第166回目は「宇宙兄弟」です。
2012年の日本の宇宙開発映画です。
*以降ネタバレ注意です。
宇宙開発ものといえば、ほぼアメリカの作品しかないので、アメリカの独壇場と言って良いでしょう。
しかし「宇宙兄弟」は本格的な宇宙開発ものなのです。
日本で、宇宙開発ものがあるのは、なんとなく嬉しい気持ちがあります。
舞台は2025年の近未来です。
少年時代にUFOを目撃した南波六太と弟の南波日々人は将来、2人で宇宙飛行士になることを約束した。
約束通り、日々人は宇宙飛行士となったが、六太は車のデザイナーになっていた。
ひょんなことから会社をクビになってしまった六太の元にJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)から封書が届く。
それは宇宙飛行士選抜試験の書類審査通過の通知であった。
六太は日々人との約束を叶えるべく、宇宙飛行士選抜試験に挑戦する。
果たして六太と日々人は共に宇宙に行くことができるのでしょうか?
是非、一度観てみてください。
これはなかなか良質の映画です。
日本で、こんな宇宙開発ものが作れるなんて考えもしませんでした。
流石にアメリカのNASAのシーンもありますが、日本の宇宙飛行士選抜試験がメインとなっているので、ほぼ舞台は日本です。
日々人は先に月に行ってしまいます。
月と日本とで話が同時進行して行きます。
流石に試験だけの内容だと、つまらなくなりそうなので、上手い脚本だと思います。
月面のシーンも綺麗で、見応えがあります。
少年時代の話も割と盛り込まれており、宇宙に憧れる心や、挫折なども描かれます。
私の少年時代には宇宙飛行士になりたいと言った友達はいませんでした。
ちょうど、宇宙開発が停滞してた頃で、宇宙飛行士に憧れる様な事象がなかったのかもしれません。
私は宇宙には興味を持っていました。
ボイジャー計画なんかにはロマンを感じました。
しかしチャレンジャー号の爆発事故で、完全にビビってしまった感はあります。
宇宙飛行士になりたいなんて、私にはとても言えませんでした。
スペースシャトルは好きでした。
何というか、未来感もあり大気圏に突入して、きちんと着陸出来るというところが、宇宙が身近になったイメージがありました。
それでも私は怖いですけど。
この映画は宇宙開発に興味を持つには丁度良い映画だと思います。
宇宙飛行士になりたいと思ったことがある人は是非、観てみてください。
まだ間に合うかもしれません。
最年長宇宙飛行士ジョン・グレンは77歳で宇宙に行ったそうなので、チャンスがあるかもです。
お子様が観れば宇宙飛行士に憧れるかもしれません。
そう言えば、映画に出てくる謎のアメリカ人はバズ・オルドリン本人だそうです。
バズ・オルドリンはアポロ11号の操縦士で2番目に月に降り立った人物です。
ホンマもんのオルドリンが出てるとは、ちょっと感激です。
私はアポロ11号の時は、まだ生まれていませんでしたが、ロマンを感じます。
当時は世界中が大騒ぎだったそうですが、そんな感動を味わってみたいです。
昨年辺りから、再び月を目指すような動きになっているそうですが、楽しみですね。
映画の中は少し未来なので、日々人は月面基地建設を行なっています。
現実でもそんな未来が遠からずやってくるかもしれませんね。
不思議ですね。
月に行ったって何もないのに、莫大な予算と命を懸けて行くのだから。
何もないけど、何かあるんでしょうね。
夢とかロマンとか。
想像もつきません。
もちろん月の地質や、いろいろ調査することがあるのは解りますけど。
映画の中にロケットの打ち上げシーンがあり、美しさを感じます。
迫力は映画「アポロ13」の方が上かもしれませんが、ロケットの打ち上げシーンは何故か感動してしまいます。
試験や訓練のシーンは地味かもしれませんが、宇宙開発映画の見どころでもあるので、楽しめると思います。
その辺りも日本的な心情が表現されていて、洋画にはない良さがあると思います。
オープニングとエンディングの映像、音楽が凄く良かったです。
ガガーリンとかが出てきたりして、宇宙開発に詳しい人は存分に楽しめると思います。
是非観てみてください。
最近はどんどん邦画の質が向上しているように感じました。
夢を諦めていた人が、再び夢に挑戦する姿がカッコ良い。
月面に日の丸の旗が立つ日も近いかもしれませんね。
直近の宇宙開発ではJAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルが地球に帰還したというニュースがありました。
凄いですね。
JAXAの皆さん、頑張ってください。