第280回目は「マトリックス」です。
出典U-NEXT
1999年のアメリカのSFアクション映画です。
*以降ネタバレ注意です。
もし、この世界が実はコンピュータによる仮想空間だったら。
という内容の映画です。
そういう設定の映画が、それまでになかったわけではありませんが。
「マトリックス」以降に確実に、そういう映画は増えたと思われます。
しかし、この「マトリックス」という作品は空前絶後の作品となっております。
まさに見たこともない映像となっています。
スローモーションを多用し、さらに映像はスローなのにカメラアングルがスピーディに動く撮影技法や。
銃弾の軌道を描くなど、それまでにない表現方法がなされています。
仮想空間を表現するための手法なのですが、新感覚の映像となっていて刺激的です。
撮影技術だけでなく、衣装や設定、造形、どれをとっても素晴らしい作品です。
20年も前の作品とは思えないクォリティの高さです。
まだ観たことのない人は、ぜひ観てみてください。
物語はなんの変哲もない1990年代ごろのアメリカを舞台に始まります。
主人公のトーマス・アンダーソンは大手企業のプログラマーとして生活していました。
しかし、アンダーソン君にはハッカー「ネオ」としての裏の顔もあったのです。
ある日、アンダーソン君は不思議なメッセージに導かれ、トリニティとモーフィアスに出逢います。
彼らは、この世界がマトリックスと呼ばれるコンピュータに作られた仮想現実だとアンダーソン君に告げます。
世界の真実を知るか、このまま仮想世界で生きるか、選択を迫られたアンダーソン君は、真実を知ることを望みました。
目覚めたアンダーソン君は巨大な培養槽に繋がれていました。
目にした世界はコンピュータの反乱によって崩壊した数百年後の世界でした。
人類はコンピュータの動力エネルギーとして培養されていたのでした。
真実を知ったアンダーソン君はネオと名乗り、マトリックスから人類を解放することを誓います。
果たしてネオはコンピュータの支配した世界から人類を救出できるのでしょうか。
預言者とは?
救世主とは何者なのでしょうか?
是非一度、観てください。
多少、難解な設定かもしれませんが、モーフィアスが解りやすく説明してくれるので、主人公ネオと一緒に学んでいけば良いと思います。
基本設定はもの凄く良くできていると思いました。
人類を動力源である電池として、栽培するという発想はありませんでした。
普通機械の支配する世界に人類なんて必要ないのです。
奴隷にするというのも安易な発想です。
しかし、電池として扱うことによって、人類を生かしておかなければならない理由を作ってしまったのです。
素晴らしいアイデアです。
また、マトリックスの存在意義についても解説がありますが、それも説得力がありました。
その辺は映画を観て確認して欲しいです。
とにかく映像美を堪能して欲しいです。
そして、俳優たちの存在感にも注目して欲しいです。
ネオを演じるキアヌ・リーブス。
トリニティを演じるキャリー=アン・モス
モーフィアスを演じるローレンス・フィッシュバーン
それぞれ、演技やアクションが素晴らしい。
特にキアヌ・リーブスは「理解できていない表情」と「理解できた表情」が明らかで、難しい役をこなしているなと思いました。
あと、エージェント・スミスを演じているヒューゴ・ウィーヴィングにも注目です。
スミスはマトリックス内のいわばワクチン的なプログラムの擬人化ですが。
その成長ぶりを是非観て欲しいです。
さて、この映画「マトリックス」は3部作構成になっています。
次作「マトリックス・リローデッド」
(2003年)
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覚醒したネオと覚醒したエージェント・スミスの戦いを描いています。
一方、現実世界にある人間の都市ザイオンは機械たちに侵略されようとしていました。
果たしてネオはザイオンを救うことができるのでしょうか?
決着は最終章に持ち込まれます。
ここまで観たら最終章を観ずにはいられないでしょう。
最終作「マトリックス・レボリューションズ」(2003年)で、一応完結します。
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後日譚として「マトリックス・レザレクションズ」(2021年)へと続きますが、私はまだ観ていないのでまたの機会にお話しします。
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最終作は前作の直後から始まります。
そして、その世界観は難解になっていきます。
もはや科学的な映画というより神話の領域のような感じがしました。
結局のところA.I.の方が一枚上手だったという感じがしますが、マトリックスの世界観を充分に見せつけてくれました。
これはA.I.の神話であり、伝説の作品となったのであります。
A.I.モノの基礎を学ぶためにも是非、観ておきたい作品です。