第291回目は「”IT “それが見えたら、終わり。」です。
出典U-NEXT
2017年のアメリカのホラー青春映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私は子供の頃、チョッピリお茶目な悪戯っ子でした。
毎日面白いことを探して、何かやらかしていました。
そんな私たちを先生は「限度を知らない子供たち」と呼んでいました。
私はそのフレーズが気に入って、勝手に自分たちのことを「限度を知らない子供たち」と命名しました。
そんな頃が懐かしいです。
思えば、その頃私たちは目に見えない何かと戦っていたような気がします。
ブラック校則だとか、イジメだとか、この世の理不尽に逆らおうとしていたような気がします。
今ならば敵の正体が明確に解り、対処する方法も考えられるのですが、若い頃はどうして良いか判らず、ただ反発していたような気がします。
今思えば、その頃はめちゃくちゃ楽しかったです。
そういうのも青春と呼んでも良いのではないでしょうか?
さて、この映画はホラー映画でありながら、「スタンド・バイ・ミー」の様な青春映画でもあります。
むしろ、そっちの方が比重が大きいと感じました。
多少怖いかもしれませんが、大丈夫だと思います。
スティーブン・キングが好きな人、スタンド・バイ・ミーが好きな人にはオススメです。
主人公たちは「ルーザーズ(負け犬)クラブ」という7人グループで、得体の知れない「それ」に襲われます。
ただでさえ、いじめっ子や親の虐待やら差別やらで大変なのに。
主人公ベンの弟ジョージーが行方不明になってしまいます。
しかも、その町では27年ごとに少年少女が行方不明になる事件が多発していました。
少年たちは得体の知れない「それ」に狙われていました。
やがて、ベンとその仲間ルーザーズクラブのメンバーも狙われてしまいます。
果たして「それ」の正体とは?
ベンたちは「それ」に打ち勝つことができるのでしょうか?
是非、観てみてください。
皆さんはピエロは平気ですか?
世の中にはピエロ恐怖症の人が多数存在するようです。
もれなく私も妻もピエロには恐怖を感じます。
この映画の「それ」のデフォルトの姿がピエロなのです。
この作品によってピエロ恐怖症を発症した人が沢山いるそうです。
言うのが遅くなりましたが、ピエロ恐怖症の人は要注意です。
しかしですね、この「それ」の本質的な正体は不明なままです。
悪魔なのか、化け物なのか、よくわかりません。
実のところ、そこがこの映画の怖くないところなのだと思います。
逆にピエロの幽霊、もしくは悪霊の方が断然怖いと思います。
なんとなくモンスターというところが、ホラーというよりはファンタジーという雰囲気を出してしまっています。
とは言え「それ」は人の恐怖を食べる化け物なので、主人公たちをどんどん怖い目にあわせていきます。
確かに怖いと言えば、怖いけれど。
主人公たちの心の強さが勝ってしまっています。
そのあたりが残念ながら、安心して観ることができてしまいます。
よって、ホラーというよりは青春映画という趣きが強いのです。
吃音のビル、ひょうきん者リッチー、ユダヤ人のスタンリー、黒人のマイク、喘息持ちのエディ、虐待されたビバリー、太っちょのベン。
それぞれの不安、悩み、そして恐怖。
乗り越えなければならないものの具象化が「それ」なのかもしれません。
是非、ルーザーズクラブの活躍を観てみてください。
友情あり恋愛ありで、青春時代を思い出します。
さて、パート2の「IT THE END」も観てみました。
出典U-NEXT
2019年の作品です。
27年後、大人になったルーザーズクラブと「それ」の戦い。
今度は自分の過去のトラウマと向き合うという内容になっています。
怖さも更になくなり、ホラーというよりもファンタジーのノリです。
正直なところ、観なくても良い作品だと思いました。
しかし、一点だけパート2を観なければ解決しない問題があるので、観ざるを得ないという気もします。
いろいろ悲しいこともありますが、青春ですわ。
良い映画だと思うので、是非観てみてください。
ピエロの顔がチョット怖いだけです。
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