第270回目は「ジャンヌ・ダルク」です。
出典U-NEXT
1999年のフランス・アメリカ合作の伝記映画です。
*以降ネタバレ注意です。
ジャンヌ・ダルクは歴史上でも神秘性の高い人物だと言えます。
史実であるとしても、とても信じられない生涯です。
いくら神の啓示を受けたからと言って、年端もいかない少女に軍隊の指揮を任せたりするでしょうか?
不思議な話です。
オルレアンの聖女と呼ばれるジャンヌ・ダルクですが、敵対するイングランドからすれば魔女です。
果たしてジャンヌは聖女なのか魔女なのか、是非、この映画を観て確かめてみてください。
物語は百年戦争時代のフランス。
フランスの王位継承権を巡って戦争が続いていました。
フランスの北部はイングランドに占領されている状態です。
東北部の農村ドンレミに住むジャンヌ・ダルクは幼い頃から敬虔なカトリック信者でした。
ある日、ドンレミ村がイングランド軍に襲われ、ジャンヌの目の前で姉が殺されてしまいます。
その後、ジャンヌは神の声を聞きフランス王太子の元へ向かいます。
果たしてジャンヌ・ダルクはフランスをイングランドから守ることができるのでしょうか?
是非、観てください。
ジャンヌ・ダルクに関する映画は初めて観ましたが、かなり鬼気迫る作品でした。
出典U-NEXT
ジャンヌ・ダルクの聖女的なイメージはグラグラと揺らぎ、もはや狂気を感じる様になりました。
伝記ものとしては、かなり史実に基づく設定になっているような気がします。
その為、結末や展開は悲惨なものになっています。
また戦記ものとしては、迫力のある攻城戦が楽しめます。
結構、生々しい戦いでした。
幾分か、フランスの歴史やキリスト教の知識があった方が面白味は倍増すると思います。
というか結構展開が激しく、難解な物語なのです。
前線で活躍するジャンヌ・ダルクとは裏腹に、政治的、宗教的な決着がなされていきます。
この政治的な部分と宗教的な部分が難解です。
そもそも百年戦争自体がなんのための戦いなのか、ややこしいのです。
しかも、イングランドの話なのかフランスの話なのか、こんがらがってしまいました。
私としては少しジャンヌ・ダルクの前知識があったので、ギリギリついていきましたが、初見ではかなり戸惑うのではないでしょうか。
でも、ジャンヌ・ダルク自身も相当困惑したでしょうし、前知識なしで見た方が没頭できるかも知れません。
注目すべきは、この映画に登場する神(?)の存在です。
正直なところ、私はコイツが何者なのか理解できません。
神なのか?
サタンなのか?
そうなってくると、ジャンヌ・ダルクが聖女なのかどうかさえ、解らなくなってきます。
かなり哲学的で戦慄を覚えました。
興味がありましたら、神の正体を見極めて下さい。
ところで、2006年にPSPの「JEANNE D‘ARC」というゲームが発売されていました。
異世界ファンタジーですが、ストーリーは史実を基にしています。
意外な展開が楽しめて面白かったです。
ジャンヌ・ダルクに興味を持った人は、一度プレイしてみることをオススメします。