第217回目は「俺たちに明日はない」です。
1967年のアメリカの犯罪映画です。
*以降ネタバレ注意です。
♫縛られたアダムとイヴ〜走り抜けたボニー&クライド♬
そんなフレーズがTM NETWORKの「self control」という曲にありました。
アダムとイヴはいいとして、ボニーとクライドって誰だよ。
率直にそう思っていました。
そういえば「愛と青春の旅立ち」という映画の主人公がボニーとクライドだったような……。
と思っていましたが「俺たちに明日はない」が正解でした。
ボニーとクライドは1930年代に実在した銀行強盗カップルです。
現代では銀行強盗なんて、そうそう成功しないと思いますが、その時代はセキュリティも甘く、警察も規模が小さかったようです。
当時では有名な連続銀行強盗犯だったそうです。
そんなボニーとクライドの出会いと逃避行を描いた作品です。
物語は1930年、ボニー・パーカーは平凡な生活に鬱屈している退屈女子でした。
ある日、ボニーは自分の家の車を盗もうとしている男に遭遇しました。
その男こそ、ならず者のクライド・バロウでした。
ボニーはクライドに興味津々であり、クライドが本物のワルかどうか確かめてみたくなりました。
クライドはボニーの目の前で強盗を働き、成り行きでボニーと逃走します。
ボニーは変化を求めてクライドと行動を共にすることにしました。
ボニーとクライドは逃げきれるでしょうか?
彼らに明日はあるのでしょうか?
興味がありましたら、是非一度観てみてください。
1930年代は世界恐慌などで経済が衰退して、犯罪が横行していた時代です。
そんな時代に生きたバカップルの物語です。
感覚としては、みんな悪いことしているから、自分もやってもいいよねーという風潮だったのではないでしょうか?
常識で考えて銀行強盗なんて成功するわけがないし、そもそもやっちゃダメだし。
そんなことも判らないほど、麻痺してしまっているようです。
世間もボニーとクライドが金持ちを狙うので義賊のように支持していたそうです。
そういうところはアメリカンな感じがします。
狂った時代です。
古い作品ですが、1930年代を視覚化しているようで、味があって良いと思います。
風景や車、人物も美しく感じます。
名作と呼ぶ人がいるのも解る気がします。
しかし、内容は無鉄砲な逃避行で、はちゃめちゃな感じがします。
それなりに格好良くは描かれていますが。
映画に集中している間はギャング感を満喫できて楽しいのですが、ふと我に帰ると「コイツら馬鹿じゃないだろうか?」と思ってしまいます。
仲間が増えると、バカが増殖したように感じました。
とは言え、ワルに憧れるというのは解ります。
非日常ですし、そこにボニーも惹かれたんだと思います。
ボニーとクライドは美男美女で、観ていると応援したくなる気持ちも解ります。
銀行強盗が成功しろとは思いませんが、ある種の幸せを手に入れて欲しい気はしました。
感情移入できる人はわりと楽しめると思います。
また、
歴史の1ページとしても勉強になったと思います。
そういう意味では観たかいがあったなと思います。
作品としても面白かったと思います。
1920年から1930年代は私にとっては魅力的な時代です。
その時代ならではのエピソードなので、見応えはありました。
銀行強盗をしようとは思いませんが、非日常や、スリルに憧れる気持ちは共感できます。
ある程度、バカにならなければ夢は叶わないのでしょうか?
お利口さんは、日常で満足するしかないのでしょうか?
ま、私は毎日楽しいですけどね。
クライムサスペンスが好きな人、非日常を求めている人にはオススメです。