第139回目はショーシャンクの空にです。
1994年のアメリカ映画です。
*以降ネタバレ注意です。
聞くところによると、日本人の好きな映画ランキング1位が「ショーシャンクの空に」だそうです。
観る前は意外に思いましたが、観たあとならば、1位に選ぶ人も多いかなという気がします。
物語は主人公である銀行副頭取のアンディ・デュフレーンが妻とその愛人を殺した罪で有罪判決を受けるところから始まります。
その結果、アンディは終身刑となりショーシャンク刑務所に送られて来ます。
刑務所には暴力主任刑務官のハドリーや悪徳所長のノートンがいて必ずしも良い環境とは言えませんでした。
しかもアンディは他の囚人から頻繁に暴行を受けたりしていました。
そんな中でもアンディは希望を絶やさずに日々を過ごしていました。
アンディはある時、調達屋と呼ばれるレッドと親しくなり、彫刻用のハンマーを入手してもらいました。
徐々に他の囚人たちと交流を深めつつ、今度は暴力刑務官のハドリーの相続手続きを手伝って一目置かれるようになります。
元銀行員の経験を活かして刑務官の相談に乗っているうちに、今度はノートン所長の裏金の管理を任されるようになります。
次第にアンディは囚人から暴力を受けることもなくなり、図書室の蔵書を充実させたりと環境を改善していきます
絶望的な刑務所生活の中に希望をつかもうとするアンディの人生はどうなって行くのでしょうか?
是非、観てみてください。
ショーシャンク刑務所は映画を観る限りでは快適そうに見えます。
本も読めるし、映画も観られるし、差し入れも割と寛大に融通してくれます。
快適な刑務所というものに個人的には違和感を感じますが、人権問題としては許容するべきなのでしょう。
原作者はスティーブン・キングで、前回紹介したグリーンマイルと同じです。
共に刑務所を題材としていますが、直感的には正反対の映画だと感じました。
ショーシャンクが希望を描いているなら、グリーンマイルは絶望を描いているという感じです。
共通する点もあります。
冤罪事件であることや、悪徳刑務官がいることです。
アメリカの警察権力が絶大であるというところは昔の方が酷かったようです。
さて、ショーシャンクの方では仮釈放に焦点が当てられています。
40年も50年も刑務所にいると外の世界が怖いというのです。
せっかく刑務所から出ても、また刑務所に戻りたいと思ってしまうのです。
その辺りの心理描写は秀逸だと思います。
私は長い間ブラック企業に勤めていましたが、辞めるのが怖くて抜け出せないでいました。
外の世界で生きていけないような気がしていたのです。
抜け出せないなら、環境を変えようと努力もしました。
その点はアンディと共感するところがあると思います。
アンディは従順に見えて、頑固でしたたかな面があり、忍耐と不屈の精神を持っていました。
アンディの行動の結果が出た瞬間はスカッとします。
ノートン所長の裏金を管理して悪事の片棒を担いでいるので、決して完全なる善人とは言えないかもしれませんが、私はアンディを応援してしまいます。
映画の結末はなかなかの満足感が得られたと思います。
結末に向けての全体的な流れも完璧と言って良いでしょう。
さすがに人気No.1の映画だと感じました。
私も刑務所系の映画の中では1番面白いと思いました。
前途は多難かもしれませんが、アンディとレッドに希望があることを祈ってます。