カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

ドクター・デスの遺産

 

 

 

第296回目は「ドクターデスの遺産」です。

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出典U-NEXT


2020年の日本の医療犯罪映画です。

 


*以降、激しくネタバレ注意です。

 


この映画は安楽死をテーマに扱った作品です。

 


しかし、残念なことにあまり活かせていないような気がしました。

 


作品としては、まあまあの出来です。

 


しかし、安楽死というテーマには興味がある方もおられる方もいらっしゃるかと思ったので、一応紹介することにしました。

 


私個人としては安楽死の是非は、まだ答えが出せていません。

 


私としては生に執着しているので、最期まで、這いつくばって、足掻いて、踠いて、かじりついて生きていたいと思っています。

 


だから私には安楽死は不要です。

 


自分以外ですと、肯定も否定もできません。

 


本人の意思が大事かもしれませんが、やはり生きていて欲しいし、

 


たとえ安楽死と言えど、頼まれても殺せませんよ。

 


この映画には、ある種の解答のようなものを期待していましたが、残念ながらそのような話ではありませんでした。

 


もっと高尚な内容を期待していたのですが、残念です。

 


いや、内容自体は悪くはありませんでした。

 


私は犯人ドクター・デスに思想犯であることを期待していたのですが、ただの快楽殺人犯でした。

 


期待とは少し違いましたが、興味のある人は一度くらい観てみてもいいかもしれません。

 


物語はある一本の通報から始まります。

 


通報者は馬籠大地という少年でした。

 


犬飼刑事と高千穂刑事が現地に向かいますが、

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出典U-NEXT


そこでは馬籠大地の父、健一の葬儀が行われていました。

 


健一は心不全で亡くなっていましたが、

 


大地少年は、いつもと違う医者が来た直後に具合が悪くなったと主張します。

 


犬飼刑事は健一の死体を検屍解剖にまわしました。

 


そして、恐るべき真実が浮かび上がってきました。

 


果たして、事件の全貌は?

 


ドクター・デスとは何者なのか?

 


興味のある人は、一度観てみてください。

 


基本的には凄く惜しい作品です。

 


テーマは良いのに、アラが目立ち過ぎます。

 


展開が早いというか。

 


警察が優秀過ぎて、事件がサクサク解決します。

 


兎に角、警察が優秀。

 


パソコンの画像解析が、米軍の偵察衛星くらい優秀です。

 


しかも、画像解析からあっという間に容疑者を逮捕します。

 


さらに似顔絵捜査も優秀です。

 


似顔絵から犯人の顔をそっくり作成してしまいます。

 


さらに聞き込み捜査で、あっという間に容疑者を確保してしまいます。

 


科捜研も優秀でした。

 


こんな素晴らしい警察がいたら、犯罪者はすぐにお縄になってしまうでしょう。

 


素晴らしい。

 


が、しかし。

 


刑事ものとしてこれで良いのでしょうか?

 


あっさり事件解決です。

 


と思ったら、

 


警察の失態で、事件はややこしい方向に向かってしまいます。

 


初動捜査は抜群だったのに、後半がグダグダです。

 


高尚なテーマにチープな内容という、アンバランスな作品になってしまっています。

 


確かに被害者の心情には考えさせられるものがあります。

 


その点に関しては非常重い内容です。

 


しかし、ドクター・デスはタダの快楽殺人犯で、高尚な思想など持ち合わせていません。

 


被害者とは利害が一致してしまっただけです。

 


深く考えるならば、依頼人の罪、共犯者の罪を問わなければなりません。

 


安楽死の是非を問うというところです。

 


まっ、

 


その辺は置いといて

 


サラッと流して観れば、まあまあ面白い作品だったという気がします。

 


深いテーマですが、深く考えちゃダメな映画です。

 


サラッと作られているので、

 


サラーっと観てみてください。

 


怖くない猟奇殺人映画です。

 


興味のある人は一度観てみてください。

 


ただ、ドクター・デスの演技は迫力がありました。

 


不覚にもちょっとゾッとしましたね。

 


そこは高評価です。

 


よく考えると、なんとなくハッピーエンド風に終わるところが、事件の全貌が闇に葬られている感じが出ていて、なんとも言えないです。

 


深く考えて作ってないだけかもしれませんけど……。