第144回目はゴシカです。
2003年のアメリカのホラー映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私が思う映画上のアメリカの信用できない公共機関と言えば、先ず1番目は警察です。
ほとんど映画の警察は汚職にまみれ、強引な捜査、横暴な態度とロクなもんじゃありません。
冤罪でも捕まったら、もう終わり。
いや捕まるならまだマシで、いきなり射殺ということもあり得ます。
是非とも映画の中だけの話であって欲しいものです。
2番目は裁判所です。
特にアメリカの陪審員制度は感情に左右され過ぎの様に感じます。
弁護士などの印象操作で判決が決まる様なシーンが多々見られます。
本当に公正な裁判と言えるのでしょうか。
日本にも陪審員制度が導入されていますが、あまり機能しているとは言えない状況だと私は感じています。
しかし、それで丁度良いのかもしれません。
3番目は精神病院です。
ここも精神病と診断されたが最期、2度と出ることは出来ません。
何を言っても信用されないのですから、恐ろしいですね。
これも映画の中だけの話であって欲しいです。
さて、この映画「ゴシカ」は上記の三拍子が揃った刑務所内の精神病棟が舞台というとてつもなく恐ろしい環境の映画なのです。
ミランダは収監されているクロエの聞き取り調査をするが、まるで話を信じない。
嘘かデタラメあるいは幻想と決めつけていました。
ある晩、ミランダは帰宅途中事故を起こして気を失ってしまいます。
次に目が覚めたときにはミランダは刑務所内の精神病棟に収監されていました。
容疑は夫である刑務所長のダグの殺人。
身に覚えのないミランダは無実を主張するが誰も信じてくれません。
それどころかますます精神異常者として扱われて行きます。
果たしてミランダの運命や如何に。
という内容です。
興味のある人は一度観てみてください。
実はこの映画は私の中ではそれほど高い評価ではありません。
ブログに取り上げる程ではないと思いました。
しかし、理不尽な環境と設定と展開が良かった様に思いました。
脚本はイマイチかもしれませんが、雰囲気が良かった様に思います。
この映画はホラー、いわゆる幽霊が出てきますが、さほど怖くはありません。
しかし、この幽霊「メチャクチャしよる」という印象はあります。
まだ幽霊の存在がミランダの幻想の産物だということならば、映画の評価はグンと上がるのだと思います。
しかし、幽霊はどうやらマジもんの様で、その分何でもアリの世界になってしまっています。
そのせいで、ホラーとしてもサスペンスとしてもサイコスリラーとしても中途半端です。
ただ、雰囲気が良いのです。
理不尽な展開なので先が気になってしょうがないという感じで、観ている間はつまらない感じはしませんでした。
全体的に盛り上がっているし、後半も展開が激しいので飽きさせません。
何ならラストシーンも面白いしエンディングテーマまで聞き応えがあります。
では何がマズイのか。
やはり幽霊の存在が足を引っ張っている様に思われます。
惜しい作品です。
でも案外こういう映画ほど観てみたくなるものだと私は思います。
さて、今回も私の疑問ですが、アメリカでは犯罪者を殺しても罪に問われないのでしょうか?
悪人と見ればバンバン殺してますよね。
やはり陪審員制度があるから安心して、悪人をやっつけられるのでしょうか?
映画のラストで私は「いや何でコイツ釈放されとんねん!」とツッコミを入れてしまいました。
一体どうなっているのでしょう。
因みにエンディングテーマはLimp BizkitによるThe Whoのカヴァーbehind blue eyesが使われています。
なかなか良い曲なので、ズルくも無理矢理満足感が与えられてしまいました。
というわけで、ツッコミどころは満載ながら、なんだかんだで面白かったように感じてしまったわけです。