第97回目は機動戦士ガンダムⅡ哀戦士編です。
1981年のアニメ映画です。
前回の続きで、ホワイトベースは南米ジャブローを目指していましたが、シャアの攻撃によって軌道を狂わされ、ジオン勢力圏の北米へと降り立ってしまいました。
辛くも脱出したホワイトベースですが、ジャブローには向かわず、ヨーロッパを目指すことになります。
次から次へと現れる強敵に、アムロたちホワイトベース乗組員は戦士として成長していきます。
先ず、序盤はランバ・ラルとの戦いです。
モビルスーツのデザインが秀逸です。
新型が続々と出てきます。
ランバ・ラルとの戦いは重要な部分で、少年たちが敵から戦いを学び成長し、乗り越えるというシーンになります。
案外ランバ・ラルは父親的存在と言っていいほどだと思います。
モビルスーツ戦だけでなく、白兵戦や捕虜の扱いなどミリタリー色の強いストーリーになっています。
思春期のアムロが家出をしたりと当時の少年たちの共感を呼ぶような演出もあります。
メッセージ性の高い仕上がりになっています。
ジェットストリームアタックという連携技を仕掛けてきます。
初めて観たときはそれはもう手に汗握る迫力でした。
ここでは大事な味方を失うという経験をします。
当時の私も少なからずショックを受けました。
劇場版はテレビシリーズを再編集して、追加カットを足してあります。
中でも大きな違いといえば、戦闘機Gファイターがコアブースターに変更されています。
Gファイターはオモチャ感が高かったので、差し替えられたようです。
カットされたところではオデッサ作戦という大きな戦いがあったのですが、ほぼナレーションで終わります。
そこまでに、ガンダムが何度か絶体絶命の危機に陥るシーンがありました。
毎度ピンチのシーンがあるにはありますが。
意外にもガンダムを窮地に追い込んだのはマゼラトップという戦闘機でした。
他にも劇場版ではカットされていますがワッパというホバリングするバイクにもやられそうになります。
こういうところが、ただのロボットアニメでないところです。
成長がテーマの哀戦士編ですが、最も成長したのがカイ・シデンです。
お調子者で皮肉屋で文句ばかり言っている。
そんな印象ですが、実はカイが言うことは正論であったり核心をついていたりするのです。
カイの目線からガンダムを観ている人も多いと思います。
カイもまたもう1人の主人公と言っていいでしょう。
カイとミハルの物語まで、印象としては漠然とした戦いで、生きるための戦いとしか言いようがないのですが。
この辺りでジオンが倒さなければならない敵という認識が生まれて来ます。
このように最初は巻き込まれてしまっただけなのに、気づいたらいつの間にか自ら銃を取っている。
そんな戦争の恐ろしさも、かい間見えます。
さあ、ホワイトベースは無事にジャブローに辿り着くことが出来るのでしょうか。
是非、観てみて下さい。
君は生き延びることができるか?
つづく