第111回目は犬神家の一族です。
1976年の日本の推理映画です。
*以降ネタバレ注意です。
探偵・金田一耕助が主人公です。
金田一耕助は私の中では大分特殊な探偵です。
時代は昭和20年代なので、警察の科学捜査があまり発達していません。
それ故に捜査が難航してしまいます。
おそらく現代で同じ犯罪が行われれば、あっという間に逮捕されてしまうでしょう。
そこで探偵登場というわけですが、金田一耕助はトリック解明や、アリバイ崩しにあまり時間をかけません。
登場人物の生い立ちから、人間関係を洗い出し事件の真相に辿りつくというスタイルなのです。
相当時間がかかります。
事件現場を長期で離れるので、手遅れになることしばしばのように思います。
私の印象としては犯人の犯罪達成率が高く、ターゲットがほぼほぼ殺されてから事件が解決するという感じです。
有能なのか無能なのか、ちょっと得体の知れない探偵です。
作品のメインは事件よりも、登場人物の裏の顔や秘密を暴いていくことにあるようです。
観ることになったキッカケは、犬神家の水面から足が突き出している画像を観て
「なんでこんなことになったんだろうか?」
と思ったことに始まります。
出典Amazon.co.jp
私はわりと推理映画は好きな方で、映画を観ながら主人公と勝負するのが好きです。
主人公よりも先に犯人をあてるか、トリックを見破るかすれば勝ちというルールですが、金田一耕助にはかないません。
情報が後出し過ぎて、事件の真相を先に看破することは不可能です。
そういう作りの作品なので仕方ないのですが、映画を観ながら一緒に捜査するのは面白いです。
時代背景が現代と違うので、そもそも価値観が違うというところを念頭に置いておいた方が良いと思います。
それと登場人物がやたらと多いので、整理するのに苦労します。
ハッキリ言って、私の頭では理解できません。
メモに相関図を書きながら観なければついていけません。
是非とも準備して、金田一耕助に挑戦しながら観てみて下さい。
では、軽く紹介していきたいと思います。
1作目「犬神家の一族」
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犬神家の財産を巡っての殺人事件。
犬神佐兵衛の遺言で、財産は親友の孫である野々宮珠世が相続することになる。
その条件として佐兵衛の孫である佐清、佐武、佐智の中から結婚相手を選ばなければならない。
佐清は白いゴムマスクの男で有名なので、知ってる人も多いのではないでしょうか?
一蓮の作品では1番解りやすく、1番良い作品だったと思います。
私は犯人に直ぐに目星がつきましたが、トリックが見抜けませんでした。
推理映画の定石の裏をかかれました。
面白かったです。
2作目「悪魔の手毬歌」
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1977年の作品。
20年前の殺人事件を調査することになった金田一耕助だが、現在の由良家、仁礼家の殺人事件に続いていく。
手毬歌になぞらえて殺人現場を演出していますが、意味不明です。
私は犯人の動機が解らず、しかもトリックも見抜けなかったので、完敗でした。
この作品も推理映画の定石の裏をかいた作品で、面白かったです。
3作目「獄門島」
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1977年の作品。
獄門島の網元、鬼頭家の跡目を巡って殺人事件が起こる。
「ほうら、この人が犯人かも知れないよ〜」と匂わせる作りのになっていてワザとらしい。
そして私はマンマとそれに引っかかって、ことの真相を見逃してしまった。
チョットズルイ作品。
4作目「女王蜂」
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1978年の作品
大道寺家と東小路家にまつわる殺人事件。
この作品ではすでに私は登場人物の多さと複雑さに推理を断念しました。
5作目「病院坂の首縊りの家」
1979年の作品。
法眼家にまつわる殺人事件。
この映画は犯人自体はセオリー通りで、1発で解るようにできていました。
トリックも普通でした。
しかし事件の裏事情は全く想像もつきません。
以上5作品を鑑賞しましたが「犬神家の一族」が1番面白かったです。
1つ気づいたことは面白い映画は最初から最後まで面白いということです。
そして金田一耕助の見どころは事件が解決した後、どのような結末になるかというところだと思います。
子供の頃は頼りない探偵だなと思っていましたが。
今観ると奥の深い考えを持っている立派な探偵の様に思えてきました。
気が向いたら、「犬神家の一族」だけでも観てみて下さい。