カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

名犬ラッシー

 

 

 

第190回目は「名犬ラッシー」です。

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出典amazon.co.jp


2005年のイギリス・アメリカ・フランス・アイルランド合作の映画です。

 


1943年の「名犬ラッシー 家路」のリメイク版です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私が小学生のことですが、近所の公園に野良犬が住み着いていました。

 


茶色の犬だったので、名前をチャロとしておきます。

 


チャロは歩いている人を見つけると

「ついて来いワン!」

と言って先頭を歩き出します。

 


どこかに案内してくれるわけではありません。

 


ただ先頭を歩きたいだけです。

 


チャロについて行かず、曲がったりすると、

「こっちだったワン!ついて来いワン!」

と言ってまた先頭を歩き出します。

 


私も何度か一緒に歩いたことがあります。

 


そんなある日、公園に不審な2人組がやって来ました。

 


チャロは警戒心もなく2人組に近よって行きました。

 


私は遠巻きに見ていましたが、ふと保健所の車が停まっていることに気がつきました。

 


「逃げろ!殺されるぞ!」

私は咄嗟に叫んでしまいました。

 


「キャン!キャン!ガウ!」

チャロは逃げて行ってしまいました。

 


そして、私はコッテリと怒られてしまいました。

 


保健所=殺処分という考えしか私にはありませんでした。

 


当時の私は良いことをしたと思っていました。

 


後になって考えると、私はチャロが保護されて、幸せな家族にもらわれていくという未来を奪ってしまったのかもしれません。

 


さて、「名犬ラッシー」の話ですが、私は正直なところタイトルと大まかなあらすじくらいしか知りませんでした。

 


しかし、ラッシーといえば子供の頃は最も有名な犬の名前だった気がします。

 


コリー犬も一番人気だったような気がします。

 


今回、映画を観るのは初めてです。

 


子供がいらっしゃるご家族は一緒に観るのに最適だと思います。

 


犬が好きな人や、ラッシーが懐かしいと感じる人も満足できる作品だと思います。

 


あとイギリスの文化に興味がある人にもオススメです。

 


物語はイギリスのヨークシャーに住むカラクロフ家に飼われているラフ・コリー犬のラッシーが主人公です。

 


サム・カラクロフは炭鉱で働いていましたが、鉱山が閉鎖され、失業してしまいました。

 


ちょうど訪れていたラドリング公爵がラッシーを15ポンド(当時の金額で12万円くらいだと思います)で売ってくれとカラクロフに持ちかけます。

 


最初は渋っていたカラクロフですが、生活のために承諾してしまいます。

 


ラドリング公爵は遠く離れたスコットランドにラッシーを連れて行ってしまいます。

 


しかし、ラッシーは家族のもとに帰ろうと脱走してしまいます。

 


果たしてラッシーは家族のもとに帰ることができるのでしょうか?

 


是非、機会があれば観てみてください。

 


この映画の見どころは、保健所に捕まったり、旅芸人と行動をともにするラッシーの冒険にあるのですが。

 


舞台である1933年のイギリスの社会描写が良く描かれているので、歴史の好きな人も楽しめると思います。

 

 

(イギリスでネッシーが流行り出したのもこの頃だそうです)

 


貴族のラドリング公爵の優雅な暮らしと、極貧のカラクロフ家の対比が描かれています。

 


貴族は金で愛するものを奪い、貧乏人は金で愛するものを売らなければならない。

 


ひどい話です。

 


たかだか15ポンドで愛犬を売るなんて最悪です。

 


しかし、そうしなければならなかったのでしょう。

 


また、サム・カラクロフは戦争に行くことになり、ラドリング公爵の孫娘は寄宿学校へ行き、人間も離ればなれになることを経験します。

 


ラッシーだけでなく、人間にも出会いと別れがあり、思い通りにならないようです。

 


子供向けの映画のようですが、深く考えれば大人も楽しめるようになっています。

 


私には愛猫のミュウがいますが、いくら金を積まれても売り渡すことはできません。

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(ミュウです)


たとえ10億積まれても…………

 


売り渡すことなんてあり得ません。

 


ふぅっ。

 


今の日本なら、カラクロフ家は大炎上しているに違いありません。

 


しかし、万が一我が家が極貧になってミュウに、ご飯を食べさせてあげられなくなったとしたら、私はどうするべきなのでしょうか。

 


お金持ちにミュウを引き取ってもらうべきなのでしょうか?

 


そんなことにならないように、頑張って生きていかなければなりませんね。

 


そう思うと、結構ツライ映画ではあります。

 


ところでラッシーって女の子だったんですね。

 


初めて知りました。

 


ラッシーにとっては散々な映画ですが、人間にとってはハッピーエンドの良い映画です。

 


穿った見方をすれば、人間のエゴが剥き出しの映画とも言えます。

 


私もミュウに愛情を注いでいますが、それがエゴではないことを祈っています。

 


ミュウの幸せを一番に考えます。

 


さて、ついでに1943年のオリジナル版「名犬ラッシー 家路」も鑑賞してみました。

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出典amazon.co.jp


内容はほぼ同じでした。

 


オリジナル版の方が少し薄味な感じです。

 


リメイク版の方が、よく出来ていると感じました。

 


ラクロフの息子ジョンとラドリング公爵の孫娘プリシラの雰囲気が、オリジナル版とリメイク版で正反対になっていたので面白かったです。

 


ラッシーはどちらも利口で可愛いです。

 


どちらかだけ観るならば、リメイク版をオススメしておきます。