第207回目は「逃亡者」です。
1993年のアメリカのサスペンス映画です。
*以降ネタバレ注意です。
1960年代に大ヒットしたアメリカのテレビドラマのリメイク作品です。
かなり有名なようで、私の親世代なら誰でも知っているという感じの様です。
実際に起こったサミュエル・シェパード事件を元に書かれた小説が原作のようです。
ただし、サミュエル・シェパードは逃亡していないようです。
物語はシカゴ記念病院の医師リチャード・キンブルが主人公です。
ある夜、キンブルが帰宅すると、妻のヘレンが何者かに襲われて死にかけていました。
キンブルはなんとか侵入者を撃退しますが、逃げられてしまいます。
ところが、警察はキンブルを犯人として逮捕してしまいます。
そして、あろうことか裁判で有罪判決を受けて、死刑を宣告されます。
刑務所に移送されるキンブルでしたが、偶然にも他の囚人が企てた脱走計画に便乗して逃亡します。
キンブルは逃亡しながら、真犯人を捜します。
果たして、真犯人は見つかるのでしょうか?
キンブルの運命は?
是非、観てみてください。
この映画が私は結構好きです。
妻と初めて一緒に映画館で観たという思い出もあります。
キンブルを演じるハリソン・フォードも好きだったので、文句なしに好きな映画です。
あっ…………文句は後で書きます。
さて、冒頭からいきなり事件が始まり、余りの急な展開に映画館で動揺してしまったことを思い出します。
130分とちょい長めの映画ですが、展開がテンポ良く全然飽きさせません。
逃亡者というシチュエーションが手に汗握ります。
いつ捕まるのかとヒヤヒヤしてしまいます。
この緊張感が映画を名作に押し上げているのだと思います。
そこには逃亡者キンブルを追う追跡者、連邦保安官補のサミュエル・ジェラードの功績が大きいのだと思います。
もう一人の主人公と言っても良いジェラードは優秀でキンブルにグイグイと迫ってきます。
キンブルとジェラードが対面あるいはニアミスするシーンは鼓動の高鳴りを感じます。
キンブルを追うジェラード、真犯人を追うキンブル。
スリル満点です。
観た事がない人には是非観て欲しい作品です。
ちょいちょい人助けをするキンブルの人柄も魅力的ですし。
捜査に執念を燃やすジェラードも応援したくなります。
追う側、追われる側、どちらの視点でも楽しめる優秀な作品です。
私にとっては洋画ベスト10にランクインする作品です。
ところで、現実のキンブルのモデルの名前が、サミュエル・シェパードで、映画では保安官補がサミュエル・ジェラードという名前ですが、意図して名付けたのでしょうか?
因みに、1954年に妻の殺害の容疑で逮捕されたシェパードは1966年に再審で無罪を勝ち取ったそうです。
しかし、シェパードが無罪になった途端、それまで大人気だったドラマ版「逃亡者」は急速に視聴率が悪くなり打ち切りが決定したそうです。
人間って冷めるの早いですね。
なんか変な気持ちです。
さて、ここで一応文句を言っておきたいと思います。
そもそも、キンブルを逮捕するなんて、警察が無能過ぎます。
1960年代ならいざ知らず、1993年でこんな捜査が通るはずがないと思います。
あまりにも酷過ぎです。
裁判所も弁護士も無能揃いです。
ロクな証拠もないのに死刑ですよ。
アメリカ、めっちゃ怖え〜。
それと、殺害の動機も陳腐な気がします。
詳しくは言えませんが、そんな事で人を殺すかな?って感じがしました。
アメリカ、怖え〜。
でも、最近のアメリカを見ていると、案外リアリティがあるのかもしれないという気になってしまいます。
やっぱ、アメリカ怖え〜。
だからこそ、ハリウッド映画は面白いのかもしれません。