カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

レ・ミゼラブル

 

 

 

第259回目は「レ・ミゼラブル」です。

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2012年のイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


レ・ミゼラブル」を映画化したものは1998年版に次いで2本目となります。

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同じ原作なのでストーリーがほぼ同じでしたが

 


2012年版のほうがストーリー上、重要な人物や後半部分が補完されていてより完全な物語となっています。

 


そして、決定的に違うところは2012年版は、全編歌いっぱなしのミュージカル映画だったのです。

 


私は元々ミュージカル映画は苦手だったのです。

 


なんか突然歌い出したりして、ついていけませんでした。

 


現在では妻のお陰で、苦手意識を克服することができています。

 


むしろ、音楽の美しさを感じるようにもなってきました。

 


残念ながら舞台の「レ・ミゼラブル」は観たことがありません。

 


2017年から2019年の公演には観に行きたいという願望もありましたが。

 


なかなか私にはハードルが高くて行くことが出来ませんでした。

 


今回は映画なので、自宅でゆっくり観ることができるので、いつか舞台を観る予習も兼ねてじっくり鑑賞しようと思いました。

 


物語はパンを盗んだ罪で19年間服役しているジャン・バルジャンが主人公です。

 


ジャン・バルジャンは看守のジャベールから仮出所を言い渡されます。

 


出所したはいいものの、ジャン・バルジャンの身分証には危険人物と記されており、就職もままならない状態でした。

 


そしてジャン・バルジャンは仮出所中にもかかわらず、とある教会で盗みを働き、あっさり逮捕されてしまいます。

 


しかし、司祭はジャン・バルジャンを庇って見逃してくれました。

 


感銘を受けたジャン・バルジャンは心を入れ替えて、善人として生きる決心をします。

 


名前を変え、過去を隠して市長にまで出世したジャン・バルジャンですが

 


偶然、過去を知る人物ジャベールが、警察署長として赴任してきます。

 


果たしてジャン・バルジャンはジャベールから逃げ切れることができるのでしょうか?

 


是非一度、観てみてください。

 


物語はジャン・バルジャンが極悪人から、聖人の域に達するまでが描かれています。

 


原作通りではなく、ミュージカルの脚本が完全再現されているのです。

 


原作を私は読んだことがないので、原作との違いは分かりません。

 


ですが、おおむね子供の頃に聞いた「ああ無情」の話と合致している様に思いました。

 


今回は登場人物に、焦点を当てて話したいと思います。

 


まず、主人公のジャン・バルジャンです。

 


パンを一個盗んだだけで、19年間も服役したとジャン・バルジャンは主張していますが。

 


実は密猟の罪と併せて、5年の求刑だったそうです。

 


後に4回の脱獄をしたために、計19年間入ることとなったのです。

 


しかし、ジャン・バルジャンは「パン一個を盗んだだけで」と思い込んでいるのです。

 


本来は自業自得なのですが、世の中を歪んだ形で憎んでいます。

 


出所した後もすぐにその性格は変わらず、いくつかの出会いによって、良い方向へと導かれていきます。

 


その心境の変化が、この作品の醍醐味と言えるでしょう。

 


次は警察官のジャベールです。

 


ジャン・バルジャンを執拗に追いかけてくる嫌な奴という印象があるかもしれません。

 


しかし彼は仕事に対して忠実で、私から見ると一切悪いところは見られませんでした。

 


敵役というよりは影の主人公という存在です。

 


最終的には、私はジャベールは判断を誤ったと思っています。

 


情に流されず、仕事を全うして欲しかった。

 


そこも重要な見どころです。

 


3人目は前半のヒロイン、ファンテーヌです。

 


ファンテーヌは後にジャン・バルジャンが経営していた工場で働いている女性です。

 


ファンテーヌにはコゼットという娘がいます。

 


ところが未婚の母であったために、工場の仲間に迫害され追い出されてしまいます。

 


とんだブラック企業です。

 


しっかり経営しろよジャン・バルジャン

 


この物語で最も不幸な人物です。

 


ファンテーヌに比べたら、ジャン・バルジャンの不幸なんて屁の河童です。

 


客観的に見てもジャン・バルジャンに責任があると言わざるを得ません。

 


「ああ、無情」です。

 


4人目はファンテーヌの娘、コゼットです。

 


幼少期は母親と離れて暮らし、養父母のテナルディエ夫妻から、虐待を受けていました。

 


その後ジャン・バルジャンに引き取られます。

 


それからはコゼットにも、いろいろ言いたいこともあるかもしれませんが、幸せな人生であったようです。

 


ジャン・バルジャンはコゼットを幸せにすることで自らの幸福を手に入れたようです。

 


修道院育ちで男性に免疫がなく、惚れっぽいのが玉に瑕。

 


5人目はエポニーヌです。

 


エポニーヌはテナルディエ夫妻の娘で幼少期は裕福に暮らしていました。

 


ところが一転、テナルディエ夫妻は貧乏になり、エポニーヌはまるでコゼットと逆転したような暮らしになってしまいました。

 


ところが、良い子に育っています。

 


エポニーヌはコゼットと同じ男性に恋をしてしまいます。

 


しかし、健気に控えめな恋をします。

 


普通、ここはコゼットに意地悪を仕掛けるところだと思いますが、エポニーヌはいい子なのです。

 


そこがまた、不幸を醸し出しているのです。

 


後半のヒロインはコゼットではなくエポニーヌかもしれません。

 


最後はマリウスです。

 


マリウスはコゼットとエポニーヌから想いを寄せられるいい男です。

 


しかも実家は大金持ちで、弁護士であり革命家です。

 


世間知らずなお坊ちゃんという感じです。

 


なんでこんな奴の為に、命を賭けなければいけないのでしょうか?

 


ジャン・バルジャンにとって最大の試練です。

 


その苦悩が、この物語の最大の見どころかもしれません。

 


結局のところ、人間は人のために罪を犯したとして、それは裁かれるべきなのかという疑問にぶち当たってしまいます。

 


そう考えると、ジャベールの気持ちも分からなくもない気がします。

 


また誰かの幸せの為に、罪を受け入れなければいけないということなのでしょうか?

 


結構考えさせられる物語です。

 


19世紀のフランスの文化や事情が詳しければ、もっと面白いのかもしれません。

 


途中から革命が起こったりして、何事なのか戸惑ってしまいました。

 


なかなか激動のストーリー展開の映画です。

 


ミュージカルが好きな人は是非、観てみてください。

 

 

 

 

 

 

さまよう魂たち

 

 

第258回目は「さまよう魂たち」です。

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1996年のアメリカ・ニュージーランド合作のファンタジーホラー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


お久しぶりです。

 


この映画は幽霊モノで、ちょっと子供の頃を思い出してしまいました。

 


突然ですが、皆さんは幽体離脱という体験をしたことがありますか?

 


私は小さい時に何度かあります。

 


厳密には幽体離脱をしているか確証はないので、幽体離脱をしている夢を見たことがある、というところです。

 


その夢の中では、私は空中にふわふわと浮いているのです。

 


自宅の屋根の上をただ浮いているだけでした。

 


そんな夢をちょくちょく見ていました。

 


ただ、それは普通のぼんやりした夢ではなく、かなりリアリティのある夢でした。

 


だんだん、それが幽体離脱というものではないかと、思うようになってきました。

 


もしそうならば、幽体となって自由に移動できるのではないかと考えました。

 


ある日、またもや幽体離脱の夢を見た私は、遠くへ移動しようと思いました。

 


その日は、いつもと違って屋根の上ではなく寝室の空中を漂っていました。

 


私の下には、眠っている私の実体が横たわっていました。

 


そして、驚くことに私の実体のそばに、謎の少年が座っていました。

 


少年は幽体の私に向かって言いました。

 


「コレが切れたら戻れなくなるよ」

 


少年が指差したものは幽体の私と実体の私を繋いでいるヒモのような物でした。

 


それを聞いた私はゾッとして目が覚めてしまいました。

 


当然、少年の姿はどこにもありませんでした。

 


私はうっすらと少年が死神であると思いました。

 


それ以来、幽体離脱の夢は見ていません。

 


厳密には中学生の頃に一度だけありますが、それはまたの機会に話しましょう。

 


とにかく、その手の夢は見なくなってしまいました。

 


残念なようなホッとしたような感じです。

 


さて、映画の方は幽霊がわんさか出てきますが、あまり怖くはありません。

 


どちらかと言うと、コメディタッチです。

 


でも後半は、結構盛り上がります。

 


物語はインチキ霊媒師のフランク・バニスターが主人公です。

 


フランクの住むフェアウォーターの町では謎の突然死が多発していました。

 


墓地で営業活動をするフランクを誰も相手にはしませんでした。

 


一方、ブラッドリー家では謎の心霊現象が起こり、娘のパトリシアが大怪我を負ってしまいました。

 


ブラッドリー家に往診に来た医師のルーシーは、パトリシアの治療のために病院に連れて行こうとしましたが、母親のブラッドリー夫人に阻まれてしまいました。

 


そして、ついにルーシーの家で心霊現象が起こります。

 


ルーシーはフランクに除霊の依頼をします。

 


果たして、フランクは除霊に成功するのでしょうか?

 


連続する謎の不審死の原因は?

 


過去にフェアウォーターで起こった事件との関係とは?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は私的にはかなり面白かったです。

 


フランクがどのように幽霊と戦っていくかというところが見どころです。

 


過去の事件との関係を暴いたり、FBIにつけ狙われたりとサスペンス的な展開もあります。

 


そして後半の怒涛の展開には、私もギョッとしてしまいました。

 


ちょっと想像の上を行ってました。

 


あと、幽霊の表現が非常に優秀だったと思います。

 


最初から最後まで楽しませてくれます。

 


B級くさい映画ですが、なかなか凝っていて、見逃せない映画になっています。

 


ホラーっぽいですが、ファンタジー映画に分類されると思います。

 


ホラーが苦手な人でも、全然余裕で観ることができると思います。

 


出てくる敵がちょっと怖めなのですが、そこはもう迫力があるので、むしろ見ごたえを感じます。

 


登場人物や過去の因縁、ストーリーなどが見事に絡み合って、優秀な作品となっています。

 


是非、観て欲しいです。

 


主人公のフランクは、ある事件をきっかけに、幽霊が見えるようになってしまいました。

 


因みに私は幽霊を一度も見たことがありません。

 


もしも見えたとしたら、もの凄く怖いと思うのですが。

 


フランクのように、見え続けると慣れてしまうモノなのでしょうか?

 


実は、私はホラー映画は平気なのですが、幽霊とかの類は苦手なのです。

 


たまに霊感が強いと言う友人がいたりしますが、

 


「二度とそんな話するんじゃねぇ!」

 


と、威嚇しています。

 


だって、怖いんだもん。

 


この映画は全然怖くはありませんが、ふと子供の頃に見た死神を思い出してしまいました。

 


ま、夢の話ですけどね……。

 


ぶるるっ。

 


とにかく、映画の幽霊は怖くはありません。

 


むしろ、人間であるFBIのダマーズ捜査官の方がよっぽど怖かったです。

 


というわけで、幽霊に興味のある人は、是非観てみてください。

 


私のお気に入りの映画です。

 

 

クロコダイル・ダンディー

出典第257回目は「クロコダイル・ダンディー」です。

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1986年のオーストラリアのラブコメ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私は大きな勘違いをしていました。

 


クロコダイル・ダンディー」は「インディ・ジョーンズ」のような冒険ものだと思い込んでいたのです。

 


ガッカリこそはしませんでしたが、ちょっと拍子抜けしてしまいました。

 


「いや、冒険家せんのかーい!」

 


とツッコミを入れてしまうほど、全く冒険はしません。

 


クロコダイル・ダンディーは冒険家ではなく、オーストラリアの観光ガイドだったのです。

 


しかしながら、クロコダイル・ダンディーは飄々としていて、ワイルドでクールな男なのです。

 


なんなら、ちょっと私に似てなくも無いと思います。

 


インディ・ジョーンズにはなれなくても、クロコダイル・ダンディーにはなれそうな気がします(ウソです)

 


そんな身近に感じられるヒーローです。

 


物語はニューヨークの新聞記者スー・チャールトンがオーストラリアに旅立つところから始まります。

 


スーの目的はワニに襲われ、格闘し無事に生還した男、ミック・クロコダイル・ダンディーを取材することです。

 


実際に会ってみるとミックは多少ワイルドだけど普通の男でした。

 


スーはミックをガイドにオーストラリアの自然の中に探検に出かけます。

 


そこでミックの野生的な魅力を感じとったスーは、ミックをニューヨークに連れて帰ることにします。

 


自然育ちのミックは都会の光景に驚きつつも平然と馴染んでいきます。

 


果たしてミックとスーの関係はどうなっていくのでしょうか?

 


機会があれば、是非、観てみてください。

 


多少、盛り上がりには欠けるかもしれませんが、良いラブコメでした。

 


前半は都会者が田舎に来て四苦八苦、後半は田舎者が都会に出てきて一波乱という感じです。

 


前半はオーストラリアの自然が美しくて素敵です。

 


ミックがワイルドさを演出(インチキ)していて、面白いです。

 


またアボリジニの魔術(催眠術?)で動物を眠らせたりなどもするので、ミックの奥ゆかしさを感じます。

 


そのほかちょっとバトルもあるので、冒険ものと言えなくもないです。

 


ニューヨークに行ってからは、ラブコメ要素がメインです。

 


もう王道といった感じです。

 


スーの婚約者が出てきますが、ちょっと嫌な奴です。

 


大体こういう展開で出てくるヒロインの婚約者とか、恋人は嫌な奴ですね。

 


ミックを田舎者扱いしてしまいますが、ミックはヘッチャラです。

 


このメンタルの強さも見習いたいところです。

 


あと、ミックが出てくる敵を大体ワンパンチで倒してしまうところも爽快感があって良いとおもいました。

 


単純にミックが堂々としていてカッコイイと思いました。

 


正直、クロコダイル・ダンディーのようになりたいと思いました。

 


ちょっと古いかもしれませんが旅行とかラブコメが好きな人にはオススメだと思います。

 


ついでに「クロコダイル・ダンディー2」も観てみました。

 


1988年のオーストラリア制作の続編です。

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今回は、前半がニューヨーク、後半がオーストラリアとなっています。

 


ストーリーもアメリカのアクションっぽい展開になっていて、前作よりは非日常的に仕上がっています。

 


割とテンポ良く話が進んでいきます。

 


クロコダイル・ダンディーが強すぎです。

 


この映画の良いところは、ミックが誰とでも仲良くなるところです。

 


ミックの魅力というか、映画のメッセージなのでしょうか。

 


人種、文化、国籍などを超越することの素晴らしさを告げているような気がします。

 

 

 

 

ムーンフォール

 

 

第256回目は「ムーンフォール」です。

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2022年のアメリカのSF映画です。

 

*以降ネタバレ注意です。


皆さん、お元気ですか?

 


私はやっと忙しい時期が過ぎ去ったので、ゆっくり映画を観ることができそうです。

 


もう少し日記の更新のペースを上げていけそうです。

 


一応、映画はこれまでも、そこそこに観てはいたのですが、あまり面白い映画に巡り合わなかったということもあります。

 


日記を書く時間を惜しんで、厳選していたのですが、少し幅を広げて紹介したいと思います。

 


さて、今回はamazon prime videoの独占配信映画である「ムーン・フォール」です。

 


文字通り、月が落ちてくる映画です。

 


テレビCMでは、なかなかインパクトのある映像で興味を惹かれる作品でした。

 


月が落ちてくると、実際には回避する方法はないと思います。

 


時間があれば、核エンジンを月に取り付けて「押す」という方法が考えられますが

 


実現できるのかどうかは私には解りません。

 


つまりこの映画は、最初から絶望的なシチュエーションであるということなのです。

 


一体、どういう結末を用意しているのか興味津々でした。

 


これまでにも、有りそうなネタなのに今まで無かったのは、オチが難しかったからではないでしょうか?

 


物語は2011年、人工衛星の修理をしていた宇宙飛行士のブライアンは謎の飛来物によって、事故にあってしまうところから始まります。

 


なんとか地球に帰還したものの、ブライアンは人的ミスという汚名を着せられNASAを追放されてしまいます。

 


そのせいでブライアンは離婚することになり、家庭は崩壊してしまいました。

 


10年後、荒んだ生活をしているブライアンはハウスマン博士に出逢います。

 


ハウスマン博士は月の軌道がズレて地球に接近しているとブライアンに伝えました。

 


ブライアンは信じませんでしたが、それは真実だったのです。

 


ブライアンとハウスマンは月の落下を、食い止めることができるのでしょうか?

 


月に隠された秘密とは?

 


機会があれば、観てみてください。

 


今回は、是非観てくださいとは言いません。

 


最新の映画なので、内容には多く触れませんが、少々物足りない感じがしました。

 


少なくとも、月が落ちてくるというシチュエーションは面白かったし。

 


それによって起こる災害やパニックもドキドキしました。

 


ストーリー展開も悪くはありません。

 


しかし、

 


全てにおいて「まぁまぁ」な作品といった印象です。

 


もっと災害のスケールが大きくても良かったと思いますが、ブライアンの家族に焦点が当たっているために、世界観が小さなファミリー映画になってしまっています。

 


もちろん、それが悪いわけではありませんが、期待していたほどの迫力はありませんでした。

 


おそらく、月の落下がゆっくり過ぎて、さほど被害が出ていないのが原因だと思います。

 


時間経過も曖昧で、緊迫感が少ない気がしました。

 


それなりに、部分的には切羽詰まったシーンもあるので、退屈ではありませんでした。

 


あとは、新しさを感じませんでした。

 


「インディペンデンス・デイ」を観たことがある人なら、ちょっと二番煎じ的に感じるかもしれません。

 


それに「機動戦士ガンダム00 -Awakening of the Trailblazer-」

を知っていると興醒めしてしまいます。

 


知らない人は、むしろラッキーだと思います。

 


ハウスマンが優秀すぎるという問題もあります。

 


ストーリー的には徐々に謎が解き明かされていく方が良かった様に思います。

 


そんなこんなで、褒めるところが少ない映画になっています。

 


楽しみにしていた人には観る前にケチをつけてしまって、ごめんなさい。

 


逆に観たくなった人は、私としては嬉しいですが、あまり期待せずに気楽に観て欲しいです。

 


設定自体は良くできていて、私の好みでした。

 


決して悪い作品ではありませんが、非常に惜しい作品でした。

 


いっぱい良いところもありますが、ネタバレになってしまうので、言えません。

 


あえて言うなら、スペースシャトルの打ち上げシーンはカッコ良かったですし。

 


月の引力でおこる無重力感も映像的に良かったです

 


後半の展開もなかなか先が読めなくて、面白かったです。

 


ラストシーンは、この映画の締めくくりとして最高だったと思います。

 


なんだかんだで、ハウスマン博士が優秀な映画です。

 

 

 

 

清洲会議

第255回目は「清洲会議」です。

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2013年の日本の歴史映画です。

 


この作品は私的史実認定映画です。

 


私的史実認定映画とはフィクションではあるのだけど、私個人としては史実と認めている映画です。

 


そもそも、私たちが一般に知っている歴史は歴史学者の空想に基づいていると言っても過言ではありません。

 


もちろん文献による証拠もありますが、そこに嘘や誇張がないとは言い切れません。

 


その審議も含めて歴史学者の方々が、こうであったに違いないと結論を出すわけです。

 


もう一つ言えば、高名な学者が間違った主張をしてしまった時、若輩の学者たちが忖度しなかったとも言い切れないでしょう。

 


そうなると、歴史の正確さとはかなり低いものであると言えます。

 


また、司馬遼太郎などの歴史小説家のフィクションが大衆に浸透して、史実として語られる場合もあります。

 

 

長州力が「キレてないっすよ」と実際に言ったか、言っていないかくらい曖昧な世界だと思っています。

 


まあ、どうせならば史実なんてものは面白ければ、それでいいと私はそう思っています。

 


とりわけ、この「清洲会議」は史実に忠実であるように思われました。

 


もちろん、諸説ある中の一説に準じているのだと思います。

 


清洲会議とは、織田信長が本能寺で暗殺されたあと、後継者を誰にするかなどが話し合われた会議です。

 


一般的には織田信長のあとを、豊臣秀吉がすぐに引き継いだ印象があると思います。

 


しかしその間には、数年のイザコザが存在しているのです。

 


これまでにあまり焦点の当たったことのない時代ですが、なかなか興味深い仕上がりになっています。

 


戦国時代が好きな人は必見です。

 


さて、物語は天正10年(1582年)本能寺の変より始まります。

 


明智光秀の謀反によって織田信長織田信忠を失った織田家は次の後継者を決めるため清洲城に集結します。

 


柴田勝家は三男の織田信孝を推薦しますが、羽柴秀吉は次男の織田信雄を推薦し対抗します。

 


これによって、織田家の実権を握る者が決まります。

 


果たして、後継者は信雄か信孝か?

 


勝つのは柴田勝家羽柴秀吉か?

 


是非、観てみてください。

 


私は結構、織田信長が好きなのですが。

 


本能寺の変で、私の中では歴史が一旦途切れてしまっていました。

 


織田信長の私的史実認定作品としては、池上遼一の漫画「信長」を選んでいます。

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その次の時代の歴史書原哲夫の漫画「花の慶次」となっています。

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やはり本能寺の変から、豊臣秀吉の時代は空白となっていました。

 


清洲会議」は私の歴史書の空白を見事に埋めてくれた素晴らしい作品です。

 


戦国時代ですが、会議がメインなので派手なシーンは全くありません。

 


戦略というか、知略や策謀が主体となっています。

 


実直で駆け引きを知らない柴田勝家と、知略に長けた羽柴秀吉では勝負にならないところですが。

 


筆頭家老である柴田勝家には、丹羽長秀滝川一益などの重臣が味方についています。

 


更には、織田信長の妹である「お市の方」も柴田勝家の側についています。

 


羽柴秀吉の優位性は明智光秀を討伐したこと一点でした。

 


しかし、ここから巧妙な駆け引きを仕掛ける羽柴秀吉が魅力的でたまりません。

 


ストーリーとしては地味かもしれませんが、見応えは充分でした。

 


納得するやら、感心するやら、鑑賞後はかなりの満足感が得られました。

 


因みに、この映画の見どころは、ズバリ「顔」です。

 


羽柴秀吉をはじめ、柴田勝家丹羽長秀織田信長の顔がイメージにピッタリなのです。

 


それはもうビックリするくらいピッタリでした。

 


しかも、顔だけでなく性格まで完璧に再現されているように感じました。

 


特に羽柴秀吉大泉洋が演じているのですが、素晴らしい演技でした。

 


秀吉といえば「猿」というあだ名が有名ですが、もう一つ「ハゲネズミ」という呼称もあったそうです。

 


大泉洋は見事なハゲネズミっぷりでした。

 


道化師のようにみえて、心に刃を忍ばせているところが如実に表現されていました。

 


素晴らしかったです。

 


織田信長肖像画にそっくりでした。

 


私的にはもっと男前の信長が好みなのですが。

 


肖像画にそっくりなので認めざるをえません。

 


製作者の「顔」へのこだわりを感じます。

 


個人的に不満を言えば、お市の方はもう少し美人の方が良かったかな。

 


いや、決して鈴木京香さんが悪いわけでも、美人じゃないと言っているわけでもありません。

 


ほんの少しだけイメージが、私の好みとは若干違うかな〜っと思っただけでございます。

 


それ以外はパーフェクトな映画でした。

 


オマケで更級六兵衛(映画ステキな金縛りの登場人物)が出てきたところも面白い。

 


皆さんも歴史の1ページとして是非、観てみてください。

 


それにしても大泉洋の評価が爆上がりです。

 


鈴木京香さん、ごめんなさい。

 

 

 

テルマエ・ロマエ

 

 

第254回目は「テルマエ・ロマエ」です。

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2012年の日本のお風呂コメディ映画です。

 


皆さんはお風呂は好きでしょうか?

 


正直なところ、私はカラスの行水で、家ではゆっくり入浴を楽しむということはありません。

 


その代わり、温泉やスーパー銭湯ではゆっくり時間をかけて大風呂を堪能しています。

 


ここしばらくは、コロナの関係で2年ほどご無沙汰しています。

 


また、落ち着いたら温泉にでも行きたいものです。

 


さて、あまり知られてはいないかもしれませんが、実は日本のお風呂は世界一素晴らしいのであります。

 


温泉もそうですが、公衆浴場、スーパー銭湯などお風呂をメインにした施設があるのもダントツに日本が多いと思います。

 


加えて家庭用のお風呂の設備技術なども、日本が最も進んでいるハズです。

 


お風呂だけでなく、トイレも世界一だと思われます。

 


確かウォシュレットは日本の発明だったハズです。

 


ひょっとしたら毎日風呂に入る習慣も日本特有の文化なのかもしれません。

 


ヨーロッパではあまりお風呂文化に力を入れている様子はありません。

 


フランス人などは3日に一回お風呂に入る感じだと聞いたことがあります。

 


しかし、実は大昔にヨーロッパでもお風呂が重要視されていた時代があったのです。

 


それは古代ローマ帝国です。

 


ローマでは公衆浴場が文化の象徴であった時代があったそうです。

 


この映画はそんなお風呂事情を描いた作品です。

 


タイトルの「テルマエ・ロマエ」とは「ローマのお風呂」という意味だそうです。

 


時は紀元128年の古代ローマハドリアヌス帝の時代。

 


テルマエ(浴場)設計技師のルシウスは一流の建築家でしたが、新しいアイデアが思い浮かばず苦悩していました。

 


ある日、公衆浴場につかりながら思案を巡らしていると、ルシウスは浴槽に空いた穴に吸い込まれてしまいます。

 


そして、穴の先に出た所は、「平たい顔族」の銭湯でした。

 


平たい顔族の銭湯はローマよりも進んでおり、ルシウスはそのアイデアをローマに持ち帰ります。

 


早速、平たい顔族の文化を取り入れた公衆浴場を建設したルシウスは名声を取り戻しました。

 


しかし、ルシウスは平たい顔族の文化を盗用したことに罪悪感を感じます。

 


更には、ルシウスは皇帝にも目をかけられ、ローマの歴史にも深く関わることになっていきます。

 


果たしてルシウスはテルマエ技師として、ローマの歴史とどう関わって行くのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は、素晴らしい作品です。

 


お風呂映画であり、歴史ものであり、タイムリープものでもあるのです。

 


平たい顔族というのは、実は現代の日本人であり、ルシウスはお風呂を通じで現代にタイムスリップしていたのです。

 


ルシウスには銭湯のフルーツ牛乳や洗面器、壁の富士山の絵ですら斬新だったのです。

 


ルシウスは度々、現代と古代ローマを行き来することになります。

 


そして、古代ローマの描写が素晴らしい。

 


それもそのはず、ローマのセットにはアメリカのTVドラマ「ローマ」のセットがそのまま使われているそうです。

 


言わば、この映画はハリウッドと邦画のハイブリッド作品なのです。

 


主人公のルシウスは日本人である阿部寛が演じていますが、顔が濃いので、さほど気にはならないと思います。

 


逆に、平たい顔族のヒロイン山越真実に上戸彩を起用したことには若干の悪意を感じます。

 


それはともかくとして、ローマのシーンと日本のシーンの格差が上手く演出されています。

 


この映画には邦画が洋画に追いつくためのヒントが隠されている様な気がします。

 


この点は是非、観ておいて欲しいと思います。

 


基本はコメディなのですが、ローマの歴史を揺るがす様なストーリーになっていて、重厚さを感じます。

 


お風呂が如何に文化として重要な位置にあるかというところが、垣間見えます。

 


お風呂も、銭湯や温泉、自宅浴室など様々なシチュエーションが盛り込まれていて楽しめます。

 


名作というのとは少し違いますが、映像価値の高い作品であることは間違いないと思います。

 


単純に面白いですし、観ておいて損はないと思います。

 


風呂上がりにのんびりと観るのにもってこいの映画です。

 


一応、続編の「テルマエ・ロマエll」もありますが、内容としては一作目とあまり変わらず、テンションが同じです。

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私は少し飽きてしまった感じはありましたが、一応完結まで観たという満足感は得られました。

 


興味のある人は是非、観てみてください。

 


最後に私のお風呂の思い出を一つ。

 


最近はコロナの関係で、行けてはいませんが、数年前まではスーパー銭湯にちょくちょく出かけていました。

 


たまには露天風呂なんかにのんびりとつかるのも良いものです。

 


しかし、欠点と言いますか、私は視力が悪くメガネがないとほとんど見えません。

 


まあ、お風呂でそれほど困ったことはありませんけど。

 


温泉の効能などが書いてあっても読めません。

 


たまにもの凄く深い「立ち湯」という立って入る風呂があってビックリすることがあります。

 


さて、ある日。私はスーパー銭湯で色々と温泉を楽しんでいると、

 


端の方に数十個のオレンジ色の球体が浮いている風呂がありました。

 


「ミカン風呂」の季節だなと思い私はその湯船に入りました。

 


「浅い!」

 


もの凄く浅かったので

 


「これは寝湯というやつだな」

 


そう思い、私は浴槽に寝そべりました。

 


すると顔の近くにミカンが漂って来ました。

 


ところが、

 


ミカンだと思っていたそれは、

 


ヒルちゃんだったのでした。

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全てを察した私は、サッと身を翻し隣のノーマルな浴槽に転がり込みました。

 


「ふう、どうやら子供用のお風呂らしい」

私は周囲の目線を気にしながら、誰にも見られていないか確認しました。

 


すると、かなり高齢のおじいさんが近づいて来ました。

 


「どれどれ」

おじいさんはアヒルちゃん風呂に、そろりと入り浴槽に寝そべってしまいました。

 


私はドン引きしてしまいました。

 


「嗚呼あ、違う!私のせいではない!」

いたたまれなくなった私は静かにその場を後にしました。

 


一瞬、振り返った私は

 


「あれが正解かもしれないしな」

そう自分に言い聞かせて、おじいさんが他の人に笑われないことを祈るのでした。

 

おしまい。

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スタンド・バイ・ミー

 

 

 

第253回目は「スタンド・バイ・ミー」です。

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1986年のアメリカの青春映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


この映画は、私の小学生最後の夏を実写化したものです。

 


というのはウソです。

 


しかし、この映画を観ると、子供の頃を思い出してしまいます。

 


全く同じという事はありませんが、私や友人たちのことを描いていると、錯覚を起こしてしまいます。

 


私が住んでいたところは、何もない住宅地で、近くに大きな川が流れていました。

 


当時はファミコンを持っている家も少なく、もっぱら野っ原を走り回って遊んでいる様な感じでした。

 


町には何ヶ所か秘密基地があり、そこで仲間たちとふざけ合っていました。

 


そして、川に遊びに出かけるのです。

 


川で何かをするでもなく、ただブラブラしたり、時には川上(川下)に向かって、ひたすら歩いたりしていました。

 


親や教師から川で遊んではいけないと、言われているので、それだけで何か悪いことしているような陶酔感がありました。

 


それは、ある種の冒険の様な日々でした。

 


川の堤防のそばを貨物列車の線路が通っており、それがまた映画のシチュエーションとシンクロしています。

 


流石に死体を探しに行ったことはありませんが、違和感がないくらい自分たちの少年時代を思い起こさせます。

 


また、登場人物の性格が結構、私と友人たちに似てる様な気もするので、本当に懐かしく感じます。

 


昭和生まれの人なら、似たような感覚を持つ人が多いのではないでしょうか?

 


さて、

 


物語は1959年のアメリカ・オレゴン州にある田舎町キャッスルロックが舞台です。

 


当時、12歳だったゴーディ、クリス、テディ、バーンは容姿も性格も全く違う仲良し4人組でした。

 


4人はそれぞれ家庭環境に問題がありました。

 


ある日、バーンが行方不明になった少年の死体の所在の情報を仕入れてきました。

 


4人は死体発見者となって、有名人になるという計画を立てました。

 


4人は死体を探す旅に出ます。

 


それは小さな冒険でしたが、心に深く刻み込まれる時間となりました。

 


果たして4人は死体を見つけることができるでしょうか?

 


4人を待ち受ける苦難とは?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は若い人よりも、中年層くらいの人にオススメだと思います。

 


少年時代に冒険や探検をした記憶がある人なら、なおオススメです。

 


逆に12歳くらいの少年ならば、すぐにでも死体を探しに行きたくなるかもしれません。

 


……それは、ないですかね。

 


今の若い人の冒険はテレビ(スマホ)の中ですよね。

 


自然の中で遊んだことがあれば、映画の中の風景の美しさが心に響くと思います。

 


また、使用されている楽曲も当時を反映していて、ノスタルジーを感じます。

 


特に主題歌の「スタンド・バイ・ミー」は永遠の名曲ではないでしょうか。

 


映画の最後に聴くと、ウルっときてしまいます。

 


少年たちが抱えている不安や悩みも、多かれ少なかれ共感する部分があるかと思います。

 


キャッスルロックの町はどうやら、あまり治安がよろしくないようで、不良ばかりです。

 


クリスの兄もバーンの兄も不良です。

 


ま、主人公たち4人組も不良予備軍ですけど。

 


中でも、不良達のボスであるエースは札付きのワルといった感じです。

 


絶対に友達になりたくはありません。

 


そういえば、私の上の学年にこんなヤツおったなーっと思います。

 


今思えば、懐かしいですね。

 


さて、エースを演じているのはキーファー・サザーランドなのですが、なんとなくドラマ「24」のジャック・バウアーの少年時代はこんな感じだったんだろうなーなんて想像してしまいます。

 


この映画、原作はスティーヴン・キングなのですが、意外な感じもしますね。

 


でも、少年時代の喪失とか、大人になることの恐怖など、キングらしいと言えば、らしいのかもしれません。

 


この映画の見どころはどことは言えませんが、人それぞれノスタルジーを感じたところが見どころだと思います。

 


私からすると見どころ満載という感じがしてます。

 


特にクリスとゴーディが、お互いを励まし合うところが、私と親友をみているようです。

 


私は友人は少ないですが、ほぼほぼ小学生からの付き合いの人たちばかりです。

 


中には、もう何年も連絡を取ってない友人もいますが、いつまでも、何があっても友人だと思っています。

 


友人達がこの映画を観て私を思い出してくれていると嬉しいな。

 


ただ、言えることは

「あの12歳の時のような友達はもうできない。もう二度と…」

ということです。

 


少年時代の忘れられない友達がいる方に、オススメの映画です。