第298回目は「コピーキャット」です。
出典U-NEXT
1995年のアメリカのサスペンス映画です。
*以降ネタバレ注意です。
日本で言うところの猿真似に相当するのだと思います。
猿が真似をするのはよく分かりますが、猫が真似をするでしょうか?
確かにウチの愛猫ミュウもドアを開けたりします。
これも人間の真似をしていると言えば、そうなりますね。
ミュウが私の真似をして手をグッパーしたりしますが、可愛いので模倣犯という感じはしませんね。
どちらかというとコピーモンキーの方が、しっくりくると思います。
文化の違いですかね。
さて、この映画は文字通り模倣犯を題材にした映画となっています。
犯人は過去の犯罪を真似て、事件を起こします。
この映画では実際に起きた事件を模倣するという演出がなされているので、アメリカ人にとっては馴染み深い内容なのかもしれません。
確かに、過去の犯罪になぞらえれば、犯罪の成功率は高くなるかもしれません。
日本で言えば、三億円事件など未解決事件の手口を見習えば、一発当てられるかもしれません。
現実でなくても小説やドラマはトリックやアリバイ工作、詐欺の手口など、様々なお手本があるはずです。
私も刑事ドラマやサスペンスドラマを、勉強になるなーと思いながら観ていたものです。
今回の映画では、そんな為になる事件の模倣犯ではなく、猟奇殺人の模倣犯です。
つまり、趣味です。
猟奇殺人の模倣をする猟奇殺人鬼です。
逆に足がつきやすい気がしますが、犯人にとっては趣味嗜好なので、やめられません。
ですが、そこんところが良くできているというか、面白い作品なのです。
物語はサンフランシスコ在住の犯罪心理学者、ヘレン・ハドソンの講演会から始まります。
ヘレンは講演会場のトイレで殺人犯のダリルに襲われ、殺されかけます。
数年後、ヘレンはショックのあまり屋外恐怖症になっていました。
トイレで襲われたなら、閉所恐怖症じゃなかろうかと思いますが、屋外恐怖症です。
ま、それは良いとして。
一年後、巷では女性を狙った連続殺人事件が発生していました。
サンフランシスコ警察のモナハン刑事は行き詰まる捜査の中、匿名の情報提供の電話を取ります。
それは、ヘレン・ハドソンからの電話でした。
果たしてヘレンとモナハンは協力して、犯人を追い詰めることができるでしょうか?
犯人の正体は?
是非一度、観てみてください。
今回は犯罪ものということで、あまり内容には触れられないのですが、刑事と犯罪心理学者と犯人の駆け引きが、秀逸だったと思います。
猟奇殺人ものということで、重苦しそうな感じがするかもしれませんが、刑事がチャラチャラしてて雰囲気は明るいです。
しかし、犯人はなかなかに手強く、緊張感のある作品に仕上がっていました。
ストーリー展開も良かったし、最初から最後の最後まで楽しめる作品でした。
というか、最初と最後が秀逸だったと思います。
犯人の人物像も良かったと思います。
多少、設定に無理があるような気もしますが、この際受け入れてしまいましょう。
特に「右向きか左向きか」というシーンが、最高にサイコパスな感じがして刺激的でした。
ヘレン役のシガニー・ウィーバーとモナハン役のホリー・ハンターがタイプの異なるヒロインを演じていて、とても好印象でした。
また、犯罪心理学者と模倣犯という組み合わせも設定として良くできていると感じました。
サスペンスが好きな人は、是非観てください。