第179回目は「リング」です。
1998年の日本のホラー映画です。
*以降ネタバレ注意です。
今や、日本を代表するホラー映画と言っても過言ではないでしょう。
おそらく日本人で、その存在を知らない人はいないでしょう。
しかし、意外と映画を観たという人は少ないかもしれません。
映画のキャラクターが一人歩きしている感じです。
そこだけがクローズアップされていますが、まだ観ていない人は、映画自体の怖さを是非体験して欲しいです。
私はこの映画にはかなり衝撃を受けました。
ホラー映画の中でここまで面白いと感じた作品はなかったと思います。
物語は巷で噂の「呪いのビデオ」について取材している浅川玲子が主人公です。
「呪いのビデオ」とは、観た人を1週間後に殺してしまうという代物で、高校生の間で話題となっていました。
ある時、浅川玲子は突然死した姪の大石智子の葬儀に参列する。
そこで大石智子は「呪いのビデオ」を観たという証言を聞き出しました。
1週間前に智子と旅行に出かけた4人は全員同時刻に亡くなっていました。
浅川玲子は智子の旅行先である伊豆のペンションに向かいました。
そこでラベルのないビデオテープを発見し、観てしまいました。
直感で、「呪いのビデオ」であると確信した浅川玲子は元夫である高山竜司に相談する。
そして浅川玲子と高山竜司は呪いを解くためにビデオテープのルーツを探ります。
果たして「呪いのビデオ」は誰が何のために作ったのでしょうか?
呪いを解くことはできるのでしょうか?
是非、観てみてください。
この映画は私は結構好きです。
ただし、評価としては難しいかもしれません。
ここからネタバレ強めです。
ぶっちゃけて言えばこの映画は、心霊ホラーであると同時に超能力ホラーでもあるのです。
私はそこが面白いところだと思うのですが、中にはガッカリする人もいるのではないでしょうか?
怨念が超能力によるものとなると、若干ですが恐怖が和らいだ様な気がしました。
しかも高山竜司も超能力者なので、何というか頼もしいです。
それでも怖さの緊張はビンビンに張っていたと思います。
まず、冒頭の導入部分、大石智子のシーンですが、なかなか良い雰囲気を醸し出しています。
めちゃくちゃ怖いというわけではないのですが、ゾゾゾっと背筋に冷たいものが走る様な雰囲気を放っています。
抜群に良いシーンだと言えます。
これでツカミはOKです。
本筋ではビデオの呪いを解くまでのタイムリミット、1週間という時間が全体的な緊張感と恐怖をもたらします。
しかし、意外と調査はサクサク進んでしまいます。
上映時間をもう30分伸ばして捜査を難航させた方が盛り上がった様に思います。
95分という長さでは少々、物足りなく感じました。
ただビデオの映像を解析したりするところは、推理モノのようでワクワクしました。
実はこの映画は直接的な怖いシーンは割と少ないのです。
どちらかと言うとサスペンス的な雰囲気です。
しかし終盤は怒涛のホラーシーンが続きます。
第一段階は井戸のシーン。
呪いを解くためのシーンですが、シチュエーションがめっぽう怖い。
拒絶感や絶望感の混在する良いシーンです。
第二段階は高山竜司のシーン。
このシーンは有名すぎて誰もが知っているシーンです。
あえて言いませんが、ある有名人物が出て来ます。
もう完全な出オチです。
流石の私も少しビビってしまいました。
正直なところ、今まで観たホラー映画で一番怖かったように感じました。
ストーリーの展開上で、理解が及ばず混乱しているところに不意を突かれました。
このシーンだけで、この映画を観る価値があります。
さて、最後は浅川玲子のラストシーン。
浅川玲子のラストの表情こそ、この映画で最も恐ろしいシーンなのです。
つまり、最初から最後まで怖くて、面白いのです。
ホラー映画の苦手な人もこの映画だけは観て置いて欲しいです。
もう観なくても、呪いの正体も知っているから今更だよ。
と、思っている人にも一度観ておくことをお勧めします。