カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

時をかける少女

 

 

第109回目は時をかける少女です。

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出典Amazon.co.jp


1983年の邦画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私にとっては初めて観たタイムリープを扱った作品だったと思います。

 


タイムリープという言葉も最近シュタインズゲートで知ったつもりでしたが、そんな昔に使われていたんですね。

 


小さい頃に観た以来だったので、断片的にしか覚えていませんでした。

 


私の記憶は非常に美化されていて、綺麗な映像だったように思っていたのですが、今観るとさすがに古さを感じました。

 


しかし、古き良き時代の映画です。

 


舞台が広島の尾道であり、街並みや色調が印象的でフィルムの古さがノスタルジーを感じさせます。

 


物語は高校1年の三月、学校主催のスキー合宿から始まります。

 


登場人物は平凡な女子高生の芳山和子、

醤油醸造所のお坊ちゃんの堀川吾郎、

植物採取が趣味の変わり者の深町一夫の

幼馴染みであり同級生の3人が主軸となります。

 


このシーンはモノクロで、徐々に色が着き始めるという演出がなされていて、意味ありげになっています。

 


時は移って2年生の新学期4月16日土曜日。

 


和子、吾郎、一夫は理科室の掃除当番となっていました。

 


理科準備室には最近、ドロボウが入るということで鍵が新たに付けられたところでした。

 


理科室の掃除を終えて、教室にカバンを取りに行く五郎と一夫。

 


1人残った和子は理科準備室からの物音に気づき、おそるおそる鍵を開けて中に入ります。

 


理科準備室の中には誰も居ませんでしたが、フラスコが割れて白い煙が立ち込めました。

 


和子は煙を吸い込み、気を失ってしまいます。

 


それはラベンダーの香りでした。

 


保険室で目を覚ました和子ですが、特に異常はなく家に帰ることになります。

 


帰りに和子は一夫の家に寄ります。

 


そこには温室があってラベンダーが栽培されていました。

 


違和感を覚えつつも4月18日月曜日を迎え、和子は登校します。

 


授業と部活を釈然としないまま過ごして、帰宅。

 


そして、夜半に地震が起こり吾郎の家の近くで火災が発生します。

 


心配で火災現場を見に来た和子は、同じく様子を見に来た一夫と会いました。

 


出火は小さかったようで現場を後にしますが、和子は帰り道に1人きりになったところを何者かに襲われます。

 


気がついた時は自宅のベッドで何事も無かったようでした。

 


19日火曜日、和子は吾郎と登校中、頭上に屋根瓦が落ちてくるという事故に遭遇します。

 


しかし、気がつくとまた、自宅のベッドの上でした。

 


でも、それは18日月曜日の朝でした。

 


というストーリーです。

 

 

 

 


思春期の女子高生の不安を表現しているのでしょうか、全体的に薄気味悪い雰囲気です。

 


タイムリープの能力を手に入れた和子ですが、それ以上に特に何かが起こるわけではありません。

 


ただ、日常ではなくなった世界を、元に戻そうとするだけです。

 


同じ日を2回繰り返すというのは面白い発想ですよね。

 


原作者、筒井康隆は凄いと思います。

 


重きは、和子、吾郎、一夫の三角関係に置かれています。

 


幼馴染みから恋愛に発展するかしないかというところです。

 


単にタイムリープという特殊能力についてだけではなく、過去よりも今が大事とメッセージを伝えています。

 


和子が過去に「ありがとう、さようなら」というシーンは残酷で感動しました。

 

 

 

ラストまで楽しめる良い映画でした。

 


日本で最も多く映像化されている作品であると聞いたことがありますが、この1983年版をお勧めしておきます。

 


機会があれば観てみて下さい。

 


ついでに不満点も2点言っておきたいです。

 


作品全体は面白くて、好きな人が多いのも納得です。

 


しかし、役者の演技はイマイチだと私は感じました。

 


擁護するならば、これは昭和映画の弱点でもあるのです。

 


個人的な意見ですが、役者は悪くないと思います。

 


問題なのは脚本、台詞です。

 


日本には口語と文語というものがあります。

 


いわゆる話し言葉と書き言葉です。

 


おそらく台詞が書き言葉なので、話すと不自然なのです。

 


変な言い回しだったり、感情のない言葉だったりします。

 


文字で読むと美しく感じると思います。

 


私が思うに脚本家が優秀で脚本が高尚であればあるほど、この傾向は強いのではないかと思います。

 


役者は棒読みにならざるをえなかったと私は考えています。

 


決して原田知世が可愛いからと言って弁護しているのではありません、裁判長!

 


さて、不満点をもう一つ。

 


エキストラのバレーボール部員が下手すぎ。

 


あまりにも下手過ぎて目が釘付けになってしまいました。

 


いかん!

 


彼女らは高校1年で、初めてバレーボールを手に取った新入部員に違いない!

 


全然不自然じゃないぞ!

 


そう自分に言い聞かせて、ストーリーに集中し直しました。

 


不満点は以上です。

 


セットや特殊効果の粗さもありますが、それは時代の物なので、ある意味見どころではあります。

 


ついでにもう一つ。

 


和子は弓道部なのですが、弓道場がなく校庭で練習しています。

 


的の後方には上段ではありますが通学路があります。

 


とっても危険です。

 


因みに私が通っていた高校の弓道部の的の後ろはテニスコートでした。

 


とっても危険です。