私は早起きは得意な方ではない。
意識はボンヤリと起きてはいますが、目は決して開けません。
目覚ましが鳴るまでは絶対に起きない。
そう決めているのです。
目を閉じてまどろんでいるとヒタヒタと足音が近づいてきます。
そして身体がズシリと重くなります。
体重4.2kgのミュウが私に乗っかっています。
しかし、私は起きません。
寝たフリをしていると言えなくもないのですが、目が覚めません。
しかし頭の中は徐々に冴えて来ます。
「ミュウが来たということは5:00だな」
漠然とそんなことを考えながら寝ています。
ミュウはその間毛繕いなどして過ごしているようです。
「そろそろ時間ニャ」
ミュウは私の足もとに移動します。
その間も私は目を閉じているのですが、なんとなくミュウが私の足首を見つめているのが分かります。
私は殺気のようなものを感じていますが動けません。
ミュウの顔がゆっくり足首に近づいて来るのを感じます。
「来るぞ!」
ガブー!
ミュウは私の足首に噛みつきます。
「朝ニャーん!ご飯ニャーん!」
ここでやっと私も起き上がり、ミュウと朝の挨拶を交わします。
だいたい、いつも5:30です。
これが毎朝の決まりのようなものです。
起こしに来るのは朝だけです。
お昼ご飯の催促はしません。
晩ご飯も時間の主導権は私たちにあります。
ただし夜ご飯は大好物の鶏ササミがプラスされるので、毎日大興奮です。
「ササミニャーん!ササミニャーん!早くニャーん!」
晩ご飯の準備に取り掛かると大騒ぎになります。
毎日こんな調子です。
ところで先日、夕方から妻とうたた寝をしていたのですが、ミュウに起こされました。
晩ご飯にはまだ早い時間です。
朝ご飯以外で起こされることはまずありません。
私が起きたことを確認するとミュウは妻を起こしだした。
ご飯なら、どちらか片方を起こすだけで良いのに珍しく2人とも起こされました。
そのあともしばらく私らから離れず、そばにいたので、2人とも寝ていて寂しかったのだろうか?
などと思っていました。
数時間して、地震速報が入りました。
震源地から遠かったので被害はありませんでしたが、ひょっとしてミュウは危険を察知して私たちに知らせてくれたのでしょうか?
そういえばミュウがソワソワしていたような気もします。
偶然かもしれませんが、不思議なこともあるものです。
ミュウは地震のあと、いつも通り他の部屋へパトロールに行ってしまいました。
ミュウを守っているつもりが、意外と守られているのは私たちの方かもしれませんね。