第80回目は宇宙戦艦ヤマト2(TV版)です。
*以降ネタバレ注意です。
1979年放送のアニメです。
1978年公開のさらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たちのリメイク版です。
ストーリーはほぼ同じですが、細部と結末がかなり違います。
アンドロメダ星雲から謎の白色彗星が地球に向かってやってきます。
そんな時、これまた謎の女性、テレザート星のテレサから解読不能の通信が届きます。
ついでに正体不明の敵が現れます。
この一連の事件の正体を求めてヤマトはテレザート星へと向かいます。
というストーリー。
劇場版はヤマト完結を前提に作られており、TV版は続編ありきで、作られています。
私はTV版の方が好きです。
TV版はストーリーを視聴者がすでに知っているという前提で作られています。
普通ならば、敵の正体は最初は判明せず、2、3話目くらいで漠然と新たな敵が迫っているとするのが脚本的には正解だと思います。
今作の目玉である白色彗星の恐るべき正体はなんなのか。
これもストーリー的には14話まで隠しておきたいところです。
そして前作ヤマトで死んだ意外な人物が実は生きていた。
この辺りも普通なら正体をなかなか明かさず、仮面をつけて登場したりと、物語を盛り上げるところでしょう。
しかし、総ての謎は1話目で全部解ってしまいます。
手札をオープンした状態でポーカーでもやるような感じです。
ヤマトは敵の正体を突き止める為にテレザート星のテレサに逢いに行き、驚愕の事実を知らされますが。
視聴者は
「全部、すでに知ってるよ」となります。
それどころか
「なんだよテレザートくんだりまで呼びつけといて、情報はそれだけかよ!」
と空間騎兵隊の斉藤始のように怒りたくもなります。
この時点では、テレサに感謝する気持ちにまったくなれません。
ヤマト乗組員は敵の正体が解っただけでも良しとするか、という気持ちで地球に戻ります。
さて、その新たな敵ガトランティス帝国ですが、弱すぎます。
ヤマトが強すぎるというのもありますが、とにかく弱い。
敵の頭が悪すぎます。
ヤマトの艦長古代進も敵と遭遇すれば、イキナリ波動砲をぶっ放すという戦法なので、勝負になりません。
水戸黄門で言えば、先ず印籠を見せて相手をひれ伏せさせ、そのあとで「助さん格さん、懲らしめてやりなさい!」というような感覚になります。
切り札を初手で使ってくる容赦のない戦法です。
戦術的にはそれが一番正しいとおもいますが。
後半は死んだと思われていた宿敵がヤマトを苦しめます。
そこが、かなり面白いです。
ヤマトが敗北する瞬間はアニメ史上残る名シーンだと思います。
やはり敵に魅力があると盛り上がります。
20話目くらいからヤマト2は面白くなります。
全26話なので、もう終わりの方ですが。
最終決戦は手に汗握る攻防だと思います。
結末は賛否両論あるかと思いますが、まあまあ良いと思います。
ヤマトに興味のある人は一度くらいは観ても良い作品だと思います。