第240回目は「ハクソー・リッジ」です。
2016年のアメリカの戦争伝記映画です。
*以降ネタバレ注意です。
絶えず世界のどこかで戦争が起きているのだとは思いますが。
現在、大規模な侵略戦争がロシア・ウクライナ間で起こっています。
正直なところ、戦争なんて遠い世界の話だと思っていました。
もちろん、自分には全く関係がないと思っているわけではありません。
経済的影響や物価の高騰など、関わることもあると思います。
どこかで身近な人が命を落とす可能性だってあるでしょう。
今回はお隣の国でもあるし、他人事ではないような気がします。
多くのことは申しませんが、早く平和が訪れると良いなと思っています。
さて、この映画は太平洋戦争中の沖縄戦が舞台の実話となっております。
実は私は太平洋戦争を含む第二次世界大戦ものの映画は苦手なのです。
なんと言いますか狂気を感じますし、眼を背けたいと言う気持ちが勝ってしまいます。
中世の戦争でも中東戦争、ベトナム戦争でも同じく人が死んだりするのですが、それはわりと大丈夫です。
おそらく、私の中では第二次世界大戦以外はファンタジーだと感じているのだと思います。
酷い言い方をすれば、私には関係ないと考えているのだと思います。
ぶっちゃけて言えば、太平洋戦争でさへ戦後生まれの私としては、無関係でいたいところですが。
心のどこかで、日本人の罪を背負っているような気がします。
全ての戦争や貧困を身近に感じることができれば良いと思うのですが。
私の心の中には残酷な境界線が敷かれているようです。
無関心は悪の温床です。
さて、物語は第二次世界大戦に参加したアメリカの衛生兵デズモンド・ドスの実体験を映画化したものです。
デズモンドはキリスト教の敬虔な信者でした。
第二次世界大戦が激化し、周りの人々や弟が出征していくのを、ただ見送っていました。
そして遂に、デズモンド自身も戦争に志願することを決意します。
ただし、衛生兵としてであり、決して銃を手にしないという信念を持っていました。
ところが当然、上官はそんなことを許すはずもなく、デズモンドに銃を取らせようとします。
頑なに拒否するデズモンドはイビリにシゴキにイジメに合います。
果たして、デズモンドは銃を取ってしまうのでしょうか?
是非、観てみてください。
良心的兵役拒否者という言葉をご存知でしょうか?
私も最近まで知らずに、何かの映画で知りました。
宗教などの理由で兵役を拒否する人のことです。
そもそも、そういう人は戦争には参加しないのですが、デズモンドは参加することを選んでしまいます。
戦場で救える命があるというのです。
しかも、自らは武装しないと言うのです。
これは尋常じゃない信念と精神の持ち主です。
武器があっても怖いのに、マルゴシで戦場に行けるでしょうか?
敵からしたら、そんな事情は知ったこっちゃないのです。
恐ろしい。
とんでもない激戦区だったそうです。
日本兵がエゲツなく怖いです。
まるで死を恐れていない様子です。
そんな日本兵が私は怖くてなりません。
そんな中デズモンドはたった1人で救助活動をします。
めちゃくちゃ緊張感のある恐ろしい映像になっています。
敵が日本兵なので、なんとも言えない心境ですが、デズモンドは応援したくなります。
1人、2人助けるだけでも大変なのに、100人近く助けらしいので驚異的です。
デズモンドは名誉勲章を授かったそうですが、私も表彰したい気持ちです。
敵とか味方とか関係なく、1人でも多くの人が助かったのであれば、それで良かったと思います。
しかし、戦争のことはよく解りませんが、ここまでして前田高地を攻略する価値があったのでしょうか?
守る側の日本が徹底抗戦するのは解りますが。
アメリカは海上封鎖と、せいぜい空港を破壊することで、無力化できなかったのでしょうか?
戦争はそんな甘っちょろいものではないのでしょうか?
個人的には太平洋戦争は無益な戦争だと思っているので非常に辛いです。
心情的にはオススメとは言い難いですが、歴史の1ページとして観てみても良いのではないかと思いました。
沖縄で起こったことを別の視点から見るということも重要な気がします。
戦争を肯定するわけではありませんが、衛生兵の皆さんには頑張って欲しいと思います。