カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

デビル

 

 

第133回目はデビルです。

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出典amazon.co.jp


1997年のアメリカの映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


デビルというタイトルからホラー的な内容を想像するかもしれませんが、全くホラー要素はありません。

 


原題は「devil‘s own」で「悲劇」という意味で使われるスラングだそうです。

 


物語はアイルランドのとある漁村から始まります。

 


ある一家が夕食前に祈りを捧げていると、覆面をした男が乱入し、一家の父親を射殺した。

 


父親はIRAのシンパであったためイギリス人に暗殺されたのだ。

 


目の前で父親を殺された8歳の少年フランキーは成長してIRAの構成員となった。

 


アイルランドでテロ活動を行うフランキーはスティンガーミサイルを購入するためにアメリカに渡ることになった。

 


果たしてミサイルは手に入るのでしょうか?

 


というストーリーです。

 


主人公がテロリストという、ちょっとした問題作でもあると思います。

 


序盤でイギリスの警察とフランキーが所属するテロリストの激しい銃撃戦がありますが、いかにIRAが凶悪であり、イギリス側が容赦が無い戦闘になっています。

 


詳しいことは勉強不足で私には解りませんが、アイルランドはイギリスの支配下にあって、宗教的な差別を受けていました。

 


プロテスタントカソリックを迫害して虐げていました。

 


現在ではどうか解りませんがアイルランドの独立をうたったテロを含んだ運動が多かったのだと思います。

 


IRAはその中でも過激派で多くの映画で、悪者として描かれています。

 


さて、フランキーはなんとかイギリスの警察や軍隊から逃れて、隠れ家に潜みます。

 


捜査のヘリをやり過ごすして、フランキーは

「スティンガーミサイルでヘリを吹っ飛ばしてやりてー」と、そんなふうに思っていました。

 


てなわけで、ミサイルを買いつけるためにアメリカにフランキーはやって来ます。

 


なんでアメリカなんでしょうね。

 


ミサイルを買うなら、ロシアか中東かフランスとかの方が仕入れやすそうな気がしますが、よりにもよってアメリカにやって来ました。

 


協力者によって潜伏先を紹介されますが、そこは警察官のトムの家でした。

 


灯台下暗しということだそうですが、こちらもよりにもよってという感じです。

 


しかし、トムは良い警察官であり良き家庭を築いていたので、フランキーにとっては憩いの場所となって行きます。

 


この映画ではアメリカの警察の横暴さも描かれています。

 


最近のアメリカでの事件とも被っているので、何とも言い難い印象をうけました。

 


フランキーも普通の家庭に育っていればテロリストにはならなかったでしょう。

 


私は日本で平和に暮らしていますが、もし他国に侵略されたり家族を殺されたりしたらテロリストになってしまうかもしれません。

 


もちろんテロなんて悪いことだし、やってはいけないことですが、「ではどうすればいいんだ?」という問いに対する答えを私は持っていません。

 


法に則って平和的に解決しましょう。

 


と、無責任で世間知らずな私は思いますが、そういう人も簡単に撃ち殺される世界が現実にあるようです。

 


しかし、やはりテロは間違った手段だと思います。

 


映画を観ているとフランキーに同情してしまいそうになりますが、流されてはいけません。

 


普段の私ならフランキーのことをアホと言うところなのですが、なぜか情が湧いて来てしまいました。

 


トムの視点で観ているからかもしれません。

 


ミサイルで世界は変えられはしないのです。

 


テロでも変えられないでしょう。

 


感想としては「フランキーのバカヤロー!」としか言いようがない気がします。

 


今のご時世に観て是非観ておいて欲しい映画です。

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さて、この映画の主人公フランキーはブラッド・ピットが演じています。

 


一方、トムはハリソン・フォード のダブル主演ですが、製作当初予定ではハリソン・フォードは出演するはずではありませんでした。

 


脚本を気に入ったハリソン・フォード が強引に出演を希望したため、製作側もハリソン・フォード が出るならばと脚本を書き直したそうです。

 


そのためトムの出番が大幅に増えて、ストーリーも大幅に改変されたそうです。

 


しかも撮影終了後、ラストが気に入らなかったブラッド・ピットハリソン・フォード

はわざわざ撮り直しを行ったそうです。

 


ハリソン・フォード 的には満足だったでしょうが、ブラッド・ピット的にはどうだったんでしょう。

 


気に入って撮影に臨んだはずが、ハリソン・フォードに引っかき回され、挙げ句の果てに予定していたイタリアンシェフの修行もキャンセルしてしまったそうです。

 


そうなってくると元のストーリーや結末が気になるところですが、現在は知る由もないです。

 


結果として私はハリソン・フォードが出演して正解だったと思います。

 


フランキーがトムに父性を感じでしまうのですが、個人的に私の父がハリソン・フォード に似ているので共感を覚えました。

 


フランキーとトムと同僚の警官エディの3人が一緒に写真を撮るシーンは感慨深いものがあります。

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出典Videomarket.jp

 


割と珍しいテロリストの心情を描いた作品ですので、是非観てみてください。