第194回目は「オデッセイ」です。
*以降ネタバレ注意です。
火星に一人で取り残された男の物語です。
その前に、私の子供の頃の話を一つ。
私の家の近所に、通称ゴリラのオッサンという老人が住んでいました。
その人物は自称発明家で
「ワシが発明したレーダーを軍部が採用していれば、真珠湾攻撃は成功し、ミッドウェー海戦では負けなかった」
が口癖だった。
ゴリ……ここでは敬意を表して、ゴリ博士としておきます。
ゴリ博士は幼い私に戦争中の話をたくさんしてくれました。
実のところ、ほとんど忘れてしまいましたが、発明関係の話はいくつか覚えています。
風船爆弾、犬爆弾、マッチ爆弾、うんこ爆弾などがありました。
これらはゴリ博士の発明ではないですが、おもしろ話として聞かせてくれました。
今回はうんこ爆弾について話したいと思います。
うんこ爆弾とは、人間のうんこから発生するメタンガスを爆発させる人糞爆弾です。
研究していたのは、通称うんこ博士です。
もともとは農業や微生物を研究していたそうですが、徴兵されて兵器開発をしていたそうです。
しかしながら、うんこ爆弾が完成する前に戦争は終結しました。
うんこ博士は再び研究職へと戻り、ある時アメリカの学会で、研究を披露することになりました。
うんこ博士は聴衆の面前で、フラスコに放尿し、それを蒸溜して真水を取り出し、一気に飲み干しました。
「うんことオシッコがあれば、人間は何処でも生きていける!」
うんこ博士は高らかに宣言しました。
その後、うんこ博士はアリゾナ州の砂漠で、半年間、自分のうんことオシッコで、畑を耕して生活をしたそうです。
最後の方は豪華な食事ができていたらしいです。
その記録が、なんとNASAに保管されているそうです。
宇宙船での尿を濾過して飲料水にするシステムは、うんこ博士の研究による功績が大きいとか。
さて、それでは「オデッセイ」の話に戻ります。
物語の舞台は火星です。
主人公のワトニーは地球から火星調査にやって来た宇宙飛行士の1人でした。
調査中、巨大な砂嵐に見舞われ、調査団は火星から退去することにしました。
避難中、ワトニーは嵐に吹き飛ばされ、死亡したと判断されました。
調査団は地球への帰路につきましたが、なんとワトニーは生きていました。
ワトニーは火星で、たった1人で生きていく決意をします。
果たしてワトニーは地球に帰ることができるのでしょうか?
是非、観てみてください。
火星に1人で取り残されるなんて、絶望しかないですよね。
しかし、ワトニーは植物学者の知識で、食物を栽培し生き抜こうとします。
諦めない姿勢は感動的だと思います。
さすが宇宙飛行士です。
対応力に加えて、メンタルも強くなければ、つとまりません。
また、美しい火星の風景も、寂しさを増しています。
それにしても砂嵐のシーンはともかく、火星が静か過ぎる気がします。
実際には、もっと過酷な自然環境ではないのでしょうか?
心配事も食料のみで、酸素量や水、気温、気圧などはあまり触れていない気がします。
まぁ、その辺は置いといても、充分な緊張感はあったと思います。
地球側の対応も興味深いです。
映画「アポロ13」を彷彿とさせます。
地球での出来事の方がリアリティを感じます。
NASAって、やっぱり優秀な人たちの集まりなんでしょうね。
現在は、まだ有人で火星までは到達していないので、もう少し未来の話だと思います。
2030年頃に火星に人類が到達する計画があるらしいです。
本当に実現するのでしょうか?
楽しみです。
SFの世界に近づいてきましたね。
宇宙開発ものが好きな人は必見の映画だと思います。
観終わった頃には、うんこ博士の偉大さに気づくでしょう。