カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

進撃の巨人

 

 

第289回目は「進撃の巨人」です。

f:id:kazuma_kazama:20231108204345j:image

出典U-NEXT


2013年から2023年までの日本のSFアニメです。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


今、地球上では二つの大きな戦争が行われています。

 


ウクライナ・ロシア戦争とイスラエルハマス戦争です。

 


早く終わって欲しいと願うばかりです。

 


しかし、戦争の終結とはなんなのでしょうか?

 


ウクライナ・ロシア戦争は、ある種の終結の想像がつきます。

 


ロシアがウクライナの領地から完全に撤退した時、停戦交渉の可能性があります。

 


ウクライナがロシアに逆侵攻でもしない限り、そこで終結ということが濃厚です。

 


ところが、イスラエルハマス戦争は終わりが見えません。

 


いつ停戦してもおかしく状況だとも思いますが、それでも続けているということは、最後まで戦い続けるのでしょうか?

 


早く戦争が終わることを祈っています。

 


さて「進撃の巨人」ですが、

 


当初私は観る気が、さらさらありませんでした。

 


人喰い巨人が大暴れして、それを退治する人間のグロマンガという印象でしかありませんでした。

 


もちろん、前半はまさにそんな感じです。

 


キッカケはグロ好きの姪っ子が夢中になって観ているらしかったので、どの程度か確認する必要があるという保護者意識からでした。

 


最初はホントにグロいだけでしたが、実際はめちゃくちゃ面白かったのです。

 


これはただのグロアニメではありません。

 


ファンタジーの皮を被った戦争リアリズムだったのです。

 


前半は巨人の恐ろしさが描かれていますが、後半は戦争の恐ろしさが描かれています。

 


いわば、巨人=兵器の恐ろしさであり、戦争は人間の心理、差別、権力の恐ろしさなのです。

 


そして、最も理想的な希望が、最も絶望的な結末であるという物語です。

 


多少グロいかもしれませんが、絶対に観て欲しい作品でもあります。

 


こんなに気合いの入った作品はここしばらく観たことがありません。

 


NHKで放送していたのが信じられないくらいです。

 


100話近くありますが是非、観てください。

 


物語はとある街から始まります。

 


その街は巨大な壁に覆われていました。

 


壁の外には人を食べる巨人たちが闊歩していました。

 


エレン、ミカサ、アルミンたち幼馴染はそんな壁の外の世界に夢を馳せていました。

 


そしてある日、壁の高さを超えるほどの超大型巨人が現れ、遂に壁を破壊して街に侵入してきます。

 


街の人たちは次々に巨人たちに捕食され、

 


遂にはエレンの母親まで食べられてしまいました。

 


なんとか街を脱出したエレンたちは、調査兵団に入団し、巨人たちに復讐を誓うのでした。

 


果たして、巨人たちの正体は?

 


壁の外には何が待ち受けているのか?

 


是非、観てください。

 


この作品は凄い。

 


驚きの連続でした。

 


前半は多少ストーリーの進展が遅くてダルい感じはしますが、我慢して観続けてください。

 


謎が一つ明かされるたびに、どんどん引き込まれて行くこと間違いなしです。

 


後半は全く雰囲気の違う作品となるので、驚きます。

 


そこまで最初から考えられていたとすると、原作者の諫山創は相当優秀なシナリオライターだと思います。

 


常人にはこんな作品は描けないし、放送できません。

 


グロいだけのしょーもない作品だと思って観ていない人は、騙されたと思って観てみてください。

 


恐らく日本のアニメ史上に残る作品だと思います。

 


とにかく世界観、歴史観が秀逸です。

 


巨人であるとか、立体機動装置とかはビジュアル的なエッセンスでしかなく、

 


本質は戦争における心理描写なのです。

 


巨人との戦い、そして人間同士の戦い。

 


人種差別や歴史的報復における戦争。

 


そこにリアリティのある心理描写が描かれています。

 


作品に分厚い奥行きを感じます。

 


ただ巨人と戦うだけの作品なら、すぐ飽きられるペラペラの作品になっていたでしょう。

 


是非とも最後の最後まで、観てみてください。

 


最後まで観た感想としては

 


「ああ、戦争に終わりはないんだな」

 


としみじみと痛感しました。

 


そこが1番リアリティを感じました。

 


今この世界で行われている戦争の理想的な結末を考えさせられる作品でした。