第78回目はグリーンブックです。
*以降ネタバレ注意です。
2018年の実話を元にしたアメリカ映画です。
タイトルのグリーンブックとは黒人が宿泊できるホテルをまとめた旅行ガイドブックです。
舞台は1962年のアメリカで、まだまだ黒人差別が蔓延していた時代。
主人公、トニー・バレロンガは用心棒をしていたナイトクラブが改装するため失業してしまった。
トニーが紹介された次の仕事はピアニストのドクター・ドン・シャーリーの運転手だった。
黒人差別の色濃く残っているアメリカ南部のツアーに8週間、同行することになる。
行く先々での差別によるトラブルに遭うが、それぞれに向き合ってゆく。
という物語。
最初、トニーは黒人差別主義者だったが、ドンとの交流で心を入れかえる。
それには音楽が影響していると思われる。
トニーは音楽が好きなようで、単純にピアニストのドンを尊敬しているようでした。
音楽に人種は関係ないということだと思います。
しかしながら、ドンには一流ピアニストになっても差別から逃れられないという現実がありました。
一方、イタリア系のトニーもWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)から差別を受けます。
トニーとドンはそれぞれの誇りと生き方で、差別に向き合います。
粗野で乱暴者のトニーと上品で紳士なドンは正反対な性格でありながら、相手を尊敬し合うようになります。
相手をキチンと知る機会があれば差別なんて乗り越えられるのかもしれませんね。
この映画は音楽が好きな人にお勧めです。
古き良き時代の音楽がカーステレオから流れてきます。
ロードムービーとしても楽しいですね。
最近はロードムービーでも荒涼とした景色のものばかり観ていたのですが、グリーンブックは割と景色が綺麗です。
良いシーンはたくさんあるのですが、ケンタッキーフライドチキンを車で食べるシーンが私は好きです。
なんだか楽しそうに食べていました。
映画とは関係ありませんが、私の祖父はケンタッキーフライドチキンが大好物で、隣町のケンタッキーに往復3kmほど毎日歩いて通っていました。
おかげで足腰のしっかりしたおじいちゃんでした。
おじいちゃんも楽しかったのだろうと思います。
人種の違い、生活水準の違いなどを乗り越えて生まれる友情に感動します。
どんな人にとってもフライドチキンは美味しいということはかわらないのです。
ドンは一般人をはじめ、レストランやホテル、さらに警察からもハードな差別を受けます。
おそらく現実にはもっと厳しい差別だったと思います。
それでも、挫けずに生きていく姿に感動します。
アメリカの歴史上に残すべき映画だと思いました。
是非、一度観てみて下さい。
カティサークで乾杯したくなるかもしれません。