第216回目は「スリーピー・ホロウ」です。
1999年のアメリカのホラー映画です。
*以降ネタバレ注意です。
首なし騎士の伝説です。
アメリカでは有名な童話の実写版だそうです。
皆さんはデュラハンというモンスターをご存知でしょうか?
元々はアイルランドの伝説で、いわゆる首なし騎士で、頭は小脇に抱えています。
デュラハンは夜な夜な近々死者の出る家にタライいっぱいの血を浴びせかけます。
アイルランドには妖精のバンシーなど、死を予告するという伝説が定番のようです。
デュラハンは剣とムチと首とタライを持っていて、手荷物がいっぱいだな、と思ってしまいます。
因みに、デュラハンの愛馬は首なし馬のコシュタバワーです。
首なし騎士が怖けりゃ、馬まで怖いです。
そんなデュラハンがアメリカの伝説になっているなんて、スゴいことだと思います。
さて、物語は1799年のニューヨークから始まります。
当時のニューヨークは警察も裁判もいい加減で、「めんどくさから、お前が犯人でイイや」というスタイルでした。
これでは冤罪だらけになってしまいます。
主人公の刑事イカボット・クレーンは科学捜査の重要性を訴え、実践しようとしていました。
しかし、当時のニューヨークでは受け入れられず、異端視され地方の事件に回されます。
その土地の名前は「スリーピー・ホロウ」でした。
その村では、すでに四人も殺害されていました。
村人は口を揃えたように連続殺人の犯人が「首なし騎士」だと言います。
イカボットは科学捜査で真犯人を暴こうとします。
さて、イカボットは事件を解決できるでしょうか?
是非、観てみてください。
この映画はとにかく映像が美しいです。
分類としてはゴシックホラーだと思いますが、私としてはファンタジー映画のように感じました。
首なし騎士の映画としては唯一無二の存在だと思います。
だって首なし騎士って、怖いか面白いか紙一重だと思います。
作品として扱うのが、難しそうです。
しかし、この映画の首なし騎士は抜群に怖いです。
なんなら首があっても、怖いくらいです。
対するイカボットですが、イマイチ科学捜査が役立っていない感じがしました。
テーマとしては科学捜査VS伝説ということだと思うのですが、かなり伝説に押され気味です。
あと人物関係が複雑で、ちょっと私の思考回路が追いつかない感じがしました。
ふと、この複雑さは金田一耕助だなと思ってしまいました。
105分では短かすぎたのではないでしょうか。
次々起こる連続殺人に、私の推理は全く追いつきません。
ただただ、首なし騎士に圧倒されっぱなしです。
正直、真犯人が誰だとか考えている余裕はありません。
是非とも、首なし騎士の活躍を観て欲しいと思います。
多少、グロい感じもしますが、登場人物をはじめ、何から何まで幻想的で美しい作品です。
私は名作だと思っています。