カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

バックドラフト

 

 

 

第247回目は「バックドラフト」です。

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出典Amazon.co.jp

 


1991年のアメリカの消防士の映画です。

 


私は人生で火災というものを直接経験したことはありません。

 


近所での火災は何度か、見たことがあります。

 


それなりに火災の恐怖は感じました。

 


そんな火災に立ち向かう消防士は立派な職業だと思います。

 


小学校の頃に、消防訓練ということで消防士が学校に来たことがあります。

 


その時は消防車も何台か来ていました。

 


運良く私は、放水体験をさせてもらうことになりました。

 


放水中のホースは重く固く、とても1人では持つことができません。

 


それどころか、ホースはミミズの様にのたうち回るのです。

 


小学生数人で必死に押さえ込んでも、振り回されそうです。

 


そんなホースをコントロールする消防士はかなり鍛えられた肉体のはずです。

 


とてもじゃないですが、私のような軟弱者は務まりそうにありません。

 


特に命懸けの仕事なので、私には無理だと思います。

 


消防士は尊敬に値する職業だと思いました。

 


さて、この映画は消防士の活躍を描いています。

 


消防士に憧れている人は是非、観てみて欲しいと思います。

 


物語は1971年のシカゴから始まりまります。

 


当時、少年だったブライアンは消防士である父デニスに火災現場に見学に連れて行ってもらいます。

 


父デニスの勇姿を目に焼き付けるブライアンでしたが、

 


ガス爆発によりデニスは死亡してしまいます。

 


それから20年後、ブライアンの兄スティーブンは消防士となっていました。

 


ティーブンは父の意志を継いで、消防士一筋でやってきました。

 


一方、ブライアンは職を転々として、遅れて消防士になることにしました。

 


ティーブンはブライアンを自分のチームに加えて厳しく指導にあたります。

 


そんな中、謎の連続放火事件が発生します。

 


ティーブンとブライアンは放火事件を防ぐことができるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


消防士の活躍も見どころですが。

 


ブライアンとスティーブンの兄弟愛も見どころとなっています。

 


優秀なスティーブンにブライアンはコンプレックスを抱いています。

 


またスティーブンは仕事が長続きしないブライアンが消防士に向いていないと考えています。

 


私には男兄弟がいないので解りませんが、ライバル関係というか、複雑な感情なのだと思います。

 


ブライアンがわりと軟弱で、私としてはちょっと共感します。

 


ストーリーは消防活動と、放火犯の捜査とに分岐していて、推理ものとしても楽しめます。

 


また、火災の恐怖もそこそこに伝わる映像になっているかと思います。

 


バックドラフト」と言えば、USJにアトラクションがあります。

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出典s.USJ.co.jp 

 


火災の体験ができるアトラクションですが、安全とわかっていても怖かったです。

 


爆発が起こるたびにビクッとなってしまいました。

 


機会があればこちらも体験してみて欲しいです。

 


「ウォーターワールド」や「ジュラシックパーク」「ジョーズ」のアトラクションでずぶ濡れになったら「バックドラフト」で服を乾かしましょう。

 

 

 

さて、もう一つ小話を続けたいと思います。

 


私が中学生の時です。

 


クラスの係決めの時、私は謎の水撒き係になりました。

 


水撒き係とは夏休みに一度学校に来て、校庭に水を撒くという係です。

 


夏休みに出てくるのはめんどくさいですが、楽そうに思えました。

 


で、指定された日に学校へ行くと、待ち受けていたのは体育教官のホッシー(仮名)先生でした。

 


ホッシー先生は根はいい人なのですが、横柄な態度で威張りんぼで、苦手でした。

 


その日、ホッシー先生は異様にテンションが高くて不気味でした。

 


生徒は私を含めて6人ほどでした。

 


ホッシー先生は消防用のホースで水を撒くと言いました。

 


果たして、そんなことが許されるのでしょうか?

 


少々、疑問に思いながらも私たちはホッシー先生に従いました。

 


ホースを持って、校庭の真ん中に立ちホッシー先生は

「水を出せー!」と叫びました。

 


ホースの根元にあるバルブを全開にしました。

 


「うわははははーっ!もっと出せー!」

ホッシー先生はもの凄く楽しそうで、狂気を感じました。

 


「目一杯です!これ以上出せません!」

私は先生に伝えました。

 


「うわははははー!こんなもんで火事が消せるかー!もっと出せー!」

ホッシー先生は頭がおかしくなったに違いありません。

 


どうしようかと悩んでいましたが、バルブの近くに「非常用放水」と書かれたボタンがありました。

 


ボタンにはプラスチックのカバーがつけられていて、いかにも禁断のスイッチという感じでした。

 


「うわはははー!もっと出せー!」

 


私たちはどうしようか、考えあぐねていましたが、友人のミーバー君が意を決してボタンを押しました。

 


ジリリリリリリッ!

 


火災警報が鳴り響きました!

 


その瞬間、私は反射的に逃げ出していました。

 


私の生存本能が、そうさせたに違いありません。

 


私は校庭の見える植え込みに隠れました。

 


恐る恐る校庭を見ると、明らかに水量が数倍になっていました。

 


放水は校庭の端を越えて、隣の民家に届いていました。

 


ホースは水圧でのたうち回り、ホッシー先生はホースに必死にしがみついていました。

 


ホッシー先生はマンガの様に、ホースに振り回されて、ガクガクになっていました。

 


それを見た私は笑い転げてしまいました。

 


そして隣の民家に被害が及んでいることに気づいたホッシー先生は、ホースを根性で真上に向けました。

 


その姿に私は感動してしまいました。

 


放水の高さはゆうに10mを超えていたと思います。

 


私の経験上、1人でMAX放水のホースをコントロールすることは不可能だと思いました。

 


しかし、ホッシー先生は渾身の力でホースを上に構えています。

 


しかも膨大な量の水がホッシー先生に降り注いでいます。

 


「すげ〜っ!」私は笑いが止まりませんでした。

 


「止めろー!止めてくれ〜!」

何とあのホッシー先生が命令ではなく、お願いしているではありませんか!

 


「おいおい、早く止めたれよ」

そう思いながら

私はふと後ろを振り向きました。

 


そこには仲間の全員がいました。

 


つまり、水を止める人間が誰もいないということです。

 


私は慌てて、水を止めに向かいました。

 


水を止めて校庭を見ると、巨大な水溜まりの真ん中にホッシー先生がうずくまっていました。

 


その後、私たちは職員室に呼び出されホッシー先生の尋問を受けました。

 


「何で、ボタンを押したんや?」

先生はイスにグッタリと力尽きた様子で、聞いてきました。

 


「先生が出せと言ったので」

 


私が仲間を代表して答えました。

 


「何ですぐに止めへんかったんや」

 


「非常ベルが鳴ったので、避難しました」

 


「逃げる必要ないやろ」

 


ホッシー先生は燃え尽きた矢吹ジョーの様に項垂れながら話を続けました。

 


「でも、みんな逃げたので」

 


「一番最初に逃げたのは誰や?」

 


「…………?」

 


「逃げた順に並べ!」

 


段々、ホッシー先生の口調が戻って来た。

 


私は必死に3番手くらいに並ぼうとしましたが、仲間に押し出され一番先頭に並ばされました。

 


「どうやら私が、ぶっちぎりで先頭を走っていたようです」

 


観念した私は白状しました。

 


ホッシー先生は怒るでもなく、ただ

 


「わかった…」

 


とだけ言って力尽きました。

 


すごすごと職員室を後にした私たちは

 


やっぱり大爆笑してしまいました。

 


しかし、恐るべきはホッシー先生です。

 


私は消防士並みに鍛えられたホッシー先生を尊敬するのでありました。

 


おしまい。