カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

赤ずきん

 

 

第199回目は「赤ずきん」です。

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2011年のアメリカのホラー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


童話の「赤ずきんちゃん」の実写版。

 


とは言ってもオリジナル要素が満載です。

 


一応ホラー映画としましたが、あまり怖くはありません。

 


中身はサスペンス風の人狼ものです。

 


人狼といえば、皆さんは「人狼ゲーム」というパーティーゲームをご存知でしょうか?

 


簡単に説明しますと、進行役一名とプレイヤーに分かれまして。

 


プレイヤーは10人くらいとしましょう。

 


で、各プレイヤーに役職カードを配ります。

 


大体が市民であり、その内2人が人狼です。

 


しかし、人狼は市民のフリをします。

 


ゲームはターン制で、お昼のターンに人狼と思われるプレイヤーを1人選んで処刑します。

 


夜のターンは人狼が市民を1人殺します。

 


その繰り返しで、人狼を処刑すれば市民の勝ち、市民の数が人狼より少なくなれば、人狼の勝ちです。

 


詳しくは「人狼ゲーム」という映画もありますので、観てみてください。

 


私はプレイしたことはないのですが、実は得意だと思うんですよね。

 


自分で言うのもなんですが、誰が人狼かサッと見破り、自分が人狼ならまんまと市民を騙してみせると思います。

 


友人たちの間でもキレもの(くわせもの)で通っていたので、私は自信満々でした。

 


人狼ゲーム」はまさに私のためにあるゲームだと言って過言ではないと確信していました。

 


しかし、「人狼ゲーム」をプレイすることはありませんでした。

 


人狼だろうとなかろうと、面倒だから真っ先にカズマを吊るす」と友人。

 


「…………しまった!その手があったかー!」

そう、私は永遠に「人狼ゲーム」では勝てない人間だったのです。

 


いつか、私の本性を知らない人たちとプレイしてみたいと思います。

 


そんな機会あるかな?

 


さて、話は映画に戻ります。

 


山奥の小さな村に住む娘ヴァレリーには木こりのピーターという恋人がいました。

 


ところが、母のスゼットが鍛冶屋の息子ヘンリーとの婚約を勝手に決めてきてしまいました。

 


鍛冶屋はお金持ちだそうです。

 


ところがヴァレリーの姉のルーシーもヘンリーが好きだという四角関係です。

 


そんなある日、オオカミに人間が食い殺されます。

 


村人たちはこぞってオオカミ退治に向かいました。

 


オオカミを退治して一安心していましたが、街から魔物退治で有名なソロモン神父がやってきて、「オオカミではなく、人狼の仕業だ」と言いました。

 


人狼は昼間は人間のフリをしていて夜に人を襲うのです。

 


そして、その夜、次なる犠牲者が現れました。

 


人狼の正体はいったい誰なのでしょうか?

 


ヴァレリーの恋の行方は?

 


是非、観てみてください。

 


私は結構、良くできていると思いました。

 


ちゃんと赤ずきんもかぶるし、森におばあさんは住んんでいるし、童話の要所要所は押さえてあります。

 


寄り道してオオカミと遭遇するシーンはありませんでしたけど。

 


そこに魔物退治のエピソードと人狼の要素を加えて、退屈しない映画に仕上がっています。

 


雪山に赤いずきんが映えて美しいです。

 


童話の世界を神秘的に描いています。

 


しかし、お子様に観せるには向かないと思います。

 


もともと童話というのは少し怖い部分がありますが、ちょっと大人向けだと思います。

 


ところで、この映画はレオナルド・ディカプリオの会社アッピンウェイ・プロダクションが制作しています。

 


ディカプリオは出演していませんが、なかなか良い映画を作るもんだと、感心してしまいます。

 


ディズニー映画の様なテイストの童話も良いですが、たまにはこういうダークな童話も良いと思います。

 


気が向いたら、観てみてください。

 

 

 

 

隣のヒットマン

 


第198回目は「隣のヒットマン」です。

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2000年のアメリカのコメディ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


意外と面白いというか、かなり面白かったです。

 


コメディはコメディなんですけど、人情と友情と愛情の物語です。

 


もしも隣に殺し屋が引っ越してきたら、というシチュエーションムービーですが、なかなか良くできたストーリーだと感じました。

 


登場人物がみんな魅力的で、中身がギュッと詰まっている感じがします。

 


私の好きな映画の上位にランクインしました。

 


物語はカナダに住む歯科医のニコラス・オゼランスキー(愛称はオズ)が主人公です。

 


オズは妻と義母と住んでいますが、仲は冷え切っています。

 


オズは義父が作った借金をコツコツと返済していました。

 


妻はオズが死ねば保険金が手に入るのにとボヤいています。

 


そんな中、隣にある男性が引っ越して来ました。

 


何気なく挨拶に向かったオズですが、男性のイレズミを見て、男性の正体に気付きました。

 


男性はジミー・チュデスキという名の殺し屋でした。

 


ジミーは刑務所から出所してきたばかりでした。

 


恐れ慄くオズですが、オズの妻はある計画を思いつきました。

 


果たして、妻の計画とは?

 


オズの運命は?

 


というストーリーです。

 


主人公のオズが、お人好しで人情に厚く正義感を持っているので、応援したくなります。

 


ジミーもまた、容赦のない殺し屋でありながら、実は愛情や正義というものを信じているというキャラクターです。

 


ジミーを演じているのはブルース・ウィリスです。

 


陽気でありながら、殺し屋の雰囲気を見事に漂わせていました。

 


オズとジミーが対照的で面白いです。

 


また、ジミーの妻も絡んできて、なかなか先の読めない展開になっています。

 


ジミーはマフィアのボスを警察に売って、刑務所から出てきたのです。

 


そのボスの息子ヤンニが、ジミーに復讐しようとしています。

 


そこにいたのがジミーの妻のシンシアです。

 


実はジミーとシンシア、そしてヤンニには共有の財産1000万ドルがありました。

 


銀行から引き出すには、3人の同意か、自分以外の委任状、もしくは死亡届が必要でした

 


その事もあって、ヤンニとジミーは殺し合う運命にあるのです。

 


一方シンシアとジミーの関係も冷え切っているため、殺し合いになる可能性がありました。

 


オズはマフィアの抗争に巻き込まれてしまい、シンシアを守ろうと奮闘します。

 


オズはヤンニが雇った殺し屋フランキーにジミーの居場所を聞き出そうと暴力を振るわれます。

 


フランキーはマイケル・クラーク・ダンカンが演じていますが、笑顔が怖いです。

 


そういえば、シンシアがすごく美人で、どこかで見たことがあると思ったら「スピーシーズ」のシルでした。

 


納得。

 


あとコメディ要素担当のジルも美人です。

 


オズの歯医者の受付ですが、魅力たっぷり出番もたっぷり。

 


なかなかの好演でした。

 


そのほかにもオズの妻が雇った殺し屋がいたりで盛りだくさんです。

 


殺し屋と歯科医という組み合わせもストーリーに活かせていて脚本も良くできていると思います。

 


文句のつけどころのない良作でした。

 


強いて言えば、タイトルがあまり観ようという気にさせないところでしょうか?

 


なんとなくハズレっぽくないですか?

 


ところがどっこい、大当たりです。

 


結構、スカッとします。

 


騙されたと思って、是非観てみてください。

 

 

 

ドローン・オブ・ウォー

 


第197回目は「ドローン・オブ・ウォー」です。

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2014年のアメリカの戦争映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


この映画は実話ではありませんが、事実に沿って作られているそうです。

 


最先端の近代戦争です。

 


ひと昔前にはボタン戦争なんて言葉がありました。

 


戦争も人間はボタンを押すだけ、というわけです。

 


この映画では無人攻撃機を遠隔操作して爆撃を行います。

 


血みどろになるシーンもなければ、戦場の恐怖もありません。

 


そこが逆に恐ろしいところです。

 


私はこの戦争を冷戦「コールドウォー」に因んで、乾燥戦争「ドライウォー」と呼ぶことにしました。

 


いとも簡単に、それも一方的に攻撃できるので、もはや戦争と呼んでいいのか判りません。

 


久々に戦争について深く考えさせられる映画でした。

 


戦争と言えば、日本人ならば大体の人が、太平洋戦争を思い浮かべるのではないでしょうか?

 


戦争は昔の話という気がします。

 


しかし、アメリカでは現在も対テロ戦争という形で現在も戦争中の様です。

 


恐ろしい話です。

 


物語は2010年代、アメリカがもっともテロリストに攻撃を加えていた時代。

 


トミー・イーガン少佐はラスベガスの空軍基地から、遠隔操作で無人攻撃機MQ−9リーパーを操縦し、テロリストを爆撃していました。

 


トミーは元F-16パイロットでした。

 


当時は互いに戦場で命をかけて戦っていました。

 


現在は安全な場所から、一方的に空爆するという虐殺行為です。

 


特にCIAの指揮する作戦は民間人を巻き込む容赦のないものでした。

 


トミーはやがて精神的に追い詰められていきます。

 


果たしてこの戦闘に正義はあるのでしょうか?

 


トミーの決断とは?

 


是非、観てみてください。

 


どんなに激しい戦闘シーンのある映画よりも、深いメッセージを感じました。

 


無人攻撃機の操縦席はエアコンの効いたコンテナで、テレビゲームの様な操縦桿とモニターが設置されています。

 


現実感を喪失してしまいそうですが、ターゲットは実際に破壊されています。

 


トミーは一方的な攻撃に疑問を抱いています。

 


パイロットのせいか、同じ土俵で戦うべきだと思っている様です。

 


人間は自分が卑怯者であることに耐えられないそうです。

 


私は安全な所から攻撃できるのなら、その方が良いですけど。

 


そもそも私は戦争には反対です。

 


国家の事情なりなんなりあるとは思いますが。

 


私は民間人を巻き込むのは感心しません。

 


いくら命令であっても、それは許せません。

 

 

 

最低限テロリストだけを狙ってピンポイント攻撃をするべきだと思います。

 


たとえ効率が悪くとも、民間人は守るべきだと思いました。

 


事実に基づいているだけに、これは結構悩ましい映画です。

 


トミーは実践経験があるので、罪の意識に苛まれていますが。

 


無人攻撃機だけでしか戦闘をしたことがなければ、なんか勘違いしてしまいそうな気がします。

 


ゲームの様な気分で戦争してしまうのではないでしょうか?

 


戦争の実感など無さそうな気がします。

 


今後は、こういう戦争がスタンダードになっていくのでしょうか?

 


ラストのトミーの行動には私は否定的です。

 


結局のところ、この映画はCIAによるテロリストのリンチにほかなりません。

 


トミー自身がそれを肯定してしまった様な気がします。

 


近代戦争に興味がある人は是非、観てみてください。

 


酷い時代になったものです。

 


頭上に無人攻撃機が飛んでいるなんて思うと、おちおち国家批判なんてできません。

 


なんの前触れもなく吹っ飛ばされてしまうのですから、恐ろしい話です。

 


CIAの悪口なんか言おうものなら、あっという間に消され…………

 

 

 

マリー・アントワネット

 


第196回目は「マリー・アントワネット」です。

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2006年のアメリカ・フランス合作の伝記映画です。

 


私は歴史が好きでして、フランス革命あたりは割と得意な方でした。

 


もっとも知識の大半は「ベルサイユのばら」から、いただいたものですが。

 


好きになるキッカケとしては最適だったと思います。

 


フランス革命の中心人物と言えば、やはりマリー・アントワネットでしょう。

 


マリー・アントワネットの人物像は作品によって様々だと思いますが。

 


私のイメージだと、気が強くてワガママで、浪費家で世間知らずで、貞操観念がなく「パンがなければ、ケーキを食べれば良いのに、バカね!オホホ〜」というキャラだったと思います。

 


しかし、この映画を観ると印象が380度変わってしまいます。

 


なんと言うか、ちょっと可愛い感じなのです。

 


ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットが可愛くないわけではないのですが、高貴な品格と魔性の美しさを兼ね備えていたのです。

 


それゆえに革命の標的になってもやむなし、というところがあったと思います。

 


この映画はマリー・アントワネットにのみ焦点を当て、フランス革命についてはほとんど触れられていません。

 


しかし、そこがこの映画の良いところなのです。

 


マリー・アントワネットの心情にドップリと共感できるつくりになっているのです。

 


上手い演出だと思います。

 


さて、一応物語の方も紹介しておきましょう。

 


主人公マリー・アントワネットオーストリアの女帝マリア・テレジアの娘として生まれました。

 


14歳の時、政略結婚としてフランスの皇太子ルイ16世に嫁ぐことになりました。

 


ところが、ルイ16世はとってもシャイな性格で、夫婦生活があまり良くありませんでした。

 


なかなか世継ぎを産めないマリーの立場は微妙なものとなっていきました。

 


マリーは宮廷生活の鬱憤を晴らすために、ショッピングやパーティーにギャンブル三昧と浪費に傾倒していきます。

 


やがて、それはフランスの財政を圧迫するほどになってしまいました。

 


果たしてマリー・アントワネットルイ16世の結婚生活は上手く行くのでしょうか?

 


フランス・ブルボン王朝の運命は?

 


是非、観てみてください。

 


この映画はの見どころは、全編にわたる映像の美しさにあります。

 


現代的な音楽も意外とマッチしていて驚きです。

 


実際のベルサイユの宮殿で撮影されたので、ロケーションは最高です。

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(2017年5月に行ってきました)


そして衣装から小物まで、何もかもが美しい。

 


スイーツも美味しそう。

 


男の私が言うのもなんですが、可愛いのです。

 


女性ならば一度は憧れる生活ではないでしょうか。

 


残念ながら、様々なハラスメントもくっついてきますけど。

 


あんな贅沢をしてみたいものです。

 


さて、この映画で私が評価したいところなのですが、実はマリー・アントワネットではなくルイ16世の方なのです。

 


ルイ16世といえば暗愚な印象だと思いますが。

 


まさしく序盤は覇気がなく弱々しい感じなのですが、後半になるにつれ自信を身につけて、少なからず国王の風格を漂わせます。

 


前半のアホヅラからは想像もつかない成長ぶりです。

 


もちろんマリー・アントワネットの精神的な成長も見逃せません。

 


人間味が溢れていて非常に良かったと思います

 


この映画は良い意味で、史実的ではないと思います。

 


マリー・アントワネット自身の回顧録のような感じです。

 


史実よりもマリー・アントワネットがその時どう感じて、何に興味があり、何に関心がなかったのかが描かれています。

 


だからこそ、マリー・アントワネットが見ていた景色を体感できる映画だと感じています。

 


結構、女性ならではの悩みなどがあるので、女性にオススメの映画です。

 


フランスが好きな人や宮廷文化が好きな人は是非観て欲しいです。

 


私は映画のラストカットにグッと来ました。

 

 

 

デイブレイカー

第195回目は「デイブレイカー」です。

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2008年のアメリカ・オーストラリア合作のヴァンパイア映画です。

 


私はヴァンパイア映画が結構好きです。

 


なんと言うか、ヴァンパイアという存在に美しさを感じます。

 


もう一つには、私に不老不死願望があるというところでしょうか。

 


ヴァンパイアは強いイメージもありますが、意外と弱点が多かったりします。

 


日光に弱いし、心臓に杭を打たれても死ぬし、何よりも血に飢えています。

 


残念ながら不死とは言い難いかもしれません。

 


もう一つ残念なところはヴァンパイアになると飯が不味く感じるようになってしまうところです。

 


これは非常に残念です。

 


さて、この映画はヴァンパイアが人口の90%まで増えてしまった世界の物語です。

 


ヴァンパイアは日光に当たると燃えてしまうため、夜に行動します。

 


しかし、割と普通に会社に行ったり生活しています。

 


主人公のエドワードは血液製造会社の研究員です。

 


血液製造といっても人間から搾り取るだけです。

 


当然人間はどんどん死んでいきます。

 


ヴァンパイア界では深刻な食料(血液)不足です。

 


エドワードは代替血液生成の研究をしています。

 


代替血液が完成すれば人間の血を吸う必要はなくなり、人間と共存することができるのです。

 


果たしてヴァンパイアと人間の運命は?

 

 

 

是非、一度観てみてください。

 


この映画はヴァンパイアものの中でも、ちょっと特殊です。

 


大体の映画のヴァンパイアは飢えています。

 


血を吸わなくても大丈夫か

 


ひたすら我慢しているか

 


あるいはトマトジュースなどで代用ができるかだと思います。

 


しかし、この映画では空腹に負けてしまったヴァンパイアはバケモノの姿に変わって、凶暴化してしまいます。

 


つまり、人類が絶滅してしまうと、ヴァンパイアの知性は失われ、ある意味世界は終わりを迎えてしまうのです。

 


なかなか斬新なように思えました。

 


ヴァンパイアが増え過ぎるとどうなるかという疑問に、ある種の答えを出したのだと思います。

 


この映画にはもう一つのテーマがあって、ヴァンパイアになるべきか、人間でいるべきかという根本的な問題を描いています。

 


不老不死と引き換えにするには失うものが多すぎます。

 


そういえばヴァンパイアのお偉いさんが出てくるのですが、ストーリーから考えると、もうちょっと我慢すれば話が丸く収まったような気がします。

 


寿命が長くなっても、気の短い人はか変わらないようです。

 


ヴァンパイアの発生源は1匹のコウモリの持っていたウィルスから始まったそうです。

 


それが人類の90%に感染してしまったのだから、恐ろしい話です。

 


ここまでにワクチンなど開発できなかったのでしょうか?

 


それともみんな進んでヴァンパイアになっていったのでしょうか?

 


気になるところです。

 


私は不老不死願望を持っていますが、ヴァンパイアになることには抵抗があります。

 


食生活が貧しくなるのが、耐えられそうにありません。

 


ヴァンパイアものが好きな人にはオススメしておきます。

 


不老不死なら、私は機械の身体に賭けてみようと思います。

 

 

 

オデッセイ

第194回目は「オデッセイ」です。

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2015年のアメリカのSF映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


火星に一人で取り残された男の物語です。

 


その前に、私の子供の頃の話を一つ。

 


私の家の近所に、通称ゴリラのオッサンという老人が住んでいました。

 


その人物は自称発明家で

 


「ワシが発明したレーダーを軍部が採用していれば、真珠湾攻撃は成功し、ミッドウェー海戦では負けなかった」

が口癖だった。

 


ゴリ……ここでは敬意を表して、ゴリ博士としておきます。

 


ゴリ博士は幼い私に戦争中の話をたくさんしてくれました。

 


実のところ、ほとんど忘れてしまいましたが、発明関係の話はいくつか覚えています。

 


風船爆弾、犬爆弾、マッチ爆弾、うんこ爆弾などがありました。

 


これらはゴリ博士の発明ではないですが、おもしろ話として聞かせてくれました。

 


今回はうんこ爆弾について話したいと思います。

 


うんこ爆弾とは、人間のうんこから発生するメタンガスを爆発させる人糞爆弾です。

 


研究していたのは、通称うんこ博士です。

 


もともとは農業や微生物を研究していたそうですが、徴兵されて兵器開発をしていたそうです。

 


しかしながら、うんこ爆弾が完成する前に戦争は終結しました。

 


うんこ博士は再び研究職へと戻り、ある時アメリカの学会で、研究を披露することになりました。

 


うんこ博士は聴衆の面前で、フラスコに放尿し、それを蒸溜して真水を取り出し、一気に飲み干しました。

 


「うんことオシッコがあれば、人間は何処でも生きていける!」

うんこ博士は高らかに宣言しました。

 


その後、うんこ博士はアリゾナ州の砂漠で、半年間、自分のうんことオシッコで、畑を耕して生活をしたそうです。

 


最後の方は豪華な食事ができていたらしいです。

 


その記録が、なんとNASAに保管されているそうです。

 


宇宙船での尿を濾過して飲料水にするシステムは、うんこ博士の研究による功績が大きいとか。

 


さて、それでは「オデッセイ」の話に戻ります。

 


物語の舞台は火星です。

 


主人公のワトニーは地球から火星調査にやって来た宇宙飛行士の1人でした。

 


調査中、巨大な砂嵐に見舞われ、調査団は火星から退去することにしました。

 


避難中、ワトニーは嵐に吹き飛ばされ、死亡したと判断されました。

 


調査団は地球への帰路につきましたが、なんとワトニーは生きていました。

 


ワトニーは火星で、たった1人で生きていく決意をします。

 


果たしてワトニーは地球に帰ることができるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


火星に1人で取り残されるなんて、絶望しかないですよね。

 


しかし、ワトニーは植物学者の知識で、食物を栽培し生き抜こうとします。

 


諦めない姿勢は感動的だと思います。

 


さすが宇宙飛行士です。

 


対応力に加えて、メンタルも強くなければ、つとまりません。

 


また、美しい火星の風景も、寂しさを増しています。

 


それにしても砂嵐のシーンはともかく、火星が静か過ぎる気がします。

 


実際には、もっと過酷な自然環境ではないのでしょうか?

 


心配事も食料のみで、酸素量や水、気温、気圧などはあまり触れていない気がします。

 


まぁ、その辺は置いといても、充分な緊張感はあったと思います。

 


地球側の対応も興味深いです。

 


映画「アポロ13」を彷彿とさせます。

 


地球での出来事の方がリアリティを感じます。

 


NASAって、やっぱり優秀な人たちの集まりなんでしょうね。

 


現在は、まだ有人で火星までは到達していないので、もう少し未来の話だと思います。

 


2030年頃に火星に人類が到達する計画があるらしいです。

 


本当に実現するのでしょうか?

 


楽しみです。

 


SFの世界に近づいてきましたね。

 


宇宙開発ものが好きな人は必見の映画だと思います。

 


観終わった頃には、うんこ博士の偉大さに気づくでしょう。

 

 

 

ロボコップ

 

 

第193回目は「ロボコップ」です。

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1987年のアメリカのSFアクション映画です。



*以降ネタバレ注意です。


鑑賞前の私の「ロボコップ」に対するイメージはコメディタッチで子供向けのヒーローものでした。

 


ところがどっこい、中身はハードなバイオレンス映画でした。

 


小さなお子様に観せるには、ちょっと刺激が強いかもしれません。

 


笑いの要素もあるにはありますが、笑える雰囲気ではありません。

 


物語は近未来の犯罪都市デトロイトが舞台です。

 


街を支配しているのは大企業のオムニ社です。

 


デトロイト警察も民営化されていて、オムニ社が運営しています。

 


オムニ社は理想の未来都市「デルタシティ」の建設のために犯罪者を一掃する計画を立てていました。

 


その要がロボコップです。

 


ある日デトロイト警察にアレックス・マーフィー巡査が転任配属されてきます。

 


しかし、マーフィーは初日にまさかの殉職してしまいます。

 


マーフィーの遺体は回収され、ロボコップに改造されてしまいます。

 


ロボコップは人間の脳を含む臓器を再利用したロボットでした。

 


しかし、ロボコップにはマーフィーの生前の記憶が残っていました。

 


果たしてロボコップの運命は?

 


オムニ社の陰謀とは?

 


是非、観てみてください。

 


私の記憶では公開当時、めちゃくちゃ流行っていた記憶があります。

 


サバイバルゲームでも、ロボコップが使用する銃のオート9を持っている人がいて、もてはやされていた記憶があります。

 


正直なところ私はロボコップを舐めていましたが、かなり面白かったです。

 


残酷描写は結構多いと思いますが、犯罪都市を表現するには丁度良かったのかもしれません。

 


作中のニュース番組で世界観が伝えられますが、かなり世界中の治安は悪くなっているようです。

 


演出としてニュースシーンの挿入は非常に上手いと感じました。

 


ロボコップの最初の起動時のカメラワークも秀逸です。

 


強いて言うなれば、マーフィーの妻と子供についてもう少し深掘りしていれば、完璧な映画だったのではないかと思います。

 


しかし、ヒーローものとしては充分に面白い作品だと思います。

 


さて、問題はロボコップがロボットであるのか、サイボーグであるのか、というところだと思います。

 


生体コンピューターとして人間の脳を使用しているので、私としてはサイボーグだと思います。

 


それはロボコップがマーフィーか、ただのロボットかという重要な問題でもあります。

 


ロボコップもオムニ社もロボットであるという見解のようですが、本当のところはどうなのでしょう?

 


一度死んだ脳を再生しているので、脳が部品であるといいますが。

 


ではロボコップには魂はないのでしょうか?

 


そもそも、魂というものの存在が、議論するところだと思います。

 


私たちが魂と呼んでいるものは記憶の集合体ではないでしょうか?

 


だとすればマーフィーはロボットではなく生きているということでしょうか。

 


ロボコップはロボットの振りをしているのではないでしょうか?

 


だとしたらとても悲しい話です。

 


深く考えると、なかなか見どころのある映画だと思います。

 


ロボコップがビジュアル的にカッコ悪いと思って観ていない人には一度観て欲しいです。

 


意外とカッコ良く思えてきます。

 


特にラストシーンはスカッとします。

 


ついでに「ロボコップ2」も観てみました。

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麻薬と少年犯罪がメインとなっています。

 


相変わらずロボコップのプライベートについては少ししか描かれておらず、物足りない感じがしました。

 


さらに「ロボコップ3」も観てみました。

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デルタ・シティ建設のために住民を強制立退させるオムニ社と、市民との抗争が描かれます。

 


そんな中、ロボコップは市民の安全を守るというプログラムとオムニ社を守るというプログラムの板挟みになってしまいます。

 


ロボコップシリーズの完結編です。

 


三作とも血も涙も笑いもない、ハードな内容になっています。

 


ロボコップが大好きな人は三作とも観ることをオススメします。

 


私は一作目が1番面白かったと思います。