シャアといえば、カッコいいキャラ設定なのだが、何かとバカにされることも多い。
その最初がやはり、シャア専用ザクが3倍のスピードでやってくるという件です。
しかし、言うほど変でしょうか?
仮に量産型ザクが時速20kmならばシャアザクは時速60km。
時速40kmで時速120km。
そう考えれば、あり得なくもないでしょう。
私の感覚では量産型ザクが時速100kmでシャア専用ザクが時速300kmまでが限界です。
それ以上は私も笑ってしまいます。
諸説あるようですが明確な設定はないようです。
そのほかにも、民間人のセイラ・マスに
銃を向けられ、ホールドアップされるほど隙があったり。
大事なカメラを狙撃されたり。
素人同然のホワイトベース隊に奇襲を受けて補給を邪魔されたり(劇場版では補給は成功)と、やられっぱなしです。
ガンダムにも歯が立たず、モビルスーツの性能が決定的な戦力差であることを教えてもらいます。
仕舞いにはマスクがカッコ悪いなどと言われたりもします。
そんなこんなでシャア派の人間は肩身の狭い思いをしています。
私の周りはアムロ派ばかりです。
しかし、小学生の頃に私と同じくシャア派の友人がいました。
彼の名をここではワダンとしておきます。
ワダンは いわゆるごっこ遊びが大好きで、よく私と北斗の拳ごっこをしていました。
しかも、全力で。
ワダンの演技力と芝居がかったセリフまわしが魅力的だった。
将来、彼は役者になれば良いのにと思っていました。
そして小学生のある日の掃除の時間。
ワダン
「ガンダムで言えば……俺はシャア!」
ワダンは突然、キメ顔で私に言ってきた。
ふふ、何をバカなことを言っているのだろう。
シャアは
私だ!
私
「見せてもらおうか!自称シャアの腕前とやらを(シャアのセリフより)!」
私は手に持っていたホウキをビームサーベルのように構えた。
掃除の時間はホウキチャンバラの時間でもある。
ワダン
「ぬあ!貴様よくもシャアのセリフを!」
ワダンと私は激しく鍔迫り合いを行った。
私
「さらに出来るようになったな、ワダン(シャアのセリフより)!」
ワダン
「ぬあー!またしてもシャアのセリフを!」
ワダン
「逃すものか(アムロのセリフ)!」
渡り廊下を走り、角に差し掛かった時。
キュピーン!
私は咄嗟に振り返り掃除をしているフリをした。
そこへ
ワダン
「シャア!覚悟ー(アムロのセリフより)!」
私はワダンの斬撃をくらい派手に倒れた。
次の瞬間、ワダンは後ろから拳骨を喰らった。
角を曲がった先には先生がいたのだ。
私
「ワダン君がいきなり……」
ワダンは先生に首根っこを掴まれ職員室へと連れて行かれる。
私は立ち上がりワダンに敬礼する。
私
「聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい(シャアのセリフより)!」
先生には聞こえないようにそっと呟いた。
しかし、ワダンには伝わったようだ。
ワダン
「謀ったなシャアー(ガルマのセリフより)!」
ワダンは先生に引きずられながら、私をシャアだと認めてくれたようだった。
そんな遊びを毎日していたあの頃……。
……時を戻そう。
シャアがアムロ負けっぱなしだと思っている人が多いですが。
劇場版1作目ではザクではガンダムに勝てなかったものの。
ホワイトベースをジオンの勢力圏に引き入れ、ガルマ・ザビ謀殺に利用したのだから
戦略的に見れば、シャアが勝ったと言って間違いないでしょう。
シャアは負けていないのです。
ここは異論はないと思います。
たぶん。
皆さんそうでしょ?
哀戦士編につづく