最高のニュータイプは誰か?
と聞かれたら誰を想像しますか?
大概の人はアムロと答えるのではないでしょうか。
私は、ミライと答えることにしています。
理由としては鈍重な戦艦でミサイルやビームを避ける感の良さです。
機動性の高いモビルスーツならともかく、ホワイトベースで行うって凄くないですか?
しかし、それは些細なことなのです。
ニュータイプとは戦争をしなくてすむ人たちのことなのです。
最強のニュータイプはアムロかもしれませんが、戦争から足を洗ったミライの方がニュータイプとして優れていると考えられます。
最強ではなく最高のニュータイプと質問したところが、ひっかけというかミソなのです。
さて、二十代の頃、私はプレイステーションのガンダムゲームをプレイしていました。
キャラクターメイキングをしている時、ニュータイプかオールドタイプにするか選べました。
ニュータイプの方がサイコミュ兵器を使えるので、当然のように私はニュータイプを選択しました。
あれ?
「これってニュータイプを兵器として考えていることだよな」
そこで私はガンダムに秘められたメッセージに気づいたのです。
ガンダムには様々な錯誤が隠されています。
地球連邦政府は主人公側なので正義のようですが、スペースノイドに圧政を強いているので、悪と言えます。
ジオン公国はその虐殺ぶりから悪と見て間違いないですが、スペースノイドの独立という意味では正義を持っていたかもしれません。
連邦が正義、ジオンが悪というのは錯覚に過ぎません。
ましてやアムロは正義とは無縁ですし、シャアは私怨の虜です。
平たく言えば、どっちもどっちというところです。
しかし、シャアには本当の敵がいたのです。
「本当の敵はザビ家ではないのか?」
アムロの問いに
「私にとっては違うな!」
とシャアは返します。
では本当の敵とは誰なのか?
これは私の私見なので異論はあると思いますが、お答えします。
終盤のシャアのセリフですが
「君は素直にニュータイプの有り様を示しすぎた……だから私は君を殺す!」とアムロに言います。
少しシーンが跳んで
「貴様が最強の兵だからだ!」
とアムロに言うセリフが次にきます。
私が鈍いだけで、皆さんには分かりきった話かもしれませんが、続けますね。
この方程式をシャアは野放しには出来なかったのです。
アムロを殺さなければ、ニュータイプが最強の兵器として利用される未来をシャアは予見していたのです。
その後の作品「機動戦士Zガンダム」以降には間違いなくそのように描かれています。
ニュータイプへの革新で人類は平和を迎えるはずが、戦争の道具にされてしまうのです。
それは阻止しなければなりません。
つまり、真の敵とはアムロだったのです。
嘘です。
真の敵はニュータイプを兵器、戦争の道具としてしか見れない人間だったのです。
つまり私のような人間だったのです。
さらに言うなれば、アムロを最強だから好きだとか、ニュータイプは強いからカッコいいなんて言っている視聴者に監督富野由悠季は「そう言う考えは危険だ」とメッセージを送っていたのです。
分かっていたよと言う人には、勿体ぶった話をしてすみませんでした。
でも、私の周りにはこんな風に言う人はいませんでした。
きっとこれが正解だと私は信じています。
富野由悠季という人はそこまで考えて作品を作る人なのです。
それほどガンダムは驚異的な作品だったのです。
その考えに到った時、初めて私の中でガンダムが至高の作品となりました。
是非とも次にガンダムを観る機会がありましたら、シャアを応援しながら観てみてください。
以上で、私がいかにシャアが好きかという長い話は終わりです。
1年後くらいにZガンダムについて、また語りたいと思います。
いったん、おしまい。