第90回目は宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ちです。
1979年のテレビアニメです。
*以降ネタバレ注意です。
私は宇宙戦艦ヤマトが好きなんですが、嫌いな部分もあります。
思えば、テレビシリーズは好きなのですが、劇場版は大概好きではありません。
この作品は劇場版の「さらば宇宙戦艦ヤマト」ではなく、テレビシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2」の続編となっております。
なぜならば、「さらば宇宙戦艦ヤマト」ではヤマトクルーがほぼ全員死んでしまうので、生存者の多い「ヤマト2」の続編というわけです。
私はいたずらに死者が出る作品は好きではありません。
特に犬死と自己犠牲は見るに耐えません。
戦争映画を観て、死ぬのが嫌だなんて甘っちょろい考えなのかもしれませんが、あまり好きではないです。
そんなこんなで、「新たなる旅立ち」でもある重要な人物が亡くなるので、私は好きではありません。
物語の主役はほぼデスラー総統です。
彗星帝国との戦いの中ヤマトに勝利したデスラー総統は新天地を求めて旅に出ますが、その前に故郷ガミラス本星に立ち寄ります。
しかし留守中のガミラス本星では暗黒星団帝国が無断でガミラシウムという資源を盗掘していました。
怒り狂ったデスラーは敵を撃破しますが、その最中、ガミラス本星が爆発してしまいます。
ガミラスとイスカンダルは双子星であり、双方の引力で釣り合いをとっていました。
ガミラスを失ったイスカンダルは重力から解き放たれ飛び出してしまいます。
イスカンダルにはスターシャと古代守とその娘のサーシャが居ます。
デスラーは救い出すことができるのでしょうか?
という物語です。
この作品で重要なのはデスラー総統についてどう考えるかということです。
地球人はデスラーにかなりの人数を殺されているはずです。
3年ほどでめちゃくちゃ復興しているので、意外と死んでいないのかも知れません。
そんなデスラーを許せるでしょうか?
一方、ヤマトはガミラス人をほぼ皆殺しにしています。
こんなことが許されるのでしょうか?
それが許しちゃうのです。
過去の戦争のことは水に流しましょう。
それが愛かも知れません。
地球人も全てではないでしょうが、過去に戦争があっても仲良くしているじゃないですか。
規模は違うかも知れませんが、許し合いましょう。
デスラー総統は自分の愛するものはトコトン執着するという性格です。
デスラー総統が愛するものとは
1、ガミラス
元はと言えばガミラスを救うために地球に侵略してきたのです。
逆にヤマトにガミラス本星をボコボコにされたので、そりゃ復讐に燃えるはずです。
2、スターシャ
きっとデスラーの片思いだったんでしょう。
力尽くで我がものにすることもできたかも知れませんが、デスラーはそうはしません。
古代守に取られたけれど、そこはゴネたりはしません。
本当に愛しているのでしょう。
3、ヤマトです。
敵の中に愛を見たデスラーはヤマトを愛するまでにいたったのです。
ケンカのあとに芽生える友情のようなものでしょうか。
人は分かり合えるのです。
デスラーは愛するものの為なら何万ガロンの血を流し、自らの命をも懸ける覚悟なのです。
それはそれでヤバいヤツです。
しかし、そんなデスラーが私は好きです。
この作品はデスラーを許すために作られたのだと思います。
デスラーを知るには良い作品だと思いますが。
私はこの作品が許せない。
物語のラストで、ある人物が亡くなるのですが、納得がいきません。
何も死ぬことはなかったと思います。
波動砲でふっとばしゃ良いじゃん!
そう思いました。
「おのれ、西崎(監督)!」
思わず制作陣に怒りが湧きましたが、それは間違いでした。
憎むべきは暗黒星団帝国です。
次回作でこの無念を晴らしてくれ!
つづく