第187回目は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll」です。
出典evangelion.co.jp
2021年のアニメ映画です。
*以降ネタバレ注意です。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版4部作の最終章です。
1995年のTVシリーズのリメイク版でもあり、続編でもあります。
早速、劇場まで観に行ってきました。
延期に次ぐ延期で、待ちに待った作品でもあります。
最新の映画なのであまり内容には触れず、エヴァンゲリオンそのものについて語っていきたいと思います。
とは言え一応、映画の感想だけは言っておきます。
結論から言えば
「もの凄くスッキリ!しました」
エヴァンゲリオンといえば、難解で謎が多く、しかもほとんどの謎が放置したまま、消化不良を起こす作品というイメージですが。
なんだか綺麗に終わりました。
スッキリし過ぎて、逆に気持ち悪いくらいです。
正直なところ、マトモなエンディングなんて期待していなかったのですが、完璧な終幕だったと思います。
是非、観ていただきたいと思います。
ただし、この映画である程度の感動を得るためには、新劇場版の前3作に加えて、TVシリーズと旧劇場版を鑑賞しておかなければなりません。
もちろん、新劇場版だけでも充分に楽しめると思います。
しかし、私としてはTVシリーズから順に観ることをお勧めします。
物語は南極で起こったセカンドインパクトと呼ばれる現象で、人類の半数が失われた地球が舞台です。
南極の氷は蒸発し、東京は海の底に水没して、地軸は狂い日本は常夏の国となっていました。
セカンドインパクトから、15年後
2015年、主人公、碇シンジは父の碇ゲンドウに呼ばれて第3新東京にやって来ました。
時同じくして、「使徒」と呼ばれる未知の生命体が街を襲って来ます。
シンジは父に人造人間ヱヴァンゲリヲンに乗って戦うことを迫られます。
果たしてシンジは人類を救うことができるのでしょうか?
というストーリーです。
興味がある人は是非観てみてください。
エヴァンゲリオンといえば、マニアックな印象があると思います。
それだけに、敬遠している人も多いのではないでしょうか?
その通りです。
間違いなくマニアックです。
セカンドインパクトや人類補完計画、セントラルドグマ、マイナス宇宙など、マニア心をくすぐるワードが次々に出て来ます。
そこに知的好奇心が湧き、答えを求めて次々と観てしまうのです。
しかし、謎が増えるばかりで、一向に解き明かされる様子はありません。
グイグイと引き込まれていきます。
しかも、人間関係はドロドロで生々しく、時には観ていられないほどの羞恥を感じさせます。
ちょっと気の弱い少年が鑑賞すれば、心を病んでしまうのではないかと思ってしまいます。
しかし、最後には全てが昇華されるのではないかと期待して観てしまうのです。
旧劇場版では、TVシリーズの最終回をリメイクしたものの、難解な狂気の映像となっています。
そして25年目にして、やっと呪縛から解放されました。
まさか、この作品がマトモな最後を迎えるなんて、誰も考えもしなかったのではないでしょうか?
主人公が救われるなんて思いもしませんでした。
是非ともTVシリーズの絶望感を味わってから新劇場版を観て欲しいです。
スカッとします。
難しい話をサラッと流せる人は気楽に楽しんで下さい。
基本的には親子の絆の物語です。
最終的な敵の目的は、人類補完計画というものなのですが、簡単に言うと「使徒」の力を利用して、人類を一つの生命体にしてしまおうというものです。
一つの生命体になれば、イジメも差別も戦争もなくなるというわけです。
はっきり言って、余計なお世話です。
エヴァンゲリオンのおかげで、そんな作品が圧倒的に増えた気がします。
精神が一つになるとか、ネットワークで人類が一つになるとか。
そういえば綾波レイみたいなヒロインも増殖しました。
影響を受けすぎではないでしょうか?
究極には、そこに行き着くのかもしれませんが、人間たるを捨ててまですることではないような気がします。
戦争や差別を肯定するわけではありませんが、何か別の方法を考えて欲しいです。
そして、アニメ制作者には、何か別のオチを考えて欲しいです。
父との対話を経て少年が青年へと成長する良い作品でした。
さて、シンジくんも無事に青年へと成長したことだし、私もそろそろ大人にならなければ、と感じました(現在四十代)。