリーズ作が作られるほどですね。
さて、本作での良かったところは、やはりゴーストフェイスの犯人像です。
ホラーにありがちな動機無き無差別殺人ではなく、一応動機がありました。
作品としては動機無き風に進んでいくんですけど、そこが意外でした。
ただのホラーではないと思えました。
脚本が悪いのか、犯人の頭が悪いのか分かりませんが、犯人がアホ過ぎます。
クレイジーと言っていいでしょう。
狂気を感じました。
それだけでもこの作品は成功と言うべきだと思います。
出来の悪いホラーであり、優秀なサスペンス映画なのです。
ホラーが苦手で敬遠していた人は、是非観る事をオススメします。
ホラー好きの人にも、もちろんオススメです。