第252回目は「ランボー」です。
1982年のアメリカのアクション映画です。
*以降ネタバレ注意です。
子供の頃、ランボーはめちゃくちゃ流行ってました。
ランボーに憧れて「自衛隊に入りたい」なんて言う友人や先輩たちが沢山いました。
私の友人ピラニア君(仮名)もランボーにどっぷりハマってしまっていました。
因みにピラニア君はいつも、家に遊びに行くとお気に入りの映画を観せてくれる友人でした。
「ピラニア観る?」と毎回言っていたのが、突然「ランボー観る?」に変わりました。
「乱暴?」
その時、私はランボーの存在を知りませんでした。
そんな私にピラニア君は喰いつき、是非観るべきと「ランボー2/怒りの脱出」を観せてくれました。
「いやいや、何で2からやねん?」
「いいから、黙って観ろや!」
結果として、確かに面白かったのですが、そこまでハマる事はできませんでした。
というのも、ピラニア君が横で「スゲ〜!」だの「カッコイイ〜」だのうるさかったので集中できなかったのが原因です。
その後、ピラニア君は「ランボーナイフが欲しい」とか言い出して、私はドン引きしてしまいました。
正直、私は要らないと思いました。
それなら、私は十徳ナイフが欲しいと思っていました。
とは言いつつ、一緒に隣町の文房具屋やホビーショップを探しましたが、見つかりませんでした。
噂では、別の友人がランボーナイフを手に入れた様で、密かに悔しく思っていました。
別に要らないんだけどね。
大きな街まで行けばナイフショップがあったのですが、当時は知りませんでした。
今思えば、知らなくて良かったと思います。
当時は子供にもナイフを平気で売る様な時代だったので、あまりよろしくないと思います。
そんなこんなで、少しランボーに距離を感じていた私ですが、遅れて1作目の「ランボー」を観ることになりました。
結果的に、私は1作目の方が好きになっていました。
今回、久しぶりに観てみましたが、素直に面白かったです。
1作目は名作だと思います。
物語は1981年のワシントン州のある町
。
友人を訪ねてきたジョン・ランボーは保安官に理由もなく町から追い出されてしまいます。
追い出されたランボーは再び町に戻ろうとしますが、今度は保安官に逮捕されてしまいます。
逮捕されたことが、引き金となりランボーは捕虜となった頃の記憶がフラッシュバックします。
そして事件は大きくなり、戦場と化します。
果たして保安官はランボーを捕らえることができるでしょうか?
ランボーの運命は?
是非、観てみてください。
この映画は単純に見えて、なかなか難しい映画です。
主人公はランボーですが、事情はどうあれ危険人物に違いありません。
一方、保安官は人権侵害をしているとしても、序盤以降は職務に忠実だと言えます。
ランボーを町に入れなかったのも、保安官としての責任感が、そうさせたに違いありません。
そもそも、保安官が嫌がらせをしなければ、何も起こらなかったのですから、保安官が悪いのは間違いないでしょう。
しかし、それを証明する事はできません。
反撃に転じてしまったランボーにも責任はあると思います。
私の中では保安官は、そこまで悪い事はしておらず、ランボーは犯罪者という認識です。
保安官は嫌なヤツで間違いありませんが。
しかし、ランボーを応援するのも違うと思います。
ただただ、ランボーが自首することを祈るしかありません。
不幸な事件としか言いようがありません。
とは言え、最後まで観ると感動してしまったのであります。
非常に納得のエンディングでありました。
ところで、この映画のすごいところですが、なんとランボーは1人も殺していないのです。
若干1名、グレーな人物がいますが。
私はランボーの弁護人として、彼は事故死
であると主張します。
もしもランボーがバンバン殺しまくっていたら、この映画はとんだ駄作になっていたでしょう。
ランボーはアホそうに見えて非常にクレバーな男なのです。
そして、圧倒的な強さも見せつけることに成功しています。
多少、地味かもしれませんが、ベトナム帰還兵の末路を描いた名作と言えると思います。
ただのアクション映画ではなく、道徳的な目線で観ると面白さが倍増すると思います。
さて一応2作目「ランボー2/怒りの脱出」についても語りたいと思います。
1985年制作です。
ジョン・ランボーは恩師であるトラウトマン大佐に任務の依頼を受けます。
ベトナムに潜入し、現在も捕虜が存在するかどうか調査するという内容です。
しかし、潜入は難航し、実は隠された陰謀も存在していました。
果たしてランボーは無事に脱出できるのでしょうか?
是非、観てみて下さい。
1作目に比べれば、メッセージ性も含めて2作目以降はただのアクション映画という感じです。
しかし、アクションシーンは数倍以上に面白くなっています。
武装が弓矢というルーツもこの映画にあるのではないでしょうか?
ピラニア君はこの映画でランボーになりたいと言っていましたが。
私は絶対に嫌です。
敵に捕まって、肥溜めに突っ込まれ、拷問を受けるなんて最悪です。
私は戦争なんてまっぴらゴメンです。
とは言え、銃撃戦やヘリ戦など見どころは満載。
ラストもカッコ良かったです。
続いて「ランボー3/怒りのアフガン」です。
1988年の制作です。
今回、初めて鑑賞しました。
正直、公開当時はアフガン戦争にランボーが首を突っ込むというところが、私はなんとなく否定的に捉えていました。
アフガンやロシアを悪者にしたプロパガンダ映画ではないかと邪推してしまったのです。
ところが、内容は人命救助であり、反戦映画として成立する様な気がしました。
評価としてはまあまあです。
ランボーが孤独ではなくて良かった気がしました。
機会があれば、期待せずに観てみてください。
最後は「ランボー4/最後の戦場」です。
2008年の制作です。
今回の戦場はミャンマーです。
また余計なことに首を突っ込むランボーです。
一応人命救助ですが、そもそも原因がランボーにあるので、一人相撲感が否めません。
ですが意外と面白かった気がします。
時間に余裕がある人は観てみてください。
これでランボーの戦争が終わるかと思うとホッとしました。
変な「怒りのイラク」とか「怒りのISIS」とかが作られなくて本当に良かったと思います。
さて、ここまで観て、今までそれほど好きではなかったランボーでしたが。
割と好きになりました。
子供の頃には解らなかったランボーの戦争に対する心情などが、少し理解できて良かったと思います。