第215回目は「ロックスター」です。
2001年のアメリカの音楽映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私は若い頃、バンドを組んでいました。
当時、初めて楽器を手にした私たちはとりあえず、有名バンドのコピーから始めることにしました。
徐々に上手くなってくると、コピーバンドならではの問題に直面してしまいました。
それは「オリジナルを忠実にコピーするべき」か「アレンジを加えて個性を出すべき」か、です。
たかだかコピーバンドの戯言なのですが、当時の私たちは真剣に議論していました。
きっとコピーバンドあるあるなのだと思います。
因みに私はアレンジを加える派でした。
もちろん完コピバンドにも、それなりに意義があると思っています。
クイーンのコピーバンドのグイーンとか有名ですよね。
この映画は、そんなコピーバンドの苦悩を描いた作品です。
物語はアマチュアコピーバンドのボーカル、クリス・コールが主人公です。
クリスは大物バンド「スティール・ドラゴン」に憧れ、完璧なコピーバンドを目指していました。
ところが、アレンジ派のギタリストと意見が衝突してしまいました。
そして、遂にクリスはバンドをクビになってしまいます。
そんなある日、クリスの運命を変える一本の電話がかかって来ました。
果たしてクリスはどうなってしまうのでしょうか?
是非、一度観てみてください。
ハードロック、ヘヴィメタルが好きな人にはオススメです。
自分でバンドを組んだことがある人には、特にオススメです。
なかなか音楽に向き合う心情を上手く描いていて面白かったです。
アメリカンドリーム的なサクセスストーリーでもありテンションが上がります。
そして、成功に伴うミュージシャンの苦悩が描かれて感慨深いものがあります。
それにしても、コピーバンドって難しい存在だと思います。
ファンだから、という理由なら解りますが。
自己を喪失してしまいそうにならないのでしょうか?
どこかで自分の音楽をやるべきだと思うようになるのではないでしょうか?
コピーバンドだって、テクニックや力量が必要なわけで。
それだけ技量が身につけば、やはり自分の曲をやりたくなるものだと思うのです。
そして、その答えがこの映画には詰まっています。
感じ方は人それぞれだと思いますが、一つの結論が描かれています。
調べたところによると、「スティール・ドラゴン」のモデルは実在のバンド「ジューダス・プリースト」モデルだったそうです。
ヴォーカルのティム・オーウェンズが主人公のクリスのモデルだそうです。
ところが、製作上「ジューダス・プリースト」とは内容で決裂して、一応無関係となっています。
因みに、「スティール・ドラゴン」のメンバーには
ギタリスト ザック・ワイルド
ベーシスト ジェフ・ピルソン
ドラマー ジェイソン・ボーナム
を迎えています。
超豪華メンバーです。
あいにくと演技はほとんど、させてもらえませんが。
演奏は彼らによるものなので、ロックファンならば、必見の映画となっています。
106分と短い映画ですが、充実した作品でした。
この映画を観ると、また音楽がやりたくなります。
是非、観てみてください。