第148回目はアイランドです。
*以降ネタバレ注意です。
*かなりネタバレです。
物語は近未来の2019年(現実には過去になってしまいましたが)地球の大気は汚染されて、人間は閉ざされたコロニーで生活していました。
徹底管理された退屈なコロニー生活に、鬱屈した日々を過ごす人々にも唯一の希望がありました。
それは汚染を免れた唯一の土地「アイランド」に行くことです。
しかし、アイランドに行くためには抽選に当選しなければなりません。
主人公リンカーン・6・エコーは毎回抽選にハズレて落ち込む日々を過ごしていました。
リンカーンの唯一の楽しみは同じコロニーの女性ジョーダン・2・デルタと会話をすることだけです。
しかし、コロニーでは男女の接触は禁止されています。
ある日、コロニーの外から蛾が入り込んで来ました。
本当に外の世界は汚染されているのか?
リンカーンは疑問を抱きます。
そして、リンカーンは驚愕の事実を知ってしまいます。
果たしてリンカーンはアイランドに辿り着けるのか?
コロニーの秘密とは?
是非一度観てみてください。
近未来SFとしては非常に面白い作品でした。
設定が2019年で生憎と現在は科学がそこまで進歩していないので、2039年とかだったら良かったのではないでしょうか。
さほど目立った様な未来描写は少ないので、ほんの少し未来という感じです。
ケーブルカーの様な電車が空中を走っていたり、登場する飛行バイクが最先端技術という感じがします。
コロニー内は健康管理が行き届いたハイテク施設になっています。
医療関係はかなり未来的です。
トイレをしただけで健康診断が出てきます。
介護施設や老人ホームなんかが、未来ではそうなっているかもしれませんね。
私的には、勝手に健康診断されて強制的に食事制限もされたんじゃ、息苦しくてたまりません。
しかし、健康のためならば我慢するしかないのかも。
コロニーにはスポーツジムや娯楽施設も完備されていて、快適そうです。
洗濯も自動でやってくれるし、食事はあまり美味しくなさそうな食堂で栄養管理もバッチリです。
自由がない以外は何不自由のない暮らしです。
ある種の理想郷かもしれません。
遥か未来にはそんな暮らしが待っているかもしれませんね。
さて、中でも進んでいるのがクローン技術です。
臓器移植や怪我の治療に役立てています。
映画の中では企業が「クローン細胞を培養して臓器を生成しますが、植物のような物なので気を使わないで下さい」という説明をします。
とは言え、生きていると思うと気持ち良くはないですね。
現代でもiPS細胞などで臓器を複製するという研究が進んでいるそうです。
一方、卵子から生成するES細胞は人道的、人権的な問題から否定されています。
ひと昔前にSTAP細胞というものも話題になりました。
小保方晴子さんの「STAP細胞はあります」の言葉が印象的でした。
結局のところ、論文の偽造やらなんやらで、STAP細胞は認められませんでした。
というか、STAP細胞は発見できませんでした。
小保方晴子さんは確か学位を剥奪されて追放されたはずです。
当時、私は密かに小保方晴子さんを応援していました。
厳密には小保方晴子というよりはSTAP細胞に期待していた、という感じでした。
STAP細胞があれば救われる命があるというならば、見つけて欲しいと願っていたのです。
世間では小保方晴子さんが世界を騙したという雰囲気でしたが。
それでも私はSTAP細胞を信じたかったのです。
私は医学の知識も責任も何もありませんが、一応言っておきます。
「STAP細胞はあります」
誰か発見してください。
話が大分ズレましたが、STAP細胞がダメならES細胞しかありません。
iPS細胞は危険らしいので。
しかし、問題は倫理観です。
もし、私が臓器移植が必要で、ドナーがいないとなれば、ES細胞でなんとかして欲しいと思います。
残念ながら、私は生に執着している方なのです。
しかし、この映画を観てしまうと、そんな気分にはなれないですね。
こんな私でも「生きるためなら何でもする」とはいかない様です。
クローン技術などは完成しない方が良いのかもしれません。
やはり神の領域と言いますか。
人の心に悪魔を生んでしまうような気がします。
やっぱり未来はサイボーグ化ですね。
医療がもっと早く進歩しますように。