第167回目は「orange」です。
2015年の日本の恋愛映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私はあまり恋愛ものには興味がわかないのですが、この映画はほんの少しだけSF要素があるので、他の作品とは一味違う作品になっていると思います。
舞台は長野県松本市。
主人公、高宮菜穂は高校2年生になった始業式の日、差出人の名前が自分の名前になっている手紙を受け取った。
10年後の自分から届いた手紙だった。
菜穂は最初、誰かのイタズラかと手紙を信じなかった。
しかし、手紙に書かれた通り、成瀬翔が転校生としてやってきた。
それからも手紙に書かれたことが予言通りに的中し、菜穂は手紙を信じる様になる。
10年後の菜穂は、人生に後悔しており、16歳の菜穂に手紙を送って来た。
菜穂に後悔を回避させ、未来を変えるために。
果たして菜穂は未来を変えることができるのでしょうか?
是非、観てみてください。
この映画は、柄にもなく感動してしまいました。
未来のことが分かっていても、そうそう未来は変えられない様です。
139分と少し長めの映画ですが、体感では非常に長く感じました。
退屈というわけではないのですが、始業式から、文化祭や体育祭など高校生活一年分を追体験する様な感覚です。
学生って沢山やることが、あるんだなーって感じです。
恋愛映画って、大体の作品がじれったい内容だと私は思います。
大体の主人公がオクテで、なかなか進展しないのが王道パターンですよね。
この映画は未来のことが先に分かっているので、じれったさ倍増です。
菜穂もオクテ中のオクテでした。
翔もオクテで、なんかチャラい感じもするし、恋愛ものとしては少しモヤモヤする場面もありました。
もう1人の主人公、須和弘人との三角関係もあり結構、重たく感じました。
悪い意味ではなく、考えさせられるストーリーなのです。
須和がなかなか良いやつなので、その分だけ余計に辛い気がします。
簡単に未来を変えてはいけない気がします。
誰かの幸せが叶うと、誰かの幸せがが奪われてしまうのです。
私が須和なら、いっそ翔を……。
そうならないところが須和の良いところです。
奪われた人には別の幸せが待っていることを祈っています。
さて、菜穂の後悔とは、翔の持つ後悔を解消してあげることが出来なかったことなんですが。
人の後悔とはそうそう拭い去ることはできないのでしょう。
それほど翔の後悔とは辛く苦しいものでした。
恋愛ものかと思えば、意外とヘヴィな内容でした。
学生時代とかに後悔を残している人は感動するかもしれません。
タイトルにかけているのでしょうが、画面上が割とオレンジ色の場面が多いです。
そこがまたノスタルジックな感傷を呼び起こしている様な気がします。
なかなか良い作品だと感じました。
私にも、あーしてたら、こーしてればと思うことは沢山あります。
私が過去に手紙を送るならば、ダンボール一杯で送らなければならないでしょう。
それでも怠惰で自己中な私は、同じことを繰り返してしまうんじゃないでしょうか。
その反面、今の自分も嫌いではないので、そのままでもいいかなと思います。
逆に、今の自分から手紙が来たらどうでしょうか。
私は未来から手紙が来ないことを祈っています。
未来から手紙が来るということは重大な後悔があるということでしょう。
私は未来の自分を後悔させない様に頑張って生きてみたいと思います。
だから私は
「未来の私よ、黙って見てな!」
と言っておこうと思います。
自分の未来は自分で決めたいと思います。
あっ、ロト7のあたり番号だけ送って下さい。