第159回目は「地球が静止する日」です。
*以降ネタバレ注意です。
ある日、宇宙から謎の物体がセントラルパークに謎の物体が着陸する。
そして、謎の物体から人型宇宙人が現れる。
地球外生物学者のヘレン・ベンソン博士が接触しようとしたところ、軍人が宇宙人に向けて発砲してしまった。
懸命の治療で、一命を取り留めた宇宙人はクラトゥと名乗った。
クラトゥは地球を救うためにやって来たと言う。
果たして地球の危機とは何なのか?
クラトゥの真の目的は?
興味があったら観てみてください。
この映画は評価としては、まあまあといったところです。
古典映画のリメイクということで観る価値はあると思いますが、若干の物足りなさを感じます。
私としてはちょっとだけイライラする宇宙人だなと感じました。
クラトゥのもとに、アメリカ国防長官が尋問に来ますが、肝心のところは話そうとしません。
国連とかじゃないと話さないと言うのです。
「今、言えよ!すぐ言えよ!ここで言えよ!」
と思っています。
全く何様なんでしょうか。
地球に来たのなら、地球のルールに従ってほしいものです。
しかも腹の立つことに、大した内容じゃないのです。
「勿体つけやがって!」
と少し思ってしまいます。
地球のことは地球人が考えるので、よそ者はスッコンでいて欲しいです。
クラトゥは複数の宇宙人の代表としてやって来たそうですが、宇宙にはロクな宇宙人がいないようです。
本当に余計なお世話宇宙人です。
神様気取りなんでしょうか?
一見、物分かりの良さそうな知的宇宙人ですが、中身は短絡的な独善的宇宙人です。
というように、私はほんの少しだけイライラしてしまいました。
こういう感情になるということは、ある意味楽しい映画だと言えます。
友好的な宇宙人と別れを惜しむ映画がいくつかあると思いますがこの映画は
「とっとと帰れ!」と思ってしまいます。
チョット変わってて面白い映画でした。
さて、ついでにオリジナル版の「地球の静止する日」も観てみました。
こちらは1951年公開の白黒映画です。
こちらの舞台はワシントンD.C.です。
クラトゥの人物像はより人間的で、親しみを感じます。
ただ、勿体つける所と、大した内容じゃない所は似ています。
どちらにせよ
「今、言えよ!すぐ言えよ!ここで言えよ!」
という印象は変わりません。
クラトゥの科学力があれば電波ジャックでもして、ラジオ放送で言いたいことを言えば完結じゃないでしょうか?
言葉もラジオで学んだようですし。
なんだか変な映画です。
宇宙から来た外交官が、無理矢理サミットを開かせようとしたけれど、拒否されたので地球を観光して帰る。
という感じです。
ラストも肩透かしで拍子抜けです。
ですが、1951年には友好的で話が分かる宇宙人という斬新な映画だったのでしょう。
古典SFを楽しみたい人にはお勧めしておきます。