第191回目は「ネバーエンディン・ストーリーです。
この映画は私にとって非常に思い出深い作品となっています。
私が小学生6年の時、担任のY先生が原作である「果てしない物語」の話をしてくれました。
Y先生は時々、お伽話のような小説を紹介してくれました。
場合によっては涙を流しながら話たりするので、純真な先生なのだと思います。
Y先生は「果てしない物語」の前半部分、つまり映画化されている部分を重点的に話してくれました。
とても印象深く、そして良き先生であったと記憶に残っています。
そんなこんなで、劇場に足を運ぶことになりました。
物語はイジメられっ子のバスチアンが、イジメっ子に追いかけられコレアンダー書店に逃げ込むところから始まります。
バスチアンは店長が読んでいた本を、こっそりと盗み出してしまいます。
学校に着いたものの授業には出ず、倉庫で読書に耽ることにしました。
本屋からくすねた本のタイトルは「果てしない物語」です。
バスチアンは物語に夢中になっていきます。
本の中の世界ファンタージェンは「虚無」に飲み込まれようとしていました。
ファンタージェンを収める女王「幼心の君」はファンタージェンを救うために白馬に乗った少年アトレイユを呼び寄せます。
アトレイユは世界を救う方法を探す旅に出ます。
果たしてアトレイユはファンタージェンを救うことができるのでしょうか?
是非、一度観てみてください。
小学生だった私は結構、感動しました。
とにかくファンタージェンの世界が美しく、登場人物も魅力的でした。
そして「虚無」の雰囲気も良かったと思います。
今回、再鑑賞しましたが、やはり映像の美しさは変わりませんでした。
しかし、ストーリー的な面ではダイジェスト的な印象で物足りなさを感じました。
しかも、ラストシーンに違和感を感じてしまったのです。
それは非常に残念なことでした。
大人になるって不幸なことだと感じました。
ラストシーンなので、ネタバレですが書いてしまいますね。
ラストでバスチアンがファンタージェンの力を借りてイジメっ子に仕返しをするシーンがあるのです。
子供の頃は私は良いシーンだと思っていました。
しかし、今観るとバスチアンは自分の力で、イジメっ子に立ち向かうべきだったのではないかと思いました。
これは大きな問題です。
私はこの映画を否定しなければなりません。
それはツライことではありました。
とは言え、子供の頃に感動したことは事実なので、私はこの感動を姪っ子に伝えたかったのですが。
DVDがなかなか手に入らず、姪っ子は高校生になってしまいました。
私は小学生の間に観て欲しかったのですが、間に合いませんでした。
是非とも小学生のお子様がいらっしゃる家庭は家族で観ることをオススメしておきます。
変な生き物がたくさん出てくるので、子供は大喜びだと思います。
特に犬みたいな顔をしたドラゴンの「ファルコン」は不思議な存在で面白いです。
さて、また私の子供の頃の話ですが。
友人のヨコ君が「ネバーエンディング・ストーリー」のビデオを手に入れたということで。
私と友人のフジッコ君はヨコ君の家におじゃまして、鑑賞会を開きました。
「主人公のバスチアンってクラスメイトのR君に似てるよねー」
私は何気なく思ったことを言いました。
R君は顔立ちがクッキリしていて、イケメンの白人少年のようでした。
「似てるかー?」
「良くいいすぎやろー」
ヨコ君とフジッコ君は否定的でした。
それでも3人でゲラゲラ笑いながら、観ていました。
続いてファンタージェンの女王「幼心の君」が登場すると。
「幼心の君って、クラスメイトのHさんに似てるよねー」
私は再び何気なく言ってしまいました。
これが失敗でした。
Hさんは大人しくて上品なお嬢さんでした。
「お前、Hさんのこと好きなんやろー!」
ヨコ君とフジッコ君は冷やかしてきました。
「違うってー!」
私は否定しましたが、かえってヨコ君とフジッコ君は盛り上がってしまいました。
3人で「ネバーエンディング・ストーリー」を観たことは良い思い出です。
翌日、学校ではHさんが「幼心の君」に似ていると噂になり、その発信源が私であると話題になりました。
散々茶化されましたが、今思えば、小学生なりに楽しかったような気がします。
Hさんにとっては、はなはだ迷惑だったかもしれません。
「ネバーエンディング・ストーリー」のおかげで、そんなことを思い出すわけですが。
昔のことってどんどん忘れていくもんですね。
それが「虚無」というファンタージェンの敵の正体なんですけど。
私は心の中のファンタージェンを消さないように童心を忘れずに生きていたいと思います。