第279回目は「いぬやしき」です。
2018年の日本のSFアクション映画です。
同名コミックの実写版映画です。
*以降ネタバレ注意です。
皆さんはサイボーグに憧れたことはありませんか?
私は子供の頃に、サイボーグになりたいと思っていたことがあります。
目が覚めたら胸からミサイルが出るようなサイボーグになっていたらなー、なんて思っていました。
実は今でも、機械の体には憧れはあります。
どちらかと言うと、医療的な面で機械化できるような時代になれば良いなと思っています。
病気とか怪我を機械化して克服できるなら、それに越したことはないと思います。
ミサイルなんか出てもなんの役にも立ちませんからね。
そんな夢のサイボーグの映画です。
「え、犬の映画じゃないんだ?」
そう思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は私も最初は、犬とおじいちゃんの物語かと思っていました。
まあ「GANTZ」の奥浩哉が今更そんな平凡な話を書くはずもないですか。
結構、ハードな内容の作品となっています。
物語は現代の日本が舞台です。
家族からも会社からも疎まれる老人のような中年、犬屋敷壱郎は寂しい人生を送っていました。
ある日、謎の閃光と衝突して犬屋敷壱郎は死んでしまいます。
しかし、何者かによってサイボーグとして、犬屋敷壱郎は蘇ってしまいます。
一方、同じ場所に居合わせた高校生の獅子神皓もサイボーグとなっていました。
獅子神はサイボーグの力を殺戮に使ってしまいます。
犬屋敷はサイボーグの力を人命救助に使っていました。
相反する二人はやがて衝突することになります。
犬屋敷は獅子神の凶行を止めることができるのでしょうか?
是非、観てください。
結構、メンタルにくる映画でした。
社会から疎外される犬屋敷壱郎が可哀想でなりませんでした。
可哀想なのは犬屋敷だけではなく、家族もなんらかの悩みを抱えたりしていました。
なんとなく辛かったです。
サイボーグ化してからは、それなりに生きがいを見つけたようですが
それは犬屋敷本人なのか、はたまた犬屋敷の記憶を持ったロボットであるのか、解りません。
ちょっと哲学的でもあります。
一方獅子神皓ですが、私にはその行動が理解できませんでした。
ある事件を起こしますが、動機が不明です。
動機なき衝動ということもあるかもしれませんが、理解に苦しみます。
後半の方は動機が痛いくらい解るのですが、元をただせば自業自得というところでした。
そういうところもあって、犬屋敷と獅子神の戦いは、観ているのが辛いものではありました。
映像的には見応えのあるバトルになっていたと思います。
ストーリー的にはSF部分を除いても、社会問題を取り入れた重厚な内容になっていると思います。
ただのSFではないような気がします。
単純なバトルものではなく、ストーリーや世界観を堪能して欲しいと思います。
ま、内容としては犬屋敷VS獅子神だけなんですけどね。
でも、観て欲しいと思います。
獅子神の狂気も犬屋敷の孤独も。
結構、揺さぶられる映画でした。
サイボーグというか超越した力を持ってしまうと、おかしくなってしまうんでしょうか?
私がサイボーグになったら、犬屋敷のように正義のために世界平和のために、その力を使いたいと思います。
世界中の人を救いたいと思います。
その為には、世界の王になっちゃおうかな〜。