第193回目は「ロボコップ」です。
1987年のアメリカのSFアクション映画です。
*以降ネタバレ注意です。
鑑賞前の私の「ロボコップ」に対するイメージはコメディタッチで子供向けのヒーローものでした。
ところがどっこい、中身はハードなバイオレンス映画でした。
小さなお子様に観せるには、ちょっと刺激が強いかもしれません。
笑いの要素もあるにはありますが、笑える雰囲気ではありません。
街を支配しているのは大企業のオムニ社です。
デトロイト警察も民営化されていて、オムニ社が運営しています。
オムニ社は理想の未来都市「デルタシティ」の建設のために犯罪者を一掃する計画を立てていました。
その要がロボコップです。
ある日デトロイト警察にアレックス・マーフィー巡査が転任配属されてきます。
しかし、マーフィーは初日にまさかの殉職してしまいます。
マーフィーの遺体は回収され、ロボコップに改造されてしまいます。
ロボコップは人間の脳を含む臓器を再利用したロボットでした。
しかし、ロボコップにはマーフィーの生前の記憶が残っていました。
果たしてロボコップの運命は?
オムニ社の陰謀とは?
是非、観てみてください。
私の記憶では公開当時、めちゃくちゃ流行っていた記憶があります。
サバイバルゲームでも、ロボコップが使用する銃のオート9を持っている人がいて、もてはやされていた記憶があります。
正直なところ私はロボコップを舐めていましたが、かなり面白かったです。
残酷描写は結構多いと思いますが、犯罪都市を表現するには丁度良かったのかもしれません。
作中のニュース番組で世界観が伝えられますが、かなり世界中の治安は悪くなっているようです。
演出としてニュースシーンの挿入は非常に上手いと感じました。
ロボコップの最初の起動時のカメラワークも秀逸です。
強いて言うなれば、マーフィーの妻と子供についてもう少し深掘りしていれば、完璧な映画だったのではないかと思います。
しかし、ヒーローものとしては充分に面白い作品だと思います。
さて、問題はロボコップがロボットであるのか、サイボーグであるのか、というところだと思います。
生体コンピューターとして人間の脳を使用しているので、私としてはサイボーグだと思います。
それはロボコップがマーフィーか、ただのロボットかという重要な問題でもあります。
ロボコップもオムニ社もロボットであるという見解のようですが、本当のところはどうなのでしょう?
一度死んだ脳を再生しているので、脳が部品であるといいますが。
ではロボコップには魂はないのでしょうか?
そもそも、魂というものの存在が、議論するところだと思います。
私たちが魂と呼んでいるものは記憶の集合体ではないでしょうか?
だとすればマーフィーはロボットではなく生きているということでしょうか。
ロボコップはロボットの振りをしているのではないでしょうか?
だとしたらとても悲しい話です。
深く考えると、なかなか見どころのある映画だと思います。
ロボコップがビジュアル的にカッコ悪いと思って観ていない人には一度観て欲しいです。
意外とカッコ良く思えてきます。
特にラストシーンはスカッとします。
ついでに「ロボコップ2」も観てみました。
麻薬と少年犯罪がメインとなっています。
相変わらずロボコップのプライベートについては少ししか描かれておらず、物足りない感じがしました。
さらに「ロボコップ3」も観てみました。
デルタ・シティ建設のために住民を強制立退させるオムニ社と、市民との抗争が描かれます。
そんな中、ロボコップは市民の安全を守るというプログラムとオムニ社を守るというプログラムの板挟みになってしまいます。
ロボコップシリーズの完結編です。
三作とも血も涙も笑いもない、ハードな内容になっています。
ロボコップが大好きな人は三作とも観ることをオススメします。
私は一作目が1番面白かったと思います。