第229回目は「チャーリー」です。
1992年のイギリス・アメリカ合作のチャーリー・チャップリンの伝記映画です。
*以降ネタバレ注意です。
今年は映画が誕生して120周年だと思います。
1895年にリュミエール兄弟がカフェで上映会を開いているので、映画の歴史はもう少し遡ると思います。
ところが、その当時はただ日常風景を撮ったホームビデオ的な内容だったらしいです。
最初にストーリーのある映画として公開されたのは1902年の「月世界旅行」だそうです。
「月世界旅行」を観てみたいですけど、なかなか観る機会はないと思います。
そこで、私が知っている1番古い俳優は誰かなっと、ふと考えてみました。
どうやら、チャップリンが1番古そうです。
しかし、チャップリンの映画も観る機会がなかなかありません。
そんなこんなで、今年の最初に観る映画はチャップリンの伝記映画「チャーリー」に決定しました。
物語は1963年、チャップリンが自伝の出版にあたって、編集者の質問に答えるという形で進められます。
幼少期のチャップリンは極貧の生活をしていました。
母親は舞台女優をしていましたが、とても生活ができるほどではありませんでした。
ある時、母親に代わって舞台に立ちチャーリー(当時5歳)はその才能を発揮します。
しかし、その後も生活は苦しく、遂には施設に送られることになりました。
転機が訪れたのは17歳の時カルノ劇団に入団したことによります。
喜劇役者として頭角をあらわしました。
そして、アメリカ巡業で「映画」に出逢います。
そして、チャップリンは映画俳優の道へ進んでいきます。
チャップリンの成功の裏側にはどんな人生があったのでしょうか?
是非、観てみてください。
喜劇役者としてのチャップリン以外は知らない私としては、非常に良い映画でした。
ただし、144分では語りきれていない部分があるとも感じました。
特に女性関係が豊富で、4回ほど結婚して、その合間にも恋人がいたりしてました。
ちょっと私の頭では整理がつきませんでした。
しかし、女性で痛い目を見るところは、喜劇とも悲劇ともとれて面白いと思います。
チャップリンは女好きだったんですね。
喜劇の中にも哀愁が漂う演技には、そういう背景が影響していたのかもしれません。
演技や映画に対する情熱も描かれていて、チャップリンの凄さを再認識しました。
昔のサイレント映画の時代と現代のトーキー映画の転換期にチャップリンが、どのような心情だったのかというところも見どころです。&
途中でチャップリンの映画的要素を取り入れたり、実際のチャップリンのフィルムを使用したりと演出面も凝った仕上がりになっています。
本物のチャップリンと比較しても私的には全然違和感はありませんでした。
後半にはチャップリンの映画が政府に批判的だとして共産主義者と批判されるくだりがあります。
その辺りは私も知識として知っていましたが、物語としてみると悲劇としか言えません。
映画というメディアがいかに影響力があり、政府がチャップリンを恐れていたということがうかがえます。
大衆には絶賛されていたのに社会的に批判されたチャップリン。
再評価されたのは晩年になってからだそうです。
この辺りは本当にこの作品を観て欲しいです。
こういう背景を踏まえると、チャップリンの映画を評価する人たちが理解できます。
今、猛烈にチャップリンの映画が観たくてたまりません。
中でも「独裁者」が1番観てみたいです。
チャップリンに興味がある人、もちろんチャップリンが好きな人にオススメの映画です。
映画史の1ページとして、是非観てみてください。