第151回目はソルトです。
2010年のアメリカのスパイ映画です
*以降ネタバレ注意です。
物語は石油会社に勤める女性イヴリン・ソルトが北朝鮮にスパイ容疑で逮捕された状態から始まります。
クモ学者のマイクの働きかけにより、ソルトは釈放されます。
実はソルトはCIAの諜報員でした。
それでも、その後マイクとソルトは結婚しました。
それから2年後、ソルトの勤めるCIAの偽装石油会社にロシアの亡命者オルロフが出頭して来ました。
ソルトがオルロフの尋問にあたります。
オルロフの話では、旧ソ連時代にスパイ養成機関があり、そこで子供の頃から教育されたスパイが、アメリカ人に偽装して十数年、数十年も前から潜伏しているとのことです。
そして潜伏しスパイが訪米したロシア大統領を暗殺する計画があると話します。
そして、オルロフはその暗殺者の名をイヴリン・ソルトだと告げました。
ソルトは仲間のテッドやピーボディから二重スパイの嫌疑をかけられ、追われることになります。
果たしてオルロフの証言は真実なのか?
ソルトの正体は?
是非一度観て観て下さい。
100分と短めの映画ですが、展開が早く緊迫感があり、なかなか面白かったです。
ソルトの夫のマイクがオルロフに誘拐されていて、CIAから追われつつマイクの救出を遂行するというシチュエーションが全体を盛り上げていると思います。
観ている間は、結構のめり込んで楽しめましたが、冷静になると不自然な点があるような気がしてきました。
先ず、CIAにやって来るオルロフですが、そもそもコイツがノコノコ出て来る意味が解りません。
CIAを撹乱するというのであれば効果はあったかもしれませんが、リスクが高すぎます。
ソルトにロシア大統領を暗殺させたいのであれば、コッソリ接触して命令した方が成功率はグンと上がるはずです。
わざわざネタバラシに来たのはどう考えても意味がないように思います。
ましてや、そんな状況で暗殺されてしまうなら、アメリカの警備はガバガバの穴だらけと言えるでしょう。
やはり暗殺はコッソリ計画した方が良いに決まってます。
ストーリーを盛り上げるための演出としか考えられませんね。
しかも後半のホワイトハウスの警備もガバガバでアメリカの大統領も暗殺し放題です。
それだけにスリリングな展開ですが、これじゃあ世界中のスパイは楽々暗殺できそうです。
しかし、ずっと以前からスパイが潜伏していて、CIAなどの要職について決行の日を待っているという設定は良く出来ていると思いました。
子供の時から近所に住んでいたら、実はスパイだなんて気付かないと思います。
旧ソ連のスパイがロシア大統領の暗殺を企てるというところも、違和感があって面白いと思います。
旧ソ連の時に偉かった人は、やはりソ連時代が良かったのでしょうか?
アメリカもロシアもブッ潰してやろうという気分になるのでしょうか?
アメリカの国内でロシア大統領を暗殺すれば、間違いなく国際問題になるでしょう。
最悪の場合、戦争なんてこともあるかもしれません。
それを思うと、この映画の様にザル警備だったらゾッとします。
この映画を観て、世界中のSPの皆様にエールを送りたいと思います。