カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

スプラッシュ

第192回目は「スプラッシュ」です。

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1984年のアメリカのファンタジーブコメ映画です。

 


この映画は人魚と人間の恋を描いた現代版の人魚姫です。

 


実は私は童話が好きで、ファンタジーには割と詳しい方だと自負しております。

 


人魚と一口に言っても、様々な分類があります。

 


大きく分けると、人魚と半魚人です。

 


厳密には人魚も半魚人も同じですが、私的には分類上、分けた方が良いと考えています。

 


半魚人は見た目が魚類っぽく手足のある魚という感じです。

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出典Amazon.co.jp(映画 大アマゾンの半魚人)


古くは映画に登場したり、小説ではラブクラフトの「ディープ・ワンズ」近年のTVゲームでは「サハギン」というのが有名だと思います。

 


漫画の「ワンピース」に登場する魚人族も有名ですね。

 


基本的にはモンスター、あるいは敵キャラとして登場します。

 


中には良い半魚人もいるので、一方的に悪者という認識は良くないかもしれません。

 


因みに私は半魚人をサハギン族と呼んでいます。

 


一方、人魚はいわゆるマーメイドとして知られています。

 


童話の「人魚姫」やディズニーアニメの「リトル・マーメイド」が有名です。

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因みに男性の人魚をマーマンと呼びます。

 


男女問わない場合はマーフォークと呼ぶそうです。

 


通説ではマーメイドは上半身は美女で下半身が魚です。

 


ついでに、スターバックスコーヒーのロゴの人魚はセイレーンです。

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特徴は足が二股に分かれています。

 


綺麗な歌声で人を惹き寄せる能力を持っています。

 


セイレーンがお客を招き寄せるというイメージでロゴにしたそうです。

 


デンマークにある有名な人魚像も足が二股なのでセイレーンかもしれません。

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出典Amazon.co.jp(注、レプリカです)


さて、この映画「スプラッシュ」に登場する人魚ですが、おそらくはアイルランドに伝わるメロウという種族だと思われます。

 


メロウは下半身を人間の足に変化させることができます。

 


メロウは時おり地上にやってきて人間と恋をするのだそうです。

 


なぜならば、メロウの男性がブサイクばかりだからだそうです。

 


酷い話です。

 


まぁ、人魚の知識なんて何の役にも立ちませんけども、ちょっぴり映画を観る上でのスパイス程度にはなったと思います。

 


この映画はディズニーの実写部門タッチストーン・ピクチャーズの第一作目の映画です。

 


「リトル・マーメイド」の大先輩ですね。

 


物語は、ケープ・コッドで家族旅行中の主人公アランが船上から転落し、海に落ちてしまうところから始まります。

 


アランは泳げませんでしたが、なんと人魚の少女に助けられます。

 


それから20年後、再び船から転落したアランは、またもや人魚に救われます。

 


アランは相手が人魚であるとは認識していませんでした。

 


目を覚ましたアランは目の前にいた美女の一目惚れをしてしまいました。

 


果たして、アランと人魚の恋は成就するのでしょうか?

 


是非、一度観てみてください。

 


いかにもディズニーらしいテイストの映画だと思います。

 


ディズニーらしからぬと言えば、ちょっとエッチな表現が多いというところでしょうか。

 


裸が多めで、キスしまくりです。

 


イヤラシイという感じは全くありません。

 


私としては子供に観せても平気ですが。

 


お子様の成長の度合いによっては、エロに目覚めてしまう可能性もあるので、注意してください。

 


また、これを読んでいるお子様は、大人に隠れてみた方が楽しいと思います。

 


ムフフ。

 


さて、この映画は人魚を上手くコメディタッチに描いていると思います。

 


人魚のマディソンも魅力的に感じました。

 


この映画の影響で、当時は女の子にマディソンと名付ける親が激増したそうです。

 


それまではマディソンは男の子の名前という認識だったそうです。

 


ちょっとB級な感じがしますが、結構な影響力のあった作品なのですね。

 


この作品では人魚の存在が公になってしまいます。

 


もし人魚の国が海底にあったとしたら、地上人と上手くやっていけるのでしょうか?

 


海を汚したり、開発しても大丈夫でしょうか?

 


人間と人魚で海洋利権を巡って戦争にならないでしょうか?

 


「侵略者はお前たち人間の方だ!」

とか言ったりしないでしょうか?

 


サハギン差別で私は訴えられるでしょうか?

 


ラストはハッピーエンドでしたが、一抹の不安を感じてしまいました。

 


考えすぎですね。

 


人魚はロマンがあります。

 


深海は月よりも遠い世界だと言います。

 


深海には人間が到達していない未知の世界があります。

 


ひょっとしたら、そこに人魚も居るかもしれませんね。

 


しかし、その場合は美しい人魚ではなく、深海魚系の半魚人で間違いないと思います。

 


残念です。

 


会ってみたい気もしますが、伝説は伝説のままの方が美しいのでしょう。

 


人魚ものの映画の原点として、この映画をオススメしておきます。

 


人魚に興味がある人は是非、観てみてください。

 

ネバーエンディング・ストーリー

 

 

第191回目は「ネバーエンディン・ストーリーです。

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1984年の西ドイツ・アメリカ合作のファンタジー映画です。

 


この映画は私にとって非常に思い出深い作品となっています。

 


私が小学生6年の時、担任のY先生が原作である「果てしない物語」の話をしてくれました。

 


Y先生は時々、お伽話のような小説を紹介してくれました。

 


場合によっては涙を流しながら話たりするので、純真な先生なのだと思います。

 


Y先生は「果てしない物語」の前半部分、つまり映画化されている部分を重点的に話してくれました。

 


とても印象深く、そして良き先生であったと記憶に残っています。

 


そんなこんなで、劇場に足を運ぶことになりました。

 


物語はイジメられっ子のバスチアンが、イジメっ子に追いかけられコレアンダー書店に逃げ込むところから始まります。

 


バスチアンは店長が読んでいた本を、こっそりと盗み出してしまいます。

 


学校に着いたものの授業には出ず、倉庫で読書に耽ることにしました。

 


本屋からくすねた本のタイトルは「果てしない物語」です。

 


バスチアンは物語に夢中になっていきます。

 


本の中の世界ファンタージェンは「虚無」に飲み込まれようとしていました。

 


ファンタージェンを収める女王「幼心の君」はファンタージェンを救うために白馬に乗った少年アトレイユを呼び寄せます。

 


アトレイユは世界を救う方法を探す旅に出ます。

 


果たしてアトレイユはファンタージェンを救うことができるのでしょうか?

 


是非、一度観てみてください。

 


小学生だった私は結構、感動しました。

 


とにかくファンタージェンの世界が美しく、登場人物も魅力的でした。

 


そして「虚無」の雰囲気も良かったと思います。

 


今回、再鑑賞しましたが、やはり映像の美しさは変わりませんでした。

 


しかし、ストーリー的な面ではダイジェスト的な印象で物足りなさを感じました。

 


しかも、ラストシーンに違和感を感じてしまったのです。

 


それは非常に残念なことでした。

 


大人になるって不幸なことだと感じました。

 


ラストシーンなので、ネタバレですが書いてしまいますね。

 


ラストでバスチアンがファンタージェンの力を借りてイジメっ子に仕返しをするシーンがあるのです。

 


子供の頃は私は良いシーンだと思っていました。

 


しかし、今観るとバスチアンは自分の力で、イジメっ子に立ち向かうべきだったのではないかと思いました。

 


これは大きな問題です。

 


私はこの映画を否定しなければなりません。

 


それはツライことではありました。

 


とは言え、子供の頃に感動したことは事実なので、私はこの感動を姪っ子に伝えたかったのですが。

 


DVDがなかなか手に入らず、姪っ子は高校生になってしまいました。

 


私は小学生の間に観て欲しかったのですが、間に合いませんでした。

 


是非とも小学生のお子様がいらっしゃる家庭は家族で観ることをオススメしておきます。

 


変な生き物がたくさん出てくるので、子供は大喜びだと思います。

 


特に犬みたいな顔をしたドラゴンの「ファルコン」は不思議な存在で面白いです。

 


さて、また私の子供の頃の話ですが。

 


友人のヨコ君が「ネバーエンディング・ストーリー」のビデオを手に入れたということで。

 


私と友人のフジッコ君はヨコ君の家におじゃまして、鑑賞会を開きました。

 


「主人公のバスチアンってクラスメイトのR君に似てるよねー」

私は何気なく思ったことを言いました。

 


R君は顔立ちがクッキリしていて、イケメンの白人少年のようでした。

 


「似てるかー?」

 


「良くいいすぎやろー」

ヨコ君とフジッコ君は否定的でした。

 


それでも3人でゲラゲラ笑いながら、観ていました。

 


続いてファンタージェンの女王「幼心の君」が登場すると。

 


「幼心の君って、クラスメイトのHさんに似てるよねー」

私は再び何気なく言ってしまいました。

 


これが失敗でした。

 


Hさんは大人しくて上品なお嬢さんでした。

 


「お前、Hさんのこと好きなんやろー!」

ヨコ君とフジッコ君は冷やかしてきました。

 


「違うってー!」

私は否定しましたが、かえってヨコ君とフジッコ君は盛り上がってしまいました。

 


3人で「ネバーエンディング・ストーリー」を観たことは良い思い出です。

 


翌日、学校ではHさんが「幼心の君」に似ていると噂になり、その発信源が私であると話題になりました。

 


散々茶化されましたが、今思えば、小学生なりに楽しかったような気がします。

 


Hさんにとっては、はなはだ迷惑だったかもしれません。

 

 

 

ネバーエンディング・ストーリー」のおかげで、そんなことを思い出すわけですが。

 


昔のことってどんどん忘れていくもんですね。

 


それが「虚無」というファンタージェンの敵の正体なんですけど。

 


私は心の中のファンタージェンを消さないように童心を忘れずに生きていたいと思います。

 

 

名犬ラッシー

 

 

 

第190回目は「名犬ラッシー」です。

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2005年のイギリス・アメリカ・フランス・アイルランド合作の映画です。

 


1943年の「名犬ラッシー 家路」のリメイク版です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私が小学生のことですが、近所の公園に野良犬が住み着いていました。

 


茶色の犬だったので、名前をチャロとしておきます。

 


チャロは歩いている人を見つけると

「ついて来いワン!」

と言って先頭を歩き出します。

 


どこかに案内してくれるわけではありません。

 


ただ先頭を歩きたいだけです。

 


チャロについて行かず、曲がったりすると、

「こっちだったワン!ついて来いワン!」

と言ってまた先頭を歩き出します。

 


私も何度か一緒に歩いたことがあります。

 


そんなある日、公園に不審な2人組がやって来ました。

 


チャロは警戒心もなく2人組に近よって行きました。

 


私は遠巻きに見ていましたが、ふと保健所の車が停まっていることに気がつきました。

 


「逃げろ!殺されるぞ!」

私は咄嗟に叫んでしまいました。

 


「キャン!キャン!ガウ!」

チャロは逃げて行ってしまいました。

 


そして、私はコッテリと怒られてしまいました。

 


保健所=殺処分という考えしか私にはありませんでした。

 


当時の私は良いことをしたと思っていました。

 


後になって考えると、私はチャロが保護されて、幸せな家族にもらわれていくという未来を奪ってしまったのかもしれません。

 


さて、「名犬ラッシー」の話ですが、私は正直なところタイトルと大まかなあらすじくらいしか知りませんでした。

 


しかし、ラッシーといえば子供の頃は最も有名な犬の名前だった気がします。

 


コリー犬も一番人気だったような気がします。

 


今回、映画を観るのは初めてです。

 


子供がいらっしゃるご家族は一緒に観るのに最適だと思います。

 


犬が好きな人や、ラッシーが懐かしいと感じる人も満足できる作品だと思います。

 


あとイギリスの文化に興味がある人にもオススメです。

 


物語はイギリスのヨークシャーに住むカラクロフ家に飼われているラフ・コリー犬のラッシーが主人公です。

 


サム・カラクロフは炭鉱で働いていましたが、鉱山が閉鎖され、失業してしまいました。

 


ちょうど訪れていたラドリング公爵がラッシーを15ポンド(当時の金額で12万円くらいだと思います)で売ってくれとカラクロフに持ちかけます。

 


最初は渋っていたカラクロフですが、生活のために承諾してしまいます。

 


ラドリング公爵は遠く離れたスコットランドにラッシーを連れて行ってしまいます。

 


しかし、ラッシーは家族のもとに帰ろうと脱走してしまいます。

 


果たしてラッシーは家族のもとに帰ることができるのでしょうか?

 


是非、機会があれば観てみてください。

 


この映画の見どころは、保健所に捕まったり、旅芸人と行動をともにするラッシーの冒険にあるのですが。

 


舞台である1933年のイギリスの社会描写が良く描かれているので、歴史の好きな人も楽しめると思います。

 

 

(イギリスでネッシーが流行り出したのもこの頃だそうです)

 


貴族のラドリング公爵の優雅な暮らしと、極貧のカラクロフ家の対比が描かれています。

 


貴族は金で愛するものを奪い、貧乏人は金で愛するものを売らなければならない。

 


ひどい話です。

 


たかだか15ポンドで愛犬を売るなんて最悪です。

 


しかし、そうしなければならなかったのでしょう。

 


また、サム・カラクロフは戦争に行くことになり、ラドリング公爵の孫娘は寄宿学校へ行き、人間も離ればなれになることを経験します。

 


ラッシーだけでなく、人間にも出会いと別れがあり、思い通りにならないようです。

 


子供向けの映画のようですが、深く考えれば大人も楽しめるようになっています。

 


私には愛猫のミュウがいますが、いくら金を積まれても売り渡すことはできません。

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(ミュウです)


たとえ10億積まれても…………

 


売り渡すことなんてあり得ません。

 


ふぅっ。

 


今の日本なら、カラクロフ家は大炎上しているに違いありません。

 


しかし、万が一我が家が極貧になってミュウに、ご飯を食べさせてあげられなくなったとしたら、私はどうするべきなのでしょうか。

 


お金持ちにミュウを引き取ってもらうべきなのでしょうか?

 


そんなことにならないように、頑張って生きていかなければなりませんね。

 


そう思うと、結構ツライ映画ではあります。

 


ところでラッシーって女の子だったんですね。

 


初めて知りました。

 


ラッシーにとっては散々な映画ですが、人間にとってはハッピーエンドの良い映画です。

 


穿った見方をすれば、人間のエゴが剥き出しの映画とも言えます。

 


私もミュウに愛情を注いでいますが、それがエゴではないことを祈っています。

 


ミュウの幸せを一番に考えます。

 


さて、ついでに1943年のオリジナル版「名犬ラッシー 家路」も鑑賞してみました。

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内容はほぼ同じでした。

 


オリジナル版の方が少し薄味な感じです。

 


リメイク版の方が、よく出来ていると感じました。

 


ラクロフの息子ジョンとラドリング公爵の孫娘プリシラの雰囲気が、オリジナル版とリメイク版で正反対になっていたので面白かったです。

 


ラッシーはどちらも利口で可愛いです。

 


どちらかだけ観るならば、リメイク版をオススメしておきます。

 

 

 

AKIRA

 

 

第189回目は「AKIRA」です。

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1988年の日本のアニメ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私がまだ少年だった頃に公開された映画で、世界中で高評価だったように記憶しています。

 


私の友人も大絶賛していました。

 


当時、友人のススメで原作コミックを少し読みましたが、私には何が面白いのか理解できませんでした。

 


内容も難しく、少々読んだところで解るはずがなかったのかもしれません。

 


コミックも大判で値段も高く、自分で購入してじっくり読もうという気にはなれませんでした。

 


コミックを全部読んだのは、ごく最近のことになります。

 


友人が圧倒的な画力と書き込みの緻密さを、評価していたことを思い出し、懐かしい気分になりました。

 


しかし、私には絵もストーリーもごちゃごちゃしているという印象でした。

 


面白いとは感じましたが、最後まで読んだものの、内容を理解していないように思います。

 

 

 

 


ちょっと時間を置いて、また読みたいと思います。

 


さて映画の方はと言いますと、原作よりもシンプルでかなり改変がありますが、完成度の高い作品となっていました。

 


物語は1988年の東京で謎の爆発があり、東京が壊滅した世界です。

 


それから31年後、2019年ネオ東京は軍が管理している社会になっていました。

 


暴走族の金田と鉄雄は仲間たちと、別の暴走族との抗争に突入しました。

 


そんな中、鉄雄は老人のような少年にバイクで、接触してしまいます。

 


正確には接触する前に鉄雄のバイクが爆発してしまいます。

 


そして、鉄雄は駆けつけた軍に連れ去られます。

 


さて、鉄雄の運命は?

 


老人のような少年の正体は?

 


AKIRAとは一体なんなのか?

 


是非、一度観てみてください。

 


映画の方も描き込みが凄くて映像美が感じられます。

 


退廃した東京が細かく描かれています。

 


人物の動きや表情も滑らかです。

 


あと、レーザー兵器の描写は格好いいと思いました。

 


音声も迫力があり、BGMも印象的です。

 


中でも宇宙空間で無音になるところは制作者のセンスを感じます。

 


制作技術の面では高評価も頷けると思います。

 


私も納得するところです。

 


問題はストーリー部分です。

 


本筋としては金田と鉄雄の友情と戦いの物語であり。

 


鉄雄の金田に対するコンプレックスなどは充分なほど伝わっていますが。

 


もう一方の、金田と行動を共にする反政府ゲリラのケイたちの思想があまり伝わってきませんでした。

 


そもそも軍の思惑だとか政府の思想が不鮮明なので、何を争っているのかが解らない感じがします。

 


軍が研究している「AKIRA」を探ろうと反政府ゲリラが行動しているのは解るのですが。

 


反政府ゲリラの黒幕は「AKIRA」について知り得るポジションの人物だったので。

 


あまり意味がないように思いました。

 


もちろん私の理解力がないだけかもしれませんが。

 


そんなこんなで、私は半分くらいしかこの映画を理解していないと思います。

 


でも「AKIRA」がなんであるかは、私なりに解釈しているので問題はありません。

 


私は超能力ものが結構好きなので、かなり楽しめました。

 


近未来SFが好きな人は是非、観てみてください。

 


映画と原作コミックのどちらもオススメしておきます。

 


そう言えば、この映画は2019年が舞台なんですが、なんと2020年に東京オリンピックが開催されることになっているのです。

 


なんか凄くないですか?

 


まさか予知能力ですかね。

 

 

 

 

青のSPー学校内警察・嶋田隆平ー

 

 

第188回目は「青のSPー学校内警察・嶋田隆平ー」です。

 


2021年の日本のTVドラマです。

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出典ktv.jp


*以降ネタバレ注意です。

 


もし、学校に常駐するお巡りさんがいたら、という設定の実験的なドラマです。

 


私は学校に警察を常駐させることには賛成です。

 


世の中には学校が聖域で、教師は聖職者であるという考えもあると思いますが。

 


実際の学校は魔窟です。

 


生徒も教師も人間ですから、時には悪いことだってするでしょう。

 


警察が学校にいるなんて息苦しいかもしれませんが、生きやすくなる人だっていると思います。

 


学校内で立場の弱い人たちは被害者になりやすいので、特にです。

 


私はどちらかと言うと、管理社会には賛成なので、学生だろうと教師だろうと、犯罪者は警察に突き出してしまえば良いと思います。

 


起訴、不起訴になるかは逮捕後の話です。

 


抑止力としての効果は期待できると思います。

 


というわけで、スクールポリス制度には私は賛成です。

 


ちなみに私は学生に法律の授業を導入するべきだと考えています。

 


交通ルールから始めて、重大な犯罪と刑罰を教えておいた方が良いと思います。

 


なぜ法律の授業がないのか、私には不思議でなりません。

 


さて、物語の方ですが、公立の赤嶺中学は試験的にスクールポリス制度を導入することになります。

 


スクールポリスに志願した嶋田隆平は元捜査一課の敏腕刑事でした。

 


赤嶺中学は表向きは普通の中学校ですが、中身はイジメ、薬物、盗撮、教師のセクハラ、パワハラ、マタハラが横行していました。

 


嶋田隆平は一つずつ事件を解決していきますが、嶋田隆平には赤嶺中学に隠されたある事件を探るという目的がありました。

 


果たして赤嶺中学に隠された秘密とは?

 


是非、一度観てみて下さい。

 


今ならU-NEXTで観ることができます。

 


私は結構、面白いと思いました。

 


しかし、残念ですがあまりメッセージ性の強い作品とはなりませんでした。

 


もっと学校にはびこる犯罪を解決して社会に一石を投じる様な作品を期待していましたが、わりとソフトな内容にはなっています。

 


途中から嶋田隆平の個人的な捜査がメインとなってしまっていることが原因です。

 


まあ、たいがい問題だらけの学校ですが、実際にはドラマの30倍(一校あたり)くらいの問題を抱えているに違いありません。

 


個人的にはそう思います。

 


学校には隠蔽体質があって、イジメやら犯罪を無かったことにしたり、警察沙汰にせずに穏便に済ませるケースがあると思います。

 


私はあまり良いこととは思いません。

 


警察が学校に介入するべきじゃないという考えの人もいると思いますが、気軽に警察に相談できるので、良いところもあると思います。

 


生徒も順応しているし、私はスクールポリス制度はアリなんじゃないかと思いました。

 


ドラマを観てスクールポリスの可否を考えてみるのも面白いと思います。

 


ただ「逮捕されても案外、平気だった」と勘違いしてしまう人もいるかもしれません。

 


ドラマとしては、まずまず見応えのある作品だったと思います。

 


学校と警察の考え方の違いも面白いです。

 


あと、スクールポリスが盗聴器を仕掛けているので違法捜査だと思いました。

 

 

 

シン・エヴァンゲリオン:ll

第187回目は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll」です。

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出典evangelion.co.jp

 


2021年のアニメ映画です。

 

 

 

*以降ネタバレ注意です。

 

 

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版4部作の最終章です。

 


1995年のTVシリーズのリメイク版でもあり、続編でもあります。

 

 

早速、劇場まで観に行ってきました。

 


延期に次ぐ延期で、待ちに待った作品でもあります。

 

 

最新の映画なのであまり内容には触れず、エヴァンゲリオンそのものについて語っていきたいと思います。

 


とは言え一応、映画の感想だけは言っておきます。

 


結論から言えば

 


「もの凄くスッキリ!しました」

 


エヴァンゲリオンといえば、難解で謎が多く、しかもほとんどの謎が放置したまま、消化不良を起こす作品というイメージですが。

 


なんだか綺麗に終わりました。

 


スッキリし過ぎて、逆に気持ち悪いくらいです。

 


正直なところ、マトモなエンディングなんて期待していなかったのですが、完璧な終幕だったと思います。

 


是非、観ていただきたいと思います。

 


ただし、この映画である程度の感動を得るためには、新劇場版の前3作に加えて、TVシリーズと旧劇場版を鑑賞しておかなければなりません。

 


もちろん、新劇場版だけでも充分に楽しめると思います。

 


しかし、私としてはTVシリーズから順に観ることをお勧めします。

 


物語は南極で起こったセカンドインパクトと呼ばれる現象で、人類の半数が失われた地球が舞台です。

 


南極の氷は蒸発し、東京は海の底に水没して、地軸は狂い日本は常夏の国となっていました。

 


セカンドインパクトから、15年後

 


2015年、主人公、碇シンジは父の碇ゲンドウに呼ばれて第3新東京にやって来ました。

 


時同じくして、「使徒」と呼ばれる未知の生命体が街を襲って来ます。

 


シンジは父に人造人間ヱヴァンゲリヲンに乗って戦うことを迫られます。

 


果たしてシンジは人類を救うことができるのでしょうか?

 


というストーリーです。

 


興味がある人は是非観てみてください。

 


エヴァンゲリオンといえば、マニアックな印象があると思います。

 


それだけに、敬遠している人も多いのではないでしょうか?

 


その通りです。

 


間違いなくマニアックです。

 


セカンドインパクト人類補完計画セントラルドグマ、マイナス宇宙など、マニア心をくすぐるワードが次々に出て来ます。

 


そこに知的好奇心が湧き、答えを求めて次々と観てしまうのです。

 


しかし、謎が増えるばかりで、一向に解き明かされる様子はありません。

 


グイグイと引き込まれていきます。

 


しかも、人間関係はドロドロで生々しく、時には観ていられないほどの羞恥を感じさせます。

 


ちょっと気の弱い少年が鑑賞すれば、心を病んでしまうのではないかと思ってしまいます。

 


しかし、最後には全てが昇華されるのではないかと期待して観てしまうのです。

 


TVシリーズでは理解不能の最終回を迎え。

 


旧劇場版では、TVシリーズの最終回をリメイクしたものの、難解な狂気の映像となっています。

 


そして25年目にして、やっと呪縛から解放されました。

 


まさか、この作品がマトモな最後を迎えるなんて、誰も考えもしなかったのではないでしょうか?

 


主人公が救われるなんて思いもしませんでした。

 


是非ともTVシリーズの絶望感を味わってから新劇場版を観て欲しいです。

 


スカッとします。

 


難しい話をサラッと流せる人は気楽に楽しんで下さい。

 


基本的には親子の絆の物語です。

 


最終的な敵の目的は、人類補完計画というものなのですが、簡単に言うと「使徒」の力を利用して、人類を一つの生命体にしてしまおうというものです。

 


一つの生命体になれば、イジメも差別も戦争もなくなるというわけです。

 


はっきり言って、余計なお世話です。

 


エヴァンゲリオンのおかげで、そんな作品が圧倒的に増えた気がします。

 


精神が一つになるとか、ネットワークで人類が一つになるとか。

 


そういえば綾波レイみたいなヒロインも増殖しました。

 


影響を受けすぎではないでしょうか?

 


究極には、そこに行き着くのかもしれませんが、人間たるを捨ててまですることではないような気がします。

 


戦争や差別を肯定するわけではありませんが、何か別の方法を考えて欲しいです。

 


そして、アニメ制作者には、何か別のオチを考えて欲しいです。

 


父との対話を経て少年が青年へと成長する良い作品でした。

 


さて、シンジくんも無事に青年へと成長したことだし、私もそろそろ大人にならなければ、と感じました(現在四十代)。

 

 

西部戦線異状なし

 

 

第186回目は「西部戦線異状なし」です。

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1979年のアメリカ・イギリス合作のテレビ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


本作は1930年の同タイトルのリメイク版です。

 


オリジナル版はモノクロだったので、カラーのリメイク版を選択してしまいました。

 


とてもテレビ映画とは思えない優れたクォリティとスケールの映画です。

 


物語の舞台は第一次世界大戦中のドイツ。

 


主人公のポールとそのクラスメイトは、ギムナジウムの愛国主戦論者の教師に、まんまとそそのかされて、全員で軍に志願してしまう。

 


入隊後、厳しい訓練を経て、最前線へと送られる。

 


そこは死と飢えの蔓延する地獄の様な戦場でした。

 


果たしてポールは無事に故郷に帰還することができるのでしょうか?

 


機会があれば、是非一度観てみてください。

 


この映画は第一次世界大戦の戦争描写がリアルということで、評価が高いようです。

 


視点がドイツ軍側というのも珍しいかもしれません。

 


西部戦線では、いわゆる塹壕戦という戦いになっていて、かなりの膠着状態に陥っているようです。

 


爆撃をやり過ごし、無謀な突撃を繰り返す戦場。

 


おそらく有効な戦術はないのでしょう。

 


消耗戦です。

 


食料も乏しく、兵隊の命も消耗品のように消費されて行きます。

 


そんな中でも、ポールたちは懸命に生きていきます。

 


結構な死者や負傷者が出ますが、目を覆うような描写はありません。

 


血みどろの映像がないので、戦場の恐怖などは幾分軽減されているように感じました。

 


病院なども清潔感が漂っています。

 


現実はもっと不衛生で泥まみれの血まみれに違いありません。

 


そういう意味では観やすい映画でした。

 


しかし、戦闘シーンはなかなか迫力があります。

 


塹壕戦というのは意外と接近戦で、かなり恐ろしい戦いです。

 


火炎放射器や毒ガスなども登場して、地獄絵図と化しています。

 


ところで、ドイツ軍のヘルメットには何でツノが生えているんでしょうか?

 


せっかく塹壕に隠れても、ツノがぴょこぴょこ見えたら居場所がバレてしまいませんか?

 


戦闘シーンもさることながら、それ以外のシーンも見応えがあります。

 


戦場外のドイツの風景は美しく、戦場とのコントラストが色濃く出ています。

 


食料不足なところは痛ましいですが、平和なところでは、能天気な人々が机上の戦略に想いを馳せ、戦場の兵士との意識の乖離が見られます。

 


その辺りがポールたちの兵士とのしての苦悩や虚無感を生んでいるようです。

 


この映画では、かなり戦争の虚しさを感じました。

 


古い映画なので、観る機会はないかもしれませんが、歴史の1ページとして観てみる価値はあるように思いました。

 


もちろん、映画史に残る作品でもあると思います。

 


気が向いたら一度観てみてください。

 


さて、リメイク版を観たら、何だかオリジナル版を観たくなったので、観てしまいました。

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出典amazon.co.jp

 


オリジナル版は同タイトルで、1930年の作品です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


オリジナル版もほぼストーリーは同じでした。

 


ただ、人物描写や人間関係を掘り下げているのはリメイク版の方が深みがあります。

 


反戦的なメッセージ性はオリジナル版の方が、ストレートな様な気がしました。

 


もしも、どちらかを観るならば、リメイク版をお勧めしておきます。

 


単純に、面白いし分かりやすいと思います。

 


感想としましては、やはり愛国心を煽って生徒を戦場に送り込んだ教師が悪いと思います。

 


時代とか国家の事情などがあるかもしれませんが、私は戦争を回避することこそが愛国心だと思います。

 


それにしても「西部戦線異状なし」とは皮肉なタイトルです。

 


戦場は今日も安定の地獄です。