第241回目は「フューリー」です。
2014年のアメリカ・イギリス合作の戦争映画です。
*以降ネタバレ注意です。
子供の頃、私は戦車が好きでした。
私のイメージでは戦車が「戦うお家」という感じに思っていました。
内部の構造が、そう思わせたのかもしれません。
あの狭い戦車内に弾薬庫があったり、操縦席があったり。
はたまた、外側には丸太を積んだり、ツルハシやシャベルが掛かっていたり、荷物を運んだりと、生活感を感じました。
もちろん、砲塔やキャタピラも魅力的です。
戦車に初めて興味を持ったのは、友人の誰かが持っていた戦車のラジコンだったと思います。
戦車は、なんと左右のキャタピラが前後逆に動いて、その場で回転できるのです。
その動きに私の心は奪われてしまいました。
あいにく私には、ラジコンを買うお金はなかったので、当時流行っていた「スーパーカー消しゴム」の戦車版を集めていました。
戦車にも色々種類がありまして、シャーマン、タイガー、ヘッツァー、ギガント、ゲパルト、レオパルド、エイブラムスなどが有名ではないでしょうか?
「戦車消しゴム」で持っていたのは他にもあったかもしれませんが、記憶に残っていません。
残念です。
戦車の魅力を言葉で語るのは難しいのですが、この映画を観れば全てが伝わります。
戦車がどのように戦い、どのように動くのか、バッチリ映像化されています。
これ程までに戦車をリアルに表現した映画は過去にはないと思います。
戦車に興味がある人は是非、観てみてください。
物語は1945年4月、第二次世界大戦中のドイツが舞台です。
連合軍側のドン・コリアーが車長を務める戦車「フューリー号」が主軸となっています。
フューリー号に欠員が出たため、人員が補充されますが、やってきたのは戦闘未経験で戦車にも初めて乗る新人のノーマン・エリソンでした。
そもそもノーマンはタイピストであり戦闘要員ではなかったのです。
ドンやフューリー号の乗組員はノーマンに厳しく当たります。
そして、怖気づくノーマンは重大なミスを犯してしまいます。
果たしてドンたちフューリー号は無事に任務を果たせるのでしょうか?
是非、観てみてください。
戦車戦も見どころながら、ドンとノーマンの師弟関係が最も重要な見どころになっています。
戦い方、殺し方、生き方などあらゆることを戦争を通じてノーマンに教え込みます。
多少、教え方に問題がありますが。
戦場で生き残るためにはやむを得ないでしょう。
超スパルタ教育です。
どこで役に立つかは解りませんが、私もドンの指導には感銘を受けました。
その他にも勉強になるシーンが満載です。
戦車の戦闘がどんなものか。
支配地の雰囲気。
支配地の民間人はどのように過ごしているのかなど、私の疑問に全て答えてくれる映画でした。
一点だけ疑問が残ると言えば、ドイツのタイガー戦車が単独で出てきます。
映像的には最強戦車タイガーの強さを見せつける最高のシチュエーションです。
戦車同士のドッグファイトはなかなか手に汗握る展開でした。
でも、戦車一台だけで行動するかな?
いや、結果的にドンたちも一台で行動してたので、あり得なくはないでしょうか。
野良タイガーは偶発的な遭遇戦だったのでしょう。
この映画の公開当時の謳い文句は「戦車一台VS歩兵300人」でした。
私の感覚では余裕で勝てそうな気がしました。
私も古い人間なので、戦車最強説を信じています。
最近の歩兵は携行型ミサイルを持っていたりして強いですが。
第二次世界大戦中なら、戦車の方が圧倒的に強いはずです。
ところが、
おっと、ここから先は映画を観てください。
戦争映画として、戦車映画として、かなり優秀な作品でした。