カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

パーフェクト・ブルー

 

 

第134回目はパーフェクト・ブルーです。

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出典amazon.co.jp


1997年の日本のアニメ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


突然ですが、大当たりでした。

 


その実、私はこの映画に何の期待もしていませんでした。

 


私はここ最近でこそ映画をたくさん観ていますが、若いときあまり積極的に映画を観ようとはしていませんでした。

 


それでも、いつか観るかもしれないと思ってタイトルだけをノートに書き留めておいたのです。

 


増えていく一方だった私の「観たい映画リスト」は今ようやく消化できるようになって来ました。

 


中にはまるで記憶のないタイトルもありますし、今は興味が失せてしまっているタイトルもあります。

 


その中でもパーフェクト・ブルーはタイトルのインパクトが強く残っていました。

 


内容は全く分かりませんでしたが、たまたま観る機会があったので、軽くどんなのか観てみるか。

 


くらいのノリで鑑賞しました。

 


結果は意外にも結構面白い作品でした。

 


掘り出し物です。

 


私の主観では、おそらくほとんどの人が興味がなく存在すら知らない映画だと思いますが、これは観ないと勿体ない。

 


多少、エロとグロがありますが、作品上やむを得ないでしょう。

 


まあ、気持ち悪いという印象はありました。

 


私はまるで期待していなかった分、面白さ倍増でしたが、期待させてしまうとガッガリしてしまうかもしれません。

 


でも、機会があったら是非観て欲しいです。

 


ちょっとマニアックなアニメなので敬遠されるかもしれませんが、騙されたと思って観てみてください。

 


さて、ストーリーですが、3人組の売れないアイドルグループCHAM(チャム)のメンバー霧越未麻は事務所の方針でグループから脱退させられ、女優に転身させられる。

 


未麻自身も何とか自分を納得させたものの、女優の仕事はセリフが一言しかない端役であり、お色気シーンを撮られるようなあまり良い役ではありませんでした。

 


そのほかにもヌード写真の仕事などもあり、未麻にとっては理想とは違う女優業となっていました。

 


しかもアイドルを辞めたことによって「裏切り者」などと、書かれた脅迫文が送られて来たりと踏んだり蹴ったりの状況になってしまいました。

 


一方チャムの方はというとCDがチャートに上り好調となっていました。

 


挫折と後悔の中、未麻の眼前のガラス越しにもう1人の自分が現れるようになりました。

 


それはアイドル時代の自分の幻覚でした。

 


現実と幻覚が交錯する中、インターネット上で「なりすましブログ」が開設されていたり、ストーカーが現れたりとさらに未麻を精神的に追い詰めて行きます。

 


90年代なのでインターネットブログはまだ新鮮な頃だと思うのですが、それをストーリー上で絡めてくるとか、時代的に最先端だったのではないでしょうか。

 


アイドルのストーカーはいつの時代にもいそうですけど。

 


さて、次第に未麻の周りでは未麻の女優業を妨害する殺人事件なども起こり始めます。

 


果たして事件の犯人は誰なのか?

 


精神分裂した未麻は救われるのか?

 


是非、観てみてください。

 


よく出来ていますよ。

 


劇中で未麻が出演するドラマが精神科医の話で、未麻は役でも二重人格の患者を演じています。

 


そのため現実か幻想か、はたまたドラマなのか困惑するような作りになっています。

 


ここ最近では1番ワクワクする展開の作品でした。

 


アニメを下に見るわけではないですが、アニメにしておくには勿体ない。

 


実写版で、何ならハリウッドで実写版を作れば間違いなくヒットする脚本だと思います。

 


売れない女優やアイドルを応援している人は結構ハマる映画なんではないでしょうか。

 


アイドル女優の苦悩とか、事務所や業界の汚さとかが描かれていて面白いです。

 


絵も綺麗で大人向けっぽいので、アニメに抵抗がある人にも観て欲しいですね。

 


興味本意で観て面白ければラッキーです。

 


全体的にはサイコスリラーになっていますので、そちらが好きな人にもお勧めしておきます。

 


未麻の精神的な追い詰められ方が秀逸だと思います。

 


今日はなんだか大発見をしたような気分でとっても楽しい。

 


マイナーな作品として書いて来ましたが、私が知らなかっただけで結構有名な作品かもしれないですね。

 


最近、私は映画を観ても想像以上の感動を得られません。

 


大体想定内の面白さなんです。

 


なんと言うか、及第点通りと言いますか、よく出来てるし面白いし不満もないのですが、良くも悪くも期待通りなんですよね。

 


私自身の映画に対するハードルが高くなって来ているのだと思います。

 


ドンデン返しがあれば良いのでしょうが、ドンデン返しも予想の範囲ってこともあります。

 


王道は王道で良いのですけどね。

 


今作は気持ちよく期待を裏切られました。

 


ちょっと気を抜いて観ていたところを突かれてしまいました。

 


フタを開けるまで中身は分からないものです。

 


どこに面白い作品が転がっているか分からないので、映画って楽しいですよね。