第68回目はグラディエーターです。
*以降ネタバレ注意です。
2000年のアメリカ映画です。
ローマ帝国の剣闘士の物語。
ラッセル・クロウ扮するマキシマス将軍は当時のローマ皇帝アウレリアス帝に、後継者にと指名されますが、返答を引き延ばしてしまいます。
その間にアウレリアス帝は息子のコモドゥスに暗殺されてしまいます。
マキシマスはコモドゥスを後継者と認めなかったために処刑されそうになります。
からくも窮地を脱したマキシマスは故郷を目指しますが、先まわりしたローマ兵に妻と息子を殺されてしまいます。
その後マキシマスが奴隷となり、剣闘士となって復讐の機会を待ちます。
という物語。
冒頭からゲルマン人との戦争で始まり、あとは闘技場でのバトルの連続で戦ってばかりの映画です。
しかし戦闘シーンはそれぞれシチュエーションが異なっていて、見応えがあります。
現実にコロッセオで殺し合いをさせていたのかと思うとゾッとしないでもないですが、美しくカッコよく描かれています。
西暦180年から始まるのですが、たしかにアウレリアス帝の没年と一致していますが、ストーリー上ラストは西暦192年ということになると思うのですが、映画では数ヶ月ほどの間の出来事になっている印象です。
史実を元にしたフィクションは大好きですが、史実と違うことが起こると時々混乱してしまいます。
まあ、映画は映画なので気にしないことにしましょう。
戦ってばかりの映画と書いてしまいましたが、ストーリー背景は少し複雑です。
ローマの歴史文化の理解が少しないと、展開が強引に感じるかもしれません。
特に元老院の存在です。
実は私は元老院のことがよく解っていません。
国会議員(貴族院)のようなものだと思っていますが、どの程度の権力を持っているのでしょうか?
皇帝とのパワーバランスもあまり解っていません。
これは映画が悪いのではなく私の勉強不足なので、映画を観るのに支障はないと思いますが、皇帝を失脚させるくらいはできそうです。
そのため皇帝は市民に人気取りをする必要があるということなのでしょう。
あってますでしょうか?
というわけで、グラディエーターとしてローマ市民の人気を掌握したマキシマスは皇帝が無視できない存在となっていきます。
しかも、人気があるため、暗殺もできません。
コモドゥスは自分の支持率を下げずに、マキシマスを合法的に葬らなければならない。
ということで、この物語が成立するわけです。
正直、奴隷剣士くらいとっとと殺しちゃえば良いのにと思わなくもないですが、皇帝といえどそこまで自由では無いようです。
感想としては戦闘シーンは魅力的だし、ストーリーも面白い。
どうせならもう一波乱あっても良いと思うのですが、不発に終わってしまって残念です。
そこが、絶望感があって良かったのかもしれませんが。
少々、寂しい結末だったように思います。
関係ありませんが、主演ラッセル・クロウが友人の父親に似ているので、面白かったのです。
友人は
「……無理矢理見ようと思えば、似てないこともないかな……」
と苦笑気味でした。
ちなみに私の父親はハリソン・フォードに似ていると思っていますが。
誰一人同意を得られていません。