第237回目は「12モンキーズ」です。
*以降ネタバレ注意です。
今のご時世で、ウィルスものの映画が面白いと言うのは、はばかりがありますが、かなり面白い作品です。
ウィルスが蔓延して人類が滅ぶという映画は昔から沢山ありますが、この映画は特殊な感じがします。
ウィルスものでありながら、タイムトラベルものでもあるのです。
難解ではありませんが、かなり混乱する展開でした。
特に、頭のおかしな登場人物が多く登場し、主人公まで混乱しっぱなしなので。
観ている私まで頭がおかしくなりそうでした。
でも、後半で全てが繋がると、頭がシャキッとする感覚があります。
そこがなんだか快感だった様な気がしました。
ちょっと、とっつきが悪いですが、是非観て欲しい映画です。
物語の舞台は2035年の近未来のアメリカが舞台になっています。
1996にウィルスが蔓延し、50億人の人類が犠牲になった世界です。
主人公ジェームズ・コールはタイムマシンで、ウィルスをばら撒いた組織「12モンキーズ」の調査をするために1996年に送り込まれました。
ところが、なんの手違いか、たどり着いた時代は1990年でした。
コールは警察に逮捕され、精神病院に収監されてしまいます。
未来のことを語るコールですが、キャサリンは信じることができず、コールは妄想癖と診断されます。
一方で、同じく精神病院に入院しているジェフリー・ゴインズはコールの話に興味を持ちコールの脱走に協力します。
果たしてコールはウィルスを食い止めることができるのでしょうか?
「12モンキーズ」の正体とは?
是非、観てみてください。
冒頭で人類が地下に避難して、地上は動物の楽園となった世界が描かれています。
コールはそこで、昆虫などのサンプルを採取する任務に当たっていました。
その後、コールは評価されてタイムトラベルの任務を与えられます。
よくよく考えたら、もっと他に適任者がいたのではないかと思います。
コールは犯罪者で、明らかに科学的知識や理性に欠けています。
タイムトラベルするには歴史改変を避けるとか、細心の注意が必要だと思われますが、全く過去の世界に順応できていません。
どう考えても人選ミスです。
記憶力が良いから、とかそういう問題ではないと思われます。
ちゃんとした科学者がタイムトラベルするべきだと思います。
少なくとも、送り先の時代に詳しい者が行くべきだと思います。
なぜ、そうしないのかという根拠もあります。
おそらくタイムマシンが不安定で正確な年代に人間を送ることが出来ないからです。
つまり実験段階であり、コールは実験用のモルモットであると考えられます。
どうやら、そういう人間をポンポン過去に送り込んでいる様です。
その人たちは予言者として痕跡を残してしまっています。
このタイムマシンはちょっと変わっていて、過去に送り込むには装置が必要です。
しかし、帰りは装置なしで、自動的に未来に帰ることができる様です。
不思議な気もしますが、そういう設定です。
また、映画「ターミネーター」ではスッポンポンで過去に送り込まれましたが、
「12モンキーズ」のタイムマシンはパンツと雨ガッパの様な透明の服が持ち込み可能でした。
基本、手ぶらで送り込まれるのは変わりませんが、パンツはありがたいと思います。
まだまだ、改良の余地がありそうです。
訳もわからず展開する映画ですが、いきなりぶち込まれた精神病院のシーンは圧巻です。
特にジェフリーを演じるブラッド・ピットの演技が迫力満点です。
なんでもブラッド・ピットは役作りのために精神病院に体験入院をして精神患者の演技を身につけたそうです。
あまりにも凄すぎて、ブラッド・ピットは精神病院を退院させてもらえなかったそうです。
それくらい鬼気迫る演技でした。
コール演じるブルース・ウィルスも精神を病んでいく演技が凄まじい感じがしました。
他にもホームレスやら、頭のおかしい人物が出てきますが。
未来から来ておかしな事を言っているのか?
本当に頭のおかしな人なのか?全く判りません。
何が真実で、何が虚構なのか、延々と続きます。
観ている方も困惑すると思いますが。
後半で、線が繋がって来ると、もの凄くスッキリします。
そして、ラストにまたモヤモヤが襲って来ると思います。
この揺さぶられ方が、楽しいというか、クセになりそうです。
是非、皆さんにも味わって欲しいと思います。
タイムトラベルものやウィルスものが好きな人にはダブルでオススメです。
動物好きの人にもオススメです。
是非、観てみてください。
因みに、私はこの映画が大好きで、オススメの映画として、彼女(現妻)の母親に観せたのですが。
頭のおかしなヤツと思われたかもしれないと、後で不安になっていました。
映画自体は喜んで貰えましたけど……。