第214回目は「蝋人形の館」です。
2005年のアメリカ・オーストラリア合作のホラー映画。
以降ネタバレ注意です。
「蝋人形の館」といえば真っ先に思い出すのは聖飢魔IIの曲です。
当時の私には衝撃的な作品であり、印象的なバンドでありました。
今でも日本で最も成功したヘヴィメタルバンドではないでしょうか。
さて、同タイトルのこの映画ですが、おそらく私は聖飢魔IIがなければ観ていません。
タイトルからしてつまらなそうだし、観る価値を見出せなかったでしょう。
唯一引っかかるところがあるとすれば、ヒロインがエリシャ・カスバートであるというところだけです。
エリシャはドラマ「24」で主人公ジャック・バウアーの娘キンバリー・バウアーを演じていました。
そんな訳で、普段ならスルーするような作品ですが、期待度MAXで鑑賞してしまいました。
物語は男女6人がフットボールの試合観戦のためにスタジアムに車で向かうところから始まります。
道中、とあるキャンプ場で一泊することになった一行は不審な車に遭遇します。
車は追い払ったものの、翌朝には自分たちの車が壊されていました。
主人公のカーリー(エリシャ・カスバート)たちは車の部品を求めて近くの街へと向かいます。
そこは人気の少ない静かな街でした。
街の一角に閉鎖された蝋人形館がありました。
そして、その蝋人形館には……。
果たしてカーリーたちは無事に帰ることができるのでしょうか?
是非、一度観てみてください。
この映画は「13日の金曜日」のようなオーソドックスな猟奇殺人映画です。
スプラッタが苦手な人にはオススメしません。
逆にスプラッタが好きな人には、まず満足な作品だと思います。
105分とそんなに長くないので、観やすいです。
見どころはやはり蝋人形です。
聖飢魔IIの歌の通り、生きたまま蝋人形にされてしまいます。
この映画は、なんと3度目のリメイク作品なのだそうです。
オリジナルは1933年の「肉の蝋人形」という作品らしいです。
よくも、こんな映画が3度もリメイクされたもんだと、呆れるやら感心するやらです。
因みに、聖飢魔IIの「蝋人形の館」は、この映画がモチーフではないそうです。
ありきたりな内容かもしれませんが、雰囲気は怖めで悪くはありませんでした。
街の雰囲気も不気味で、ゾクゾクします。
そして蝋人形館ですが、映画の終盤ではあまりの美しさに惚れぼれしてしまいます。
このシーンだけでも観た甲斐があったというものです。
あと登場人物でカーリーの兄のニックが、なかなか良い味を出していると思いました。
それにしても、生きたまま蝋人形にするというのは蝋人形製作者としては手抜き行為なのではないでしょうか?
あまり日本では馴染みがないと思いますが、アメリカでは蝋人形館だけでなく、博物館の展示品として重宝されているようです。
蝋人形の設定は充分活かせていて、ポイントの高い作品だと思いました。
とは言え、お察しの通りB級作品なので、期待しすぎるとガッカリしてしまうかもしれません。
できれば、軽い気持ちで鑑賞して観て欲しいです。
というわけで、聖飢魔IIファンの方には是非観て欲しい映画です。
映画を観ていると聖飢魔IIの蝋人形の館がガンガン脳内再生されます。
ホント、クライマックスは芸術的です。